金属を手にしていると時々、島の暮らしで眺める光に似ているなと感じる時がある。
つい先日ノースの海で日の出を迎えたのだけど、その時に眺めた東の空にはどことなくピンクゴールドっぽい色合いを感じたような。
ほんと数分のうちにダイナミックに変化する色彩のグラデーションを少しも逃したくなくて、ずっと空を見上げていたのをよく覚えている。
この瞬間がずっとここにあればいいのに、そう思うことがこの島に暮らしているとしばしばあるように思う。
あるいはそのような刹那的な感動だったり、かたちのない時間のようなものをかたちに残したくてジュエリーを作り始めたのかもしれない。
大切な想いは実はどんなときだって近くにあることができるのでは、と。
そうしてまるで屋久島の祝福みたいだった5月の空の色彩に迎えられるように、お二人の結婚指輪作りは始まった。
さて、
アトリエではピンクゴールドとプラチナとを作業台の上に準備をした。
実のところ、お二人とは数ヶ月の間デザイン作りをご一緒してきていて、これまでのいろいろがリアルな場所でカタチになる舞台でもある。
それぞれの素材はぴたりとつなぎ合わせることができるように、その断面をきれいに整えておいた。まるで料理の下ごしらえに多くの時間をかけるように。じっくりと。
きっとこの作業は最後の最後まで造形の美しさだったりつけ心地に響くところになるだろう。
お二人のコンビネーションリング作りがいよ始まったのだなと胸の高鳴りを感じずにはいられなかった。
互いを繋ぎ合わせるために炎に包む。最初の第一歩は踏み出された。ノースで眺めた空の印象はまだ残っている。それはとても自然な流れの中で行われる日常的な行為のようにも思えた。
さあ、楽しい指輪作りの始まりです。
五月のクリアな空から梅雨へ、島リズムのゆっくりペースになると思う。
季節とともにある制作の日々をともに歩んでいきましょう。
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