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水の森の記憶とともに、シャンパンゴールドのリングを作っている #屋久島でつくる結婚指輪

夜明け前の青い時間が、とても綺麗だった。

今日のジュエリーづくりは、歩いて、癒やされた、水の森の記憶とともに。

 

丸い石枠の造形作業がひと段落し、それと組み合わせるシャンパンゴールドのリングを丸く削り出している。

 

深い緑の中を長く歩いたおかげで、目がよく見える。

ひとつひとつの細やかなタッチに、しっかりと気持ちが乗っていく。

昨日の森が、すべてを清らかにしてくれたのかもしれない。

 

鉄鋼ヤスリを片手に、まずはリングの角を大きく削り落とす。

ぐるりと一周、均一な力をかけていく。

そこに生まれた斜面の角を、次は少し小さく落としていく。

ばらばらだった点と点がすべてつながり、スムーズな曲線が生まれるまで、同じリズムを何度も繰り返していく。

 

歩き始めてから登山口に戻ってくるまでの数時間、ずっと聴こえていた清流の音が、まだ体の中に響いている。

湿度を纏った緑が香る。

屋久島の森は、もちろん色や形も素晴らしいけれど、目に見えないものの存在に、いつも救われているような気がする。

 

左が彼のホワイトゴールド。

右が彼女のシャンパンゴールド。

 

どちらも同じ18Kゴールドなのだけど、配合に洗練された調整を施すことで、こんなにも色合いが変化する不思議がある。

 

シャンパンゴールドのリングは、細くてやわらかな、丸いフォルムに整えた。

これからさらに表面をスムーズに磨き上げ、指に触れる内側部分にも、しっかりと造形を加えていくところだ。

 

 

気がつけば、おふたりの結婚指輪作りも、もう折り返し地点を過ぎている。

彼女が描いてくれたイラストを見ながら、デザインについて電話で話し合った日のことが、今ではもう懐かしく感じられる。

 

これまで、たくさんの時間を費やしてきた指輪作りだ。

この先の道のりも、おふたりと一緒に、しっかりと受け取るように歩んでいきたい。

 

喜びを分かち合いましょう。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

制作編

今年最初の山茶花。ダイヤモンドの雫と、シャンパンゴールドの音色。#屋久島つくる結婚指輪

2025,11 ウィルソンの森にて

ゆうこさんと一緒に、秋の森を歩いてきました。

澄み渡る風、緑の香りに包まれて、また新しい気持ちで制作に集中できそうです。

 

やさしさ満ちる、屋久島にありがとう。

みなさま、どうぞ素敵な連休をお過ごしください。

 

今年最初の山茶花。ダイヤモンドの雫と、シャンパンゴールドの音色。#屋久島つくる結婚指輪

アトリエの庭に、山茶花が咲き始めました。

今年最初の一輪です。

 

山茶花は庭の生垣になっているのですが、

一面の緑に、ぽつりぽつりと星のように赤い花が浮かび上がるのを見ると、

ああ、冬がそこまで来ているのだなあ、としみじみ思います。

 

日に日に開花の勢いを増していくのが、山茶花のすごいところで、

ゆっくりとだけど、休むことのないそのリズムに、いつも励まされているように思います。

 

おふたりの指輪が完成する頃には、きっと満開に近づいていることでしょう。

わたしもしっかりと歩みを進めていかなくては。

 

タンザナイトを囲む石枠をプラチナで作ったあと、シャンパンゴールドでころりと丸い石枠をひとつ仕立てました。

ローズカットのダイヤモンドを包み込むための石枠です。

 

その丸い石枠に、透明のダイヤモンドをそっと添えてみると、まるで一滴の雫が宿ったように見えました。

 

ローズカットに仕立てた石は、どちらも光をそっと受け止め、どこまでも静かに輝いています。

 

こうして、初めてふたつを揃えて眺めてみると、目の前に小さな小さな花が咲き始めたように感じられて、ぽっとあたたかな喜びに包まれるのです。

 

さて。

シャンパンゴールドの丸い石枠には、同じくシャンパンゴールドのリングを合わせてお仕立ていたします。

 

まずはボリュームのあるリングを造形し、金槌で叩きながら、サイズを整えていくところです。

 

こうして叩きながら仕上げていくことで、ゴールドは組成が引き締まり、きゅっと硬くなっていきます。

 

コンコンと、シャンパンゴールドの音色がアトリエに響き渡ります。

 

繊細で、そして丈夫なリングとなるように、

今日も一歩ずつ。

小さなタッチを積み重ねていくのでありました。

 

