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雨の記憶。満ちる潤いと、シャンパンゴールドの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

湿度を帯びた雲が、山々に重くのしかかっている。

今年の梅雨は深く、長い。

雨の気配はもう少しの間、この島に留まるのかもしれない。

 

毎日のように雨が降り注ぎ、植物たちは生き生きとした表情を宿している。

雨のやみまに散歩に出かけると、驚くほど背丈を伸ばした木々に出会った。

 

シダの葉も、ツユクサも、雨を含んで濃く艶やかな色彩を纏っている。

この満ちる潤いが、屋久島の豊かさを育んでいるのだろうと思う。

 

この島に暮らして、もうずいぶん長くなるけれど、

気がつけば、この雨をどこか心待ちにしている自分がいるのだから、不思議なものだ。

 

ちょうど新しい制作を始めるタイミングだったので、

指輪作りに使うシャンパンゴールドを、シダの葉のそばで眺めた。

 

植物たちとやわらかく響き合うような、シャンパンゴールドの静かな輝きが好きだ。

 

山歩きが大好きなおふたりも、この植物の気配を帯びた色彩に、自然と心を惹かれたのだと思う。

相談会で初めてお会いしたのだけれど、大切な気持ちを分かち合えたような気がして、とても嬉しかった。

 

小雨が降り続く小さな森の中を歩きながら、

ちょうどこの梅雨が始まる頃、アトリエでお会いした日のことを懐かしく思い出していた。

 

アトリエに戻ると、すぐに作業机に向かい、シャンパンゴールドをバーナーの炎で焼きなました。

炎を受けて金属がやわらかさを取り戻したところで、手でぐいっと思い切りよく曲げ、鉄の芯金に当てながらハンマーで打ちつけていく。

 

これから少しずつ、おふたりと一緒に育んできたイメージが形になっていく。

一度きりの時間が、手の中で紡がれていくことに、心が踊るのがわかる。

先ほど歩いた小さな森の印象が、まだすぐ近くに漂っている。

こんこん、と叩きながら、シャンパンゴールドを少しずつ丸く、リング状に整えていく。

まずは、最初の一歩である。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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