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ハイビスカスの木陰でプラチナリングのシルエットを眺めていた #屋久島でつくる結婚指輪

真夏のような暑さが続いている。

屋久島サウスではこの時期になるといつもスコールが降り、涼しく過ごすことができるのだけど、これだけ台風が生まれない年も珍しい。

それでもやはり、朝は少し快適なのがありがたくて、早い時間からハイビスカスの木陰に佇んで、届き始めた強い陽光を見上げていた。

 

 

お二人の結婚指輪作りは、彼のリングの造形作業がひと段落したところまでを書きました。

自然の中に出会うライン。波模様のプラチナリングを作る。#屋久島でつくる結婚指輪

 

手の大きさも違っているし、日々の活動だってそれぞれ。

お二人が選んでくれたのは、素材もデザインも、お揃いのリングではあるけれど、

少しずつ微妙な寸法に変化を持たせながら作っている。

 

しっかりと頑丈にお作りする彼のリングに対して、彼女のリングはもっと繊細に、軽やかな印象に仕上げていきたい。

 

目指しているのは、一緒にリングをつけた時に、初めてそれがお揃いになるようなイメージだ。

 

リング幅は2.2mmから1.5mm、太いところから細いところへと、抑揚をつけて作っている。

表面の切り込み模様は、彼のリングと同じパターンで削り出した。

見た感じでは分かりにくいのだけど、高さ(厚み)はできるだけ抑えているところが、実は大きな違いだったりもする。

 

彼女のリングも思い切り良く造形できたように思う。

ハイビスカスのフィルターを通って柔らかになった光の下で、そのアウトラインをチェックしてみる。

 

こんなにも小さなリングなのに、力強さを感じることができる。プラチナの存在感はすごいと思う。

鏡のように島の緑を映している。

 

今からとても楽しみにしていることがあって、

出来上がったリングは、お二人がアトリエまで受け取りに来てくれることになっている。

 

それまでにじっくりとタッチを積み重ねていこう。

作業も終盤に差し掛かったというところだ。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

サウスからノースへ、屋久島の夏を旅している #屋久島でつくる結婚指輪

アトリエから緑のトンネルを抜けて。

ノースまで約1時間の道のりは、小さな旅をするようで面白い。

 

issou coffeeさんがオアシス的な存在であることは、ずっと昔から変わらない。

いつも出会うことができる、新鮮な発見にありがとう!

 

アイスラテを頂いて、窓の向こうに眺めた山々の佇まいが圧倒的だった。

 

 

自然の中に出会うライン。波模様のプラチナリングを作る。#屋久島でつくる結婚指輪

これからリングの削り出しを始めるところなのだけど、

本格的な造形作業を始める前に、その下準備にかなりしっかりとした時間をかける。

 

小さなリングの表面には、何本もの罫書きラインを正確に描いて寸法を取っておく。

マジックを使ってリング1周を囲む波模様も描いた。

 

料理で言うところの下拵えみたいなものだろうか。

実のところ、見えないところに費やすタッチの方が多かったりもする。

ここでの細やかな所作が仕上がりの美しさを左右する。

職人仕事とはこういうものなのである。

 

作業机の上をすっきりと片付けて、鉄鋼ヤスリとルーペを用意した。わくわく。

ここからは何も考えず、一気に手を動かしていく。

夢中になってしまい、時間がとても短く感じられるのは、いつものことかもしれない。

 

まずは大きく深呼吸。

プラチナリングに波のリズムを刻み込んでいく。

 

 

自然の中に遊ぶこと。そこに漂う神秘のようなもの。

オーダーメイドをご一緒しているお二人とは、

大切なフィーリングで繋がっているような気がしています。

2024年の夏、一度だけの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

夕暮れ時には作業の手を休めることが出来た(休めなくてはならなかった)ので、いつものビーチまで出かけた。

西に沈む太陽を眺めることができるのは、小さくて丸い島暮らしならではの喜びだと思う。

 

アトリエに戻り夕食を取った後に、夜の部の作業を始めた。

朝、マジックで描いてあった波模様のラインはプラチナが作るシャープなエッジに置き換わっている。

両側面からそのエッジまではのラインは、丸く柔らかい。

カーブを帯びた面が重なり合う場所が少しずつずれるようにして、エッジが波の模様を描いていく。

不確定さに満ちているように見える海の中にも、このような整合性を感じることがある。

自然が織りなすラインの美しさが好きだ。

 

晴天の七夕は久しぶりだったかも。

作業を終えると、アトリエの照明を落とし、庭先に出て星空を眺めた。

外は思いのほかひんやりと涼しくて、快適な夏の遊び場所を思い出す。

 

