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冬の虹、冬の雫。屋久島の時間とプラチナリングの鼓動 #屋久島でつくる結婚指輪

ときおり粉雪の混ざる冷たい雨が降り注ぐと、

山際には、大きくて濃い色の虹が架かった。

 

アトリエの窓からのぞく山々は、私のお気に入りの景色でもある。

風は驚くほどに強く、部屋の中までシンと冷え込んでいたけれど、

屋久島サウスを包む冬の寒波を、どこかワクワクした気持ちで眺めながら、作業机に向かっていた。

 

プラチナリングの削り出し作業も、寒さの深まりと歩みをそろえるようにして、本格的な段階を迎えている。

 

ぴたりとお揃いのデザインでお仕立てするおふたりのリングなので、

うまくバランスをとりながら、ひとつひとつの作業を進めていきたい。

 

同じ工程を、同じ分量だけ積み重ね、

そして、バトンをタッチするように交互に進めていく。

 

ルーペ越しに眺める精密な世界が、とても好きだ。

 

雨が止んだタイミングで庭先に出てみると、空気がむっちゃ冷たかった!

冬の雫たちを、しばらく眺めておく。

 

ふと足元を見ると、早くもすみれが咲いていたけれど、

もう少しの間、この冬を楽しんでいたいと思う。

 

それぞれの個性を静かに宿しているのだけど、同時に、ふたつでひとつでもあるような。

そのようなフォルムであれば、素敵だろうと思う。

 

大まかな削り出しの工程を、ひとまず無事に終えることができた。

それにしても、島の時間に寄り添いながら手を動かし、そこに生まれてくる、この息づかいのような躍動感には、いつも驚かされる。

 

作業台の上に置いたプラチナリングが、デスクライトの光を受けて、滑らかで力強いコントラストを描いていた。

プラチナリングに満ちる、海と月のリズム #屋久島でつくる結婚指輪

1月に咲いたハイビスカスと、プラチナリング。

島に、静かな冬が訪れた。

観光の気配が落ち着くこの季節は、制作に深く没頭できる、とても楽しみなひとときでもある。

澄み渡る空気と、鮮やかな色彩に日々癒されながら、おふたりの結婚指輪を、こつこつと作り進めている。

 

 

おふたりが暮らす奄美は、屋久島から200キロほど南に位置しているけれど、

一度、鹿児島を経由しないと行けないので、近しい季節の中にあるはずなのに、遠い。

その距離感に、どこか懐かしい憧憬を抱きながら。

新しい結婚指輪づくり。南の島を結ぶ、冬のひかり。#屋久島で作る結婚指輪

 

 

島の暮らしでは、いつもどこかに波音や潮の香りを感じることができて、

その海や月のリズムが、気づけばジュエリーの大切なエッセンスになっていたりもする。

おふたりとは、そのリズムの中に暮らし、つながりを感じる気持ちを、やわらかに分かち合っているように思う。

 

夜明けの時刻には、月明かりに照らされる海を眺めた。

 

幾重にも重なり合う永遠のリズム。刹那を繰り返すひかり。

さて、今日も作っている。

 

プラチナリングの表面に、三日月型の傾斜を2箇所。

目の粗い鉄工ヤスリを片手に、思い切りよく削り出していく。

 

硬い金属ではあるが、ザッザッと音を立てながら、意外なほど素直に小さな破片へとほどけていく。

その瞬間、プラチナの内側に宿る、やわらかな温度のようなものが手に伝わってくる。

しなやかさと柔軟さを備えた、確かな強さを、プラチナは持っているように思う。

 

リングの表面には、何本かの罫書き線を描いてある。

この線を越えて削りすぎないように注意しなければならない。

ルーペでその境界を確かめつつ、何周もヤスリを巡らせた。

 

やがて、リングの表面に流線を描くエッジが立ち上がってきた。

 

