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秋風に響き合う、屋久島からお届けするコスモスのネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島から、海の向こうへと旅立つネックレス。

コスモスの咲く季節に、お作りすることができました。

 

海沿いに広がるコスモス畑で、そっとケースを開くと、

一輪の花がふわりと開いたように見えて、心躍りました。

 

潮風にゆらめく色彩。

湿度を帯びた草の香り。

 

爽やかな秋を迎えた屋久島サウスより、

大切な贈りものにお選びいただき、ありがとうございました。

 

コスモスのネックレス silver, pink sapphire

 

シルバーでかたどったお花の大きさは、約1cm。

花びらの上に収まるほどの、繊細で軽やかなペンダントトップです。

 

中央にはピンクサファイアを添えて、色鮮やかな印象にお仕立ていたしました。

 

花のそばで眺めてみると、ピンクサファイアの色が響き合っていて、

自然の彩りが織りなす、その一瞬の美しさに見入ってしまいました。

 

思えば、子供の頃からずっと眺めてきたコスモスですが、

季節が深まり、空に広がる星のようにキラキラと散りばめられた花々に出会うと、

やわらかな気持ちに包まれます。

「ああ、秋がやってきたのだなあ」と。

 

このやさしくてカラフルな癒しをお届けできれば、何より嬉しく思います。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

 

 

 

秋の癒し。夜の静けさを映すホワイトゴールド #屋久島でつくる結婚指輪

夜明けの空に、オレンジ色に染まる鱗雲が広がっていた。

山から吹き下ろす風は、ひんやりと冷たい。

もう7時前だというのに、山々の稜線はまだ深い闇の中にあった。

 

一年ぶりに眺める、窓際の風景が爽やかに感じられて、そのまま少し遠出をして、朝の散歩に出かけることにした。

 

コスモス畑は、海を望む段々畑の一角にあった。

朝のやわらかな陽光を受けて、マゼンタや白、ピンクの花々が、気持ち良さそうにゆらめいている。

 

畑の畔には、人が一人通れるほどの細い道が伸びていて、その小径を辿りながら奥の方へ分け入ってゆく。

 

湿度を帯びた草の香りが、ふわりと立ち込めている。

 

腰を下ろして、目線を低い位置に移すと、カラフルな世界に包まれて心が躍った。

なんだか、子供の頃の記憶にも、同じような色彩があったよな、と思う。

 

あの頃からずっと変わらないけれど、ほんのりと冷たくて、ほんのりとあたたかな秋のひとときに、今日も癒された。

 

 

タンザナイトとダイヤモンド。

夜の空と、雫の煌めき。

想いの詰まった大切な時間をそっと掬い取るようにして、おふたりの結婚指輪をお作りしています。

タンザナイトの静かな煌めき。石からはじまる結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

「タンザナイトをセットする彼のリングとネックレスは、夜をイメージして、できるだけ黒いイメージで仕上げてほしいのです。」

指輪作りの始まりに、おふたりがそうリクエストをしてくれた。

 

すぐに、ホワイトゴールドが思い浮かぶ。

きっと、これが夜の印象にもっとも近いだろう。

 

それでも、できる限りそのイメージに近づけたいと思い、地金の配合を見直すことにしたのだけど、

その過程で、“黒”という存在について、これほど深く考察を重ねることになるとは、もちろんその時は考えもしなかった。

 

ホワイトゴールドの黄色みを限りなく抜き、

ピュアな色彩へと整える。

鏡面の光沢を磨き上げ、反射の純度を極めることで、

光と影はより強く際立つ。

昼があるから夜が生まれるように、

白が澄むほど、影は深く、静かに育っていく。

小さなリングの中には、

同時に存在するたくさんの時間が流れている。

 

スタイリッシュな印象に整えたリングの内側は、丸くやさしいラインに削り出した。

指に触れる部分を、なによりも大切にする。

 

側面はシャープに保ちながら、表面には、気づくか気づかないほどのごく緩やかなカーブを施しているのは、ここだけの話だ。

 

そして、角をしっかりと落とし、さらに手触りをソフトにする。

 

おふたりとともに思い描いてきたリングの姿が、いま、ここに生まれつつある。

おふたりの大切な想いも、あるいは、これまで費やしてきた数ヶ月の日々そのものも、いっそう輝いて感じられて、喜びがどんどん広がってくる。

 

目指すフォルムは、やわらかなスクエアシェイプだ。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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タンザナイトの静かな煌めき。石からはじまる結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

夜空のように澄み渡る濃紺の石が、屋久島の緑の中で静かに輝いている。

ローズカットに研磨されたその石の表情は、とてもやわらかい。

角度を変えるたびに姿を変える小さな煌めきを眺めながら、いよいよ制作が始まるのだという胸の高鳴りを感じていた。

 

おふたりとの結婚指輪作りでは、それぞれのために選んだ天然石がデザインを支える大切な柱になっている。

彼のタンザナイトは濃く深い色合いのものを選び、ローズカットに研磨するところから始めた。

彼女には、同じローズカットで、同じサイズのダイヤモンドを用意した。

その二粒の石に寄り添うように、二本のリングと一本のネックレスのデザインを組み立ててきた。

タンザナイトの深く思慮深い静けさと、シックで品のよいダイヤモンドの煌めきそのものを纏うような、シンプルで印象的なフォルムだ。

 

彼女から初めてメッセージが届いたのは、島にもまだ少し寒さの残る春先のことだった。

天然石の選定や、それに合わせる金属選びに相談を重ねているうちに、気がつけば夏が過ぎてしまった。

彼女には、何通りものデザイン画を描いてもらったり、電話で長い打ち合わせにお付き合いいただいたりもした。

慣れない作業だったと思うけど、これまで本当にありがとう。

 

