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ピンクゴールド×プラチナ 喜び響き合う結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

1月とは思えないほど、暖かな日が続いている。

夜の間、しとしと静かに雨が降り続き、朝になるとバトンを渡すように太陽の光が差し込み始める。

庭先では大きくなり始めた百合の株が、キラキラと輝く無数の雫を大切そうに抱いている。

ふと見上げると、ハイビスカスが咲き始めていることに気がついて、驚いた。

 

日中はシャツ一枚で過ごせるほどの暖かな日々を経て、やがてまた寒さが訪れる。

数日の間、冷たい北風が吹き続き、山々には雪も積もることだろう。

椿の開花も楽しみで、タンカンの収穫もそろそろなのかもしれない。

いつもの島のリズムである。

 

その緩やかで、ダイナミックな季節に身を委ねながら、

お二人の結婚指輪作りに取り組んでいた。

今年も少しずつ、じっくりと。

 

およそ、宝飾品に使われる素材の中で、プラチナとk18ピンクゴールドは、その色合いにおいて最も対照的で、変化が際立つ組み合わせの一つだろう。

ロマンティックな温もりを感じるピンクゴールドと、洗練された上品さを持つプラチナは、もともとが全く別の組成を持つ金属で、それぞれ色調には独自の強い個性がある。

どちらも加工性に優れ、耐久性が高い素材だ。

 

その二つの素材を組み合わせ一つにするプロセスは、いつもワクワクするものではあるけれど、

それは同時に挑戦的な技巧でもあるので、デリケートに作業を進めていかなくてはならなかった。

 

プラチナとピンクゴールドを繋ぎ合わせる両端は、斜めにカットし、ぴたりと合わさるように造形をした。

それらを重ね合わせ、ガスバーナーの炎に包みながら、ピンクゴールドとプラチナの間に融点の少し低いゴールドを流し込んでいく。

温度が高すぎるとリングが溶けてしまい、逆に低すぎると隙間にゴールドがうまく流れない。

序盤にして指輪作りの大きな“山場”を迎えたことになるのだけど、とてもうまく接合することができたように思う。

久しぶりに訪れた深い集中が、とても気持ちよく感じられた。

 

小さなリングは、ピンクゴールドにも見え、プラチナも見える。

重なり、響き合う二本のリングは、同時に一つでもある。

 

まだほんのりではあるけれど、

そこには、島の暮らしで馴染み深い、波のリズムや、季節の巡りを感じることができる。

今この瞬間に、移ろいゆく永遠の時間を感じられるのは、愛や喜びに似ているのかもしれない。

 

お二人の大切な想いが、手の中で、少しずつ形になりつつある。

その小さな二つのリングの中に、どこまでも広がる希望の響きを思い描いている。

 

 

  

屋久島でつくる結婚指輪

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