 

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制作編

秋の癒し。夜の静けさを映すホワイトゴールド #屋久島でつくる結婚指輪

秋風に響き合う、屋久島からお届けするコスモスのネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島から、海の向こうへと旅立つネックレス。

コスモスの咲く季節に、お作りすることができました。

 

海沿いに広がるコスモス畑で、そっとケースを開くと、

一輪の花がふわりと開いたように見えて、心躍りました。

 

潮風にゆらめく色彩。

湿度を帯びた草の香り。

 

爽やかな秋を迎えた屋久島サウスより、

大切な贈りものにお選びいただき、ありがとうございました。

 

コスモスのネックレス silver, pink sapphire

 

シルバーでかたどったお花の大きさは、約1cm。

花びらの上に収まるほどの、繊細で軽やかなペンダントトップです。

 

中央にはピンクサファイアを添えて、色鮮やかな印象にお仕立ていたしました。

 

花のそばで眺めてみると、ピンクサファイアの色が響き合っていて、

自然の彩りが織りなす、その一瞬の美しさに見入ってしまいました。

 

思えば、子供の頃からずっと眺めてきたコスモスですが、

季節が深まり、空に広がる星のようにキラキラと散りばめられた花々に出会うと、

やわらかな気持ちに包まれます。

「ああ、秋がやってきたのだなあ」と。

 

このやさしくてカラフルな癒しをお届けできれば、何より嬉しく思います。

 

 

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秋の癒し。夜の静けさを映すホワイトゴールド #屋久島でつくる結婚指輪

夜明けの空に、オレンジ色に染まる鱗雲が広がっていた。

山から吹き下ろす風は、ひんやりと冷たい。

もう7時前だというのに、山々の稜線はまだ深い闇の中にあった。

 

一年ぶりに眺める、窓際の風景が爽やかに感じられて、そのまま少し遠出をして、朝の散歩に出かけることにした。

 

コスモス畑は、海を望む段々畑の一角にあった。

朝のやわらかな陽光を受けて、マゼンタや白、ピンクの花々が、気持ち良さそうにゆらめいている。

 

畑の畔には、人が一人通れるほどの細い道が伸びていて、その小径を辿りながら奥の方へ分け入ってゆく。

 

湿度を帯びた草の香りが、ふわりと立ち込めている。

 

腰を下ろして、目線を低い位置に移すと、カラフルな世界に包まれて心が躍った。

なんだか、子供の頃の記憶にも、同じような色彩があったよな、と思う。

 

あの頃からずっと変わらないけれど、ほんのりと冷たくて、ほんのりとあたたかな秋のひとときに、今日も癒された。

 

 

タンザナイトとダイヤモンド。

夜の空と、雫の煌めき。

想いの詰まった大切な時間をそっと掬い取るようにして、おふたりの結婚指輪をお作りしています。

タンザナイトの静かな煌めき。石からはじまる結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

「タンザナイトをセットする彼のリングとネックレスは、夜をイメージして、できるだけ黒いイメージで仕上げてほしいのです。」

指輪作りの始まりに、おふたりがそうリクエストをしてくれた。

 

すぐに、ホワイトゴールドが思い浮かぶ。

きっと、これが夜の印象にもっとも近いだろう。

 

それでも、できる限りそのイメージに近づけたいと思い、地金の配合を見直すことにしたのだけど、

その過程で、“黒”という存在について、これほど深く考察を重ねることになるとは、もちろんその時は考えもしなかった。

 

ホワイトゴールドの黄色みを限りなく抜き、

ピュアな色彩へと整える。

鏡面の光沢を磨き上げ、反射の純度を極めることで、

光と影はより強く際立つ。

昼があるから夜が生まれるように、

白が澄むほど、影は深く、静かに育っていく。

小さなリングの中には、

同時に存在するたくさんの時間が流れている。

 

スタイリッシュな印象に整えたリングの内側は、丸くやさしいラインに削り出した。

指に触れる部分を、なによりも大切にする。

 

側面はシャープに保ちながら、表面には、気づくか気づかないほどのごく緩やかなカーブを施しているのは、ここだけの話だ。

 

そして、角をしっかりと落とし、さらに手触りをソフトにする。

 

おふたりとともに思い描いてきたリングの姿が、いま、ここに生まれつつある。

おふたりの大切な想いも、あるいは、これまで費やしてきた数ヶ月の日々そのものも、いっそう輝いて感じられて、喜びがどんどん広がってくる。

 

目指すフォルムは、やわらかなスクエアシェイプだ。

 

 

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