緩やかな波のリズムも。プラチナリングに宿る光と影も。
隣り合わせに並んだお二人の結婚指輪が響き合っていて、
冬の柔らかな日差しの中で眺めたフォルムに、胸がいっぱいになりました。
アトリエに来てくれた彼女と、東京にいる彼と、ご一緒に相談会を開催したのは、庭先を赤いハイビスカスが彩る、夏の終わりのことでした。
やがて島に秋が訪れ、山茶花の開花を合図にするように、お二人の結婚指輪作りが始まりました。
ご家族のお仕事のご縁で、屋久島に通うようになったお二人です。
きっかけはほんの偶然だったかもしれないけれど、
こうして結婚指輪作りで生まれた繋がりは、まるで必然のようにも思えてしまいます。
屋久島が紡いでくれたご縁に感謝の気持ちでいっぱいです。
それにしても、お二人の屋久島愛はホントにすごくて、わたしも嬉しくなります。
お二人の繋がりと、大好きな屋久島を感じるリングを作りたい。
そのような想いから、結婚指輪作りが始まりました。
リングの内側には、シダ模様とお二人のお名前を。
重ね合わせて、一つになるように彫刻しました。
内側は見えない場所ではあるけれど、心に響く部分を大切にしていたい。
かたちの向こう側、といいますか、
自然の中に漂う神秘のようなものを愛おしく思う気持ちで、
お二人とは繋がっているように思うのです。
リングを島の緑にかざしてみる。
緩やかにカーブしたシルエット。
その中に削り出したラインが、陰影を強く作り出しています。
ラインを境界にして施した光沢仕上げは、鏡のように島の情景を写し、
マット仕上げは、漂う音や香りと一つに溶け合うほどに有機的に感じられました。
リング幅は2.0mmと2.5mmで、お二人のサイズに合わせてお作りしました。
素材もデザインも、ぴたりとお揃いの結婚指輪です。
光と影が織りなすリズム。響き合う二つのプラチナリング。
光は影であり、影は光であり
それらはグラデーションのように移り変わり、日々に彩りを与えてくれるのかもしれません。
わたしたちもまた、補い、響き合いながら、日々を流れるように暮らすことができると素敵ですね。
冬の冷たい風に乗り、流れる雲の合間から、柔らかな陽光が差し込み始めました。
ツワブキの花を通り抜けた光は、プラチナリングに微笑みのようなぬくもりを届けてくれます。
手の中には、お二人が出会い、紡がれてゆく時間が持つ質量のようなものを、確かに感じることができました。
ご結婚おめでとうございます。
この小さな喜びが、どこまでも広がってゆきますように。
お二人は、もうすぐアトリエにリングを受け取りに来てくれることになっているのですが、この続きはまた次のお話で。
初めて指輪に対面する喜びの瞬間は、もう少し先のお楽しみに。
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