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お二人だけのプラチナリング, 美しい花のような結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

プラチナのリングに力を加える前には酸素トーチの炎に包んでリングを真っ赤になるまで加熱してする。

キュッと固くなっていたプラチナがふわりとその緊張を解く。

プラチナは元々とても素直な金属なので、鉄製の曲面台に乗せて強い圧力を加えるとそれに沿うように曲がってくれる。

なだらかなカーブから段階を経て急なカーブに移行していく。

途中にリングの中心円をきちんと整えながらイメージしていた曲線になるまで少しずつ。

 

およそ目指していた造形にたどり着いたところでそっとリングを薬指に合わせてみる。

彼のサイズが自分の指よりも大きかったので途中で支えながらクルクルと回してみたりする。

大切なつけ心地を試してみたかったからだ。

 

リングを手にしていると、気持ち良い冬の光が差し込んでくる。

ブラインド越しには屋久島サウスの山々が見える。

 

お二人と一緒にこの指輪を作り上げてきた。

秋のアトリエでお会いしてから3ヶ月、あるいはインスタグラムを見てくれていた頃からなのかもしれない。

 

今までずっとありがとう。

お二人とご一緒した時間が生み出してくれたプラチナリングなのだと思う。

 

時間は花のように美しいものだと思うのだけれど、

心や身体性を伴う物作りというのは今はもう少なくなってきている。

それでも同じ何かを感じている仲間がいる。繋がりを信じて作っていこうと思う。

 

リング作りはここでひと段落になるのだけれど、少し時間を置いて新しい目でもう一度眺めてから最後のタッチを加えたいと思っています。

 

島の季節と共にリングを眺めるのもとても楽しみ。

 

この続きはまた別のお話で。

出来上がりはもう少し先のお楽しみに。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

シンプルな日々、お二人に寄り添う結婚指輪を作ること #屋久島でつくる結婚指輪

出会い