こうして準備に十分な時間をかけたおかげで、造形の向こう側にある大切な想いまで、しっかりと分かち合えたように思う。

おふたりと手を繋いでいるような、あたたかな安心感に包まれながら。

 

作業机に向かい、タンザナイトを包み込む石枠の制作に取り掛かる。

待ちに待ったファーストタッチに、心が静かに高鳴る。

 

タンザナイトに合わせるホワイトゴールドは、すっきりと深いダークトーンを表現するために、できるだけ黄色味を抑えた配合のものを選んだ。

今回初めて挑戦することもたくさんある。

 

最初に、4.0mmの石がぴたりと収まるよう、ホワイトゴールドの板を巻いて円筒形の小さなパーツを作った。

次に、その内側にちょうどはまる大きさで、もう一つの円筒形のパーツをつくる。

この内側のホワイトゴールドが石を支える土台となる。

とてもシンプルな仕組みだけに、仕事の美しさや造形の心地よさが、そのまま表に現れやすくなる。

タンザナイトの色彩を最大限に響かせられるよう、丁寧に、ゆっくりとタッチを進めていく。

一度しかない、この指輪作りの時間をしっかりと味わっていく。

 

季節が深まるにつれ、島では空が澄み、空気が冷たく感じられる日が多くなってきた。

庭先では、シロツメクサや、赤や白のハイビスカスが、生き生きとした表情で迎えてくれる。

朝露に包まれた緑の中を歩くのは、心が躍る。

 

南の方角から潮風に乗って波の音が聞こえてくる。

いつもの島の時間に励まされ、また作業机に戻る。

 

このようにして、おふたりの指輪作りは、穏やかに、その歩みを進めていくのであった。

 

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1.3mm-2.0mm and 1.0mm-1.6mm wave ring in 18k champagne gold #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k champagne gold
size: 1.3mm-2.0mm and 1.0mm-1.6mm

Delivery time is within 3 months.
Made by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお仕立ていたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

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シャンパンゴールドの音色。屋久島で生まれた、おふたりの結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

 

シャンパンゴールドの音色。屋久島で生まれた、おふたりの結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドの音色。

魅せられるほどに深い緑。

屋久島で生まれた、おふたりの結婚指輪。

色づく季節に紡がれた素敵な出会いに、ありがとう。

 

 

島時間の中で、少しずつ。シャンパンゴールドが育まれるとき

永遠と今。ふたつのリングが響き合うとき #屋久島でつくる結婚指輪

 

不思議なもので、デザイン作りから始まり、お届けまでの数ヶ月をご一緒するオーダーメイドでは、

交わした会話や細やかな出来事、日々の作業のひとつひとつを、

まるでフィルムに収めて大切にしまっておいたように、

ずっと先まで鮮明に覚えていることが、よくあります。

 

そこに育まれる時間そのものが、指輪という形を作り出してゆく。

それは、一輪の花が咲くような、かけがいのない経験なのかもしれません。

 

すごく楽しみでもあるはずなのに、

どこか、もっと続いてほしいと思えてしまうことがある。

完成を見極めるのに、小さな勇気がいる。

 

おふたりとの指輪作りもまた、そのような印象的な時間であったように思うのです。

 

しずくを纏ったシダの葉のそばで、ふたつのリングをそっと並べてみる。

シャンパンゴールドが、森に差し込む光のような静謐な輝きを湛えています。

その、ほのかな温度を帯びた力強い色彩が、島の情景と響き合っているように感じられました。

 

角度を変えるたびに、見るたびに、

リングの表情や手触りがいつも新しくなって、

つい、くるくると遊んでしまいます。

 

リングの表面に波打つライン。

たゆたうように仕立てたシルエット。

リングの幅に抑揚をつけたこと。

細やかな手仕事が重なり合い、躍動のリズムを奏でています。

 

ふたつのリングは、同時に、ひとつのものとして、ここに佇んでいます。

 

しとしと、秋の冷たい雨が降り続いています。

指輪作りの間は、サキシマフヨウの花が咲いていて、その薄ピンク色にいつも癒されていました。

 

同じ屋久島サウスの、すぐ近くで、おふたりも同じ季節を過ごしている。

ひとりきりで向かい合う作業ではあるけれど、ひとりではない。

そう思えることに、どこか心励まされていたように思います。

 

とりわけ、建築のお仕事に深く関わっているおふたりとは、

何気ない会話の中で、造形に関わる話をするのが楽しかった。

 

わたくしごとですが、父が建築士だったこともあり、建築からは、ジュエリーづくりに確かに大きな影響を受けてきました。

 

自然と暮らし、そして、理(ことわり)と気配の出会うところ。

近い場所を目指して歩いている仲間に出会えたような、

やわらかなつながりのようなものに包まれていた指輪作りでした。

 

屋久島が紡いでくれたこの出会いに、心から感謝します。

 

お仕事で長く島に滞在しているあいだに、

サンプルリングをお作りしたり、刻印の文字を一緒に相談したりしながら、ともに過ごした日々も、

今となっては、とても貴重な時間だったように思えてきます。

お仕事終わりのミーティングも、懐かしいですね。

 

最初は全く何もなかったところから、

このふたつのシャンパンゴールドのリングが生まれるなんて!

紡がれゆく時間の、なんて美しいことでしょう。

 

そして、これからおふたりが育んでゆく時間のことを思うと、

どこまでも広がるような、果てしない気持ちに満たされるのでした。

 

ご結婚おめでとうございます。

 

またいつの日かお会いして、お互いの旅の続きのお話ができれば、これほど嬉しいことはありません。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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