まだ始まったばかりだけど、重たい金属が少しずつ軽やかさを宿していく時間に立ち会えるのは、いつも心が躍る。

おふたりと一緒に育んできたイメージが、いまここで、ひとつのかたちになりつつある。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

新しい結婚指輪づくり。南の島を結ぶ、冬のひかり。#屋久島で作る結婚指輪

新しい年を迎え、屋久島サウスは清々しい色彩に満ちている。

冬の、冷たく澄み渡る光だ。

 

夜明けの時刻も少しずつ早くなってきて、道端には菜の花の黄色も見るようになった。

まだ冬は深まってゆくけれど、南国ならではのカラフルな時間に心を委ねながら、

爽やかな気持ちで、今年最初のジュエリー作りを始めている。

 

まずは、硬く冷たいプラチナを真っ赤になるまで熱し、叩きながらリング状に整えていく。

 

アトリエでは、いつもと変わらない手作業を淡々と重ねていくけれど、

ひとつひとつのタッチが、新しく、とても大切なものに感じられる。

おふたりの結婚指輪作りがいよいよ始まったのだなと、祝福のムードに満たされていく。

 

それぞれのサイズに合わせて、プラチナの両端を糸鋸で切り落とす。

その両端を、薄い紙も通らないほどに、ぴたりと隙間なく合わせておく。

小さな手間の積み重ねが、仕上がりの美しさを大きく左右する。

まるで、料理の下ごしらえをひとつひとつ丁寧に整えていくような時間だ。

 

おふたりは、屋久島よりもずっと南に位置する島に暮らしていて、

これまで画面越しに言葉を交わしてきたのだけど、

あちらでも、菜の花が咲き始めているのだろうか、

ポンカンの収穫もひと段落した頃だろうかと、

南国の近しい季節感に思いを巡らせながら作業机に向かう時間も、またかけがえなく感じられてくる。

 

冬から春にかけての変化は、おふたりが暮らす島の方が、少しだけ早く訪れる。

季節のバトンを受け取りながら、つながりながら、この指輪づくりを育んでいければいいと思う。

 

リングの両端が合わさる部分に、融点の低いプラチナを薄く、小さく切って置いた。

再び酸素トーチの炎に包み、1000度以上まで温度を上昇させていく。

 

手作業の音が心地よくアトリエに響いている。

正月を過ぎた島は、また静かな日常を取り戻している。

 

リングが真っ赤に染まるほど熱が入り、つなぎ目へ炎の先端を集中させると、眩しい火花がほとばしる。

その一瞬の臨界点に達したとき、プラチナのかけらが急速に溶けて、隙間へすっと流れ込んでいった。

 

 

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屋久島で出会われたお二人と、今年最初の結婚指輪の相談会でした #屋久島でつくる結婚指輪

やわらく冷たい雨が降りはじめたのは、 おふたりが島の役場で婚姻届の手続きを終え、アトリエにたどり着いた頃のことでした。

濃い緑に包まれた、静かな夕暮れ時でした。

 

一月になったというのに、みんな薄着で過ごせていたのも、南の島ならではの軽やかさなのかもしれません。

庭先では、山茶花とツワブキが色鮮やかな明かりを灯すようにして、ぽこぽこと花を開かせていました。

ほのぼのとした祝福に包まれた、今年最初の結婚指輪の相談会です。

 

アトリエでは、サンプルリングを囲みながら、素材やデザインのことをご紹介させていただきました。

ゆっくりとした島の時間の中で、おふたりのお住まいやお仕事のこと、そして出会いのことまで、自然と話は広がっていきます。

こうやって何気なく交わした会話が、デザインの大切なエッセンスになったりするように思うのです。

彼女のお好みや、ふと思いついたわたしのアイデアを、丁寧に手帳へ書き留めていく彼の姿が、とても印象的でした。

 

「わたしたちが出会った屋久島で、結婚指輪をオーダーしたかったのです」

おふたりが微笑みながら話してくれました。

「縄文杉からの帰り道、写真を撮り合ったのがきっかけだったのです。」

 

