朝一番、しずくギャラリーで結婚指輪の相談会でした。
しずくギャラリーには海を越えて、
九州や関西、東北、もっと向こう側の香港まで、
遠いところから皆さまに来ていただきておりますが、
もちろん、屋久島にお住いの方にもお越しいただくことがあるんです。
今日はギャラリーのある平内地区の隣の隣のエリアから
お二人が来てくれたんです。
今日のインスピレーション。
彼が農作業と彼女がお料理をライフワークとされていて、
それもがっつりお仕事でされているので、
手元は出来るだけすっきりとしていたい。
どうしても日焼けがするので肌の色にマッチするカラーの金属を身に付けたい。
そんな思いを伺ったのはずっと後のことだったけど、
ギャラリーでたくさんのサンプルリングを前にして
すっと手にしたリングはすっきり細身のゴールドリングでした。
直感ってすごいです。
最初は微妙に違ったデザインや素材を選んでいたお二人が
たくさんのリングを一緒に試しているうちに
あ、これいいね!と最終的に全くお揃いのデザイン素材に決まって、
それがとっても自然だったのが印象的でした。
なんだかわたしの方まで幸せムードに包まれた相談会のひと時。
お二人だけの結婚指輪が、
この瞬間、小さな息吹を帯びはじめました。
今日も屋久島は雨降りでした。
お二人に元気をもらってアトリエに戻り、
早速今日の指輪作りを。
糸鋸
ルーペ
やっとこ
デジタルノギス
サイズゲージ
木槌
まず、今日の作業に必要な道具を引き出しから取り出して、机の上に並べた。
上の引き出しの中はヘビーユースする道具を収納していて、
このようなラインナップであります。
糸鋸に、ピンセット、鉄鋼ヤスリ同じものが2本と種類違いでさらに3本
かつてはヤスリ100本以上持っていたけれど、
作りたいものや思考をシンプルにしていくと、
気がつけば道具もここまですっきりしたものになっていた。
道具がシンプルになると不思議、イマジネーションが無限に広がることに気が付いた。
金槌を使ってコンコンやるときはこちら桜の木台の上で作業するのですが、
この木台は大阪の大先輩から譲っていただいた年季もので、
大先輩が引退されるときにアトリエの引っ越し作業を手伝って、
そのお礼にこの木台と金槌一式を譲り受けたエピソードもありました。
よく見ると先代からの作業でついた傷がいっぱいで、
作業中はいつも良い刺激いただいています。
オレももっともっとジュエリー作っていかなくっちゃ!
ピンクゴールド素材に火を当ててレディースのリングを造形しています。
お二人と一緒に作ったデザインが少しずつ形になってゆくのがとても嬉しかった。
尾の間は“ボンクラード”さんの絶品ハンバーグを食事といただいて、
一日の終わりには2本のリングが現れた。
夕暮れ時の緑の中でアウトラインをチェックしてみると、
彼のリングの中に彼女のリングが綺麗に収まって!
今頃どうしてるだろうなあと、
お二人のことを思い出して
なんだかほっこりした気持ちになりました。
アトリエではいつも一人だけど、
オーダーメイドのジュエリー作りでは、
お二人と一緒に作業を進めているようなフィーリングになるものですね。
屋久島でつくる結婚指輪
制作編
お二人の指輪を今、作りたい!屋久島の深い緑と雨とピンクゴールド 今日から結婚指輪作り編です。