もちろん、お天気とか、見える場所見えない場所もあるだろうけれど、

それでも今日は、みんな同じ空を眺めているのかなと思うと、幸せな気持ちになる。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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2024年の夏、一度だけの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

2024年、夏の始まりは、屋久島で出会った友人に届ける結婚指輪を作っている。

朝のまだ薄暗い時間から作業を始め、暑くなると少し長い休憩をとり、夕暮れ時になるとまた作業を再開するのは、南国ならではのリズムかもしれない。

 

作業机にはプラチナが置かれ、窓の向こうに時折入道雲を眺めながらタッチを積み重ねていく。

 

日本の夏は抒情的というか、

花火や浴衣、ラムネ、みたいな、

独特の儚い風情も好きだ。

 

 

プラチナリングに波のリズム。

屋久島の海と、お二人との素敵な出会いにありがとう。

屋久島リズムな夏。大好きな海とプラチナの煌めき。お二人の結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪

 

子供の頃には夏休みがあったからだろうか。

7月に入ると、日々を数えるように、愛おしく過ごすのが、いまだに暮らしの中で習慣になっているようにも思う。

2024年の夏、一度だけの指輪作りである。

積み重ね、育むように、一つ一つの時を大切に思いながら。

 

さて、今日も作っている。

酸素トーチの炎に包み、その両端をつなぎ合わせたプラチナは、リングになったところで金槌で叩いていく。

表面を、側面を、均一に圧力をかけるように、細かく何度もタッチを繰り返した。

コンコンコン。

 

実のところ、表には見えないところの作業ではあるのだけれど、ここはしっかりと手を加えておきたかった。

金槌で叩き、圧縮をすることによって、プラチナが硬くなってくれるからだ。

 

作業は少しずつ完了に近くづいてゆくが、同時に、指輪にとってはその始まりが近づいてくる。

それは何十年もの時をお二人と共にする長い道のりの始まりであるから、できる限りの準備を整えておきたい。

 

作業の合間には遠くを眺めておく。

 

鹿児島といえば! 白くまさん!

気がつけば、島に暮らして15年ほど経って、鹿児島風味にすっかりハマっている感があるなあ。

 

2本のリングとも、コンコンと叩き作業を終えると、表面に凸凹のテクスチャーが現れた。

デスクライトの光の下で眺めると、プラチナのどこか艶かしい表情が胸に響いた。

 

金属の好きなところは、広い大地のかけらのような存在であることかもしれない。

海や山々と同じように、奇跡的に美しい。

 

目の前で少しずつ息吹を帯びてゆく、その小さなプラチナリングを、

しばらくの間静かに眺めていた。

 

 

久島でつくる結婚指輪

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屋久島リズムな夏。大好きな海とプラチナの煌めき。お二人の結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪

 

海に出かけたのは、お二人の結婚指輪作りを始める、ちょうどその前のタイミングだった。

いつものビーチには、夕暮れ時だというのに、眩しい夏の日差しが降り注いでいた。

 

裸足になって波打ち際まで歩いていき、大切に持ち出してきたプラチナを手に取ると、夏の光や海のブルー、波の音までもが、久しぶりに仲間に出会ったように、親密に響き合っているように見えた。

 

今までのジュエリー作りがひと段落をして、新しジュエリー作りが始まるその間のタイミングには、時々こうして海にやってくることがある。

 

海水温は、もうすっかり温かい。

トランクスに着替えて、いくつかの波に乗ると、体と心がすっきりと新しくなっていることに気がついた。

 

そういえば、彼とも何度かこのビーチで一緒に波に乗ったよな。

不意に、数年前のことを懐かしく思い出す。

 

彼からメッセージが届いたのは、本当に久しぶりのことだった。

「大切な人とのご結婚が決まりました!」と言ってくれて、指輪のオーダーをお声がけいただいて、むっちゃ嬉しかった。

 

アトリエに戻る頃にはもう6時を過ぎていたけれど、外はまだまだ明るい。

作業机の上にプラチナを置いて、爽やかな気持ちで金槌を手に取る。

夏の光いっぱいだった海の余韻とともに、最初のタッチを施していく。

 

待ちに待ったお二人の結婚指輪作りの始まりである。

 

朝は早い時間から作業机に向かって、暑くなったら海に出かけよう。夜には綺麗な星空を見ることができるかもしれない。

日々、光のコントラストが強くなり、猫も影の中で涼やかに佇んでいる。

今年もまた、変わらず島リズムな夏を過ごしている。

屋久島でつくる結婚指輪

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