巡りゆく時の流れの中で、わたしたちは、信じられないような偶然を重ねるようにして出会います。

大地に雨が降り注ぎ、そこに小さな花が咲くように、

これから生まれる結婚指輪もまた、今という時間の中から生まれてくるもののような気がします。

 

素敵な出会いを紡いでくれた、屋久島にありがとう。

 

おふたりが選んでくれたのは、シンプルなラウンドシェイプのデザインです。

お揃いのプラチナでお作りします。

 

内側には、おふたりが出会った場所である屋久島を、いつでも感じられるように、彫刻模様と天然石の装飾を施す予定なのですが、

それを思い描くだけで、わたし自身も、あたたかな気持ちに包まれています。

 

指輪が完成する頃には、きっと春の花が咲き、生き生きとした新緑が島を覆い尽くそうとしていることでしょう。

はじまりの時に向けて、わたしたちは最初の一歩を、静かに踏み出したのでした。

 

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はじまりの日。屋久島のひかりを纏う、プラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

あたらしいひかりのなかで、爽やかな始まりの日を迎えました。

ツワブキの花のきらめきと、親しげに響き合うプラチナリング。

 

屋久島からおふたりへ、ご結婚おめでとうございます。

 

 

咲き始めた黄色い花。輝く海。酸っぱくてキュッとなるポンカン。

雨上がりの森も歩きました。

南国の陽気に包まれた、指輪作りの思い出。

森の記憶とともに育むプラチナリング #屋久島でつくる結婚指輪

 

結婚指輪が完成すると、

オーダーメイドの長い時間はいったん一区切りを迎えます。

けれどおふたりにとっては、

それは同時に、新しい始まりを告げる合図でもあります。

 

指輪作りの間には、アトリエの庭先に山茶花が満開になりました。

冬の冷たい雨が降り、本格的な冬の訪れを告げるツワブキの花が咲きました。

 

巡りゆく季節のように、わたしたちもまた希望を抱きながら、

いくつもの始まりを繰り返してゆくのかもしれません。

 

緩やかにカーブするプラチナリングの表面には、波打つラインを削り出しました。

 

響き合い、補い合うように、

同じリズムでお仕立てした、おふたりの結婚指輪です。

 

おふたりの大切な想いが、

はじめて形になった喜びに包まれながら。

 

手のひらの上に、ふたつのリングをそっと並べてみる。

朝のやわらかなひかりを纏うようにして、マット仕上げのプラチナが静かに輝いています。

 

彼の2.3mm幅と、彼女の2.0mm幅。

ぴたりとお揃いのフォルムです。

 

小さなリングの中に、白く際立つ部分と、深い影を落とす部分が現れるのは、

プラチナが持つ、豊かなコントラストによるものでしょう。

 

緑と黄色に満ちた景色の中に、リングはすっと溶け込んでいて、

まるで、ずっと前からここに佇み、この瞬間を待っていたかのように感じられました。

 

リングの内側には、おふたりの大切な記念日と、

もうひとつ、大好きな動物のモチーフを彫刻いたしました。

 

そこにはどんな物語が秘められているのでしょう。

 

小さなリングの中には、おふたりだけの時間が息づき、どこまでも広がっているのかもしれません。

 

長野の山々に囲まれて暮らすおふたりと、屋久島に暮らすわたしとが、距離を越えて出会い、ここに生まれた結婚指輪です。

デザインの細部には、自然の中に漂う、風や水のような自由な手触りが、息づいているように思います。

 

日々の暮らしに出会う、海や山、花々の息吹に励まされるようにして、この指輪をお作りしました。

 

おふたりにとっても大切な場所である屋久島で出会った感動を、こうして分かち合うことができ、何よりも幸せに思います。

 

やがて、その喜びが、

少しずつ広がっていけば、とても素敵なことだな、と思います。

 

寒くて澄み渡る日。

大きな虹に包まれた、屋久島サウスより。

楽しい指輪作りをありがとうございました。

 

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