彼の暮らす関東と彼女の暮らす関西、
そしてわたしの暮らす屋久島と、
これまで海を挟んで、長い距離を紡ぐように進めてきた結婚指輪のデザイン作り。
待ちに待った制作が始まっています。
ここまでは主にメールを通じて、そしてサンプルリングなどの郵送を通じて、
お二人と長く打ち合わせを重ねてまいりました。
いざ本番の作業を進めるにあたって、
これまでのメールをざっと見返してみたら、
30通以上はあって驚いた。
「自分達の指輪のサイズなどもわからない状態なのですが、このような状態でもお願いすることは可能でしょうか?」
一番最初は全くの白紙だった指輪作り。
そこからさらに少しずつメールを読み返していくと、
指輪作りのあれこれが蘇ってきて、グッときた。
ここまでお話を繰り返すごとに、
お二人のかたちや素材、付け心地や大切なポイントなどが、
少しずつ生まれてきたデザイン作りだった。
今となっては、
この距離感、この時間感覚がかえって創作意欲を盛り上げてくれたような気がしています。
ワクワクでした。
さて、今日のアトリエです。
昨日は2本のプラチナリング の土台が出来上がったところまでを書きました。
屋久島 夏の雨上がり。プラチナの結婚指輪を作る。
彼女のリングは幅2.0mmで彼のリングが幅2.5mm
シンプルなスクエアシェイプ のアウトラインです。
微妙なボリューム感を調整するために、
海を越えて何度もサンプルリングを届けてお試しいただいたのも、
今となっては楽しかった思い出だなあ。。
お二人の暮らしの中で、ずっと長くつけていられるフィット感にはこだわりました。
そして、もう一つのこだわりは屋久島を感じるテイスト作り。
ここからシンプルなプラチナリング にお二人オリジナルの装飾を加えてゆくことになります。
鉄の土台にリングをはめ込んで、その上から金槌でリングを叩いています。
コン。コン。
と何度も。そして力強く。
そうすると、リングの表面、見えますか?
金槌の叩き模様がついて、凸凹の表情が生まれてきています。
叩く作業は一度だけ!
生まれる表情も一つだけ!
ハンドメイドのジュエリー作りの素敵なところは、
その微妙な揺らぎも含めて作品の要素となるところだと思う。
さてさて、
作業がひと段落したところで、金槌を一旦置いて、
しずくギャラリーに。
今日は結婚指輪の相談会でした。
ずっとお会いしたかったお二人に会える。ドキドキ。
東京から屋久島へ。
飛行機とフェリーを乗り継いで来てくれたお二人。
うまく台風の影響から逃れて屋久島入りできてよかった。
聞くと、昨日は屋久杉ランドで森を歩き、栗生の海をひと泳ぎして、夜は癒しの宿フォーマサンヒロさんに宿泊されて、それは最高の夏時間を満喫されたとのこと。
お話ししているとお二人の楽しいフィーリングがギャラリーいっぱいに広がった。
そして、嬉しかったのは
twitterでずっと長くジュエリーのことを見てくれていた彼女に、こうして屋久島でお会いできるなんて!
ほんの小さな今がずっと先の未来を創っているんだなあと思うと、なんだか希望が溢れてきた。
屋久島でつくる結婚指輪
ギャラリーでのお話が終わると、お二人はまた海へ向かって車を走らせていきました。
それにつられるように、わたしも車に。
まだ日没まで数時間ある!
オレも海に行くことにしよう。
プラチナリング と夕暮れ時の海。
今朝の作業で凸凹模様の装飾を施したプラチナリング を持って、
いつものビーチまでやってきた。
手の中でプラチナリング をくるくるさせると、
海のブルーや夕日のオレンジ、屋久島の夏色がキラキラと表面に映っては跳ね返っていった。
動くと変わり続ける表情が万華鏡のようでもあるなと思った。
ざあざあと波音に包まれてるのに、静かなのがお気に入りです。
いつものビーチのサンセット。
今日も屋久島にありがとう。
皆さまもどうぞ素敵な夏の日を♪
いつもここにきてくれてありがとうございます!!