屋久島から小笠原諸島へと旅立つ結婚指輪。
その表面には、お二人で分かち合うようにシダの葉模様をあしらえました。
シャンパンゴールドとプラチナが、南国の光の中で響き合い、楽しげに煌めいていました。
お二人が暮らす小笠原諸島は、屋久島のアトリエからおよそ1200キロ離れた場所にありました。
その二つの小さな島を結ぶように、結婚指輪作りが始まった日。
お二人の指輪作りが始まったのは、島に山茶花やツワブキが咲き、ポンカンの収穫で賑わう冬の始まりの頃でした。
植物や水、空や海、自然の中にある全ての事象に、生き生きとした“響き”のようなものを感じながら、作業机に向かう日々でした。
森の中でシダの葉を見上げると、大きなリズムと繋がっているように感じられるのはなぜだろう。
手に取ると、ふわり、自由な心地に包まれます。
あるいは、金属から生まれたリングもまた、自然と響き合うものなのかもしれません。
お二人とともに育んだ結婚指輪が、大きなリズムと私たちとを繋ぐ扉のような存在になると何よりも嬉しく思います。
彼のプラチナと、彼女のk18シャンパンゴールド。
リング幅はお揃いで2.3mmに仕立てました。
緩やかにカーブした表面を、冬の柔らかな光が滑らかに巡ります。
その佇まいが島の空気に溶け込むように感じられるのは、表面に彫刻されたシダ模様がもたらす印象なのでしょう。
重なり合うシダの葉を眺めていると、とても穏やかな気持ちになります。
そこには、まるでこの瞬間がずっと前から約束されていたような、強い引力のようなものがありました。
手の中で重ね合わせてみる。
彼女のリングが彼のリングの中にぴたりとおさまって、思わずほっこり。
ラウンドシェイプのフォルムは、手触りがとても柔らかいです。
小さなリングの中には、プラチナとシャンパンゴールドの確かな重みを感じることができました。
とても優しいお二人だったなあ。
ふと、お二人とお会いした夏の終わりの日を懐かしく思い出しました。
森を通り抜ける風のように柔らかなお二人の言葉に、指輪作りの間はずっと支えられていたような気がします。
森の祝祭、永遠のリズム。
夕暮れ時には、リングを持って、いつものビーチに出かけました。
「この海の、ずっとずっと向こうにお二人が暮らす島がある。」
1300キロの距離を超えて紡がれる、細い糸のような繋がりを思うと、この瞬間が奇跡のように感じられました。
「1日1日を大切に暮らしていこう。」
お二人との素晴らしい出会いに、感謝の気持ちが溢れてきました。
それにしても、海のある暮らしには癒されますね。
西陽が冬の重たい雲の合間を通り抜けて、キラキラと水面に反射する光が眩しくて。
波音はとても大きなはずなのに、浜辺を歩いていると不思議と静かな気持ちに包まれました。
手の中には、お二人の結婚指輪があり、大好きな島の情景と親密に響き合っているように見えました。
ご結婚おめでとうございます。
このリングが、お二人に長く寄り添ってくれますように。
南の島の暮らしで育まれるお二人の喜びが、どこまでも広がりますように。
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