
雨上がりの朝に。
咲いたばかりのハイビスカスのそばで、シャンパンゴールドのリングを眺めた。
削り出し作業を終えたリングのフォルムは、丸く、やわらかい。
木々の合間から差し込み始めた光にかざし、リングをくるくると回しながら、その表情を確かめていた。
まだまだ作業は途中ではあるけれど、
少しずつ、リングが小さな息吹を帯びてきたように思う。
サイズ違いのお揃いのシルエットが並ぶ様子を眺めていると、なんだかとても嬉しくなる。
シャンパンゴールドの淡い黄金色は、深い緑と、鮮やかな赤と、静かに響きあっていた。

それにしても、暑い。
眩しい空。もくもくとした大きな雲。
梅雨の終わりも近づいて、7月を前に、島は急に夏めいてきた。
リングが完成する頃には、アイスコーヒーやスイカがおいしい季節になっているのだろうなあと、
少し先の未来に心を躍らせながら。

アトリエでは、次の造形作業に向けて、下準備を進めていた。
ガスバーナーの炎でリングを包み、赤く色づくまで、ゆっくりと温度を上げていく。
シャンパンゴールドは、肩の力を抜くようにして、作業のあいだ張り詰めていた力をゆるめていく。
温度が上がり過ぎないよう気をつけながら、じっくりと、リングに火を回す。
暗くしたアトリエに、オレンジ色の光が広がっている。
台風が近づいてきたせいか、遠くから風の音が聞こえてくる。
島の時間は、今日も静かに過ぎていく。
リングが真っ赤になったところで火を離し、グラスの中に注いた水の中に入れると、ジュっと歯切れの良い音を立てた。

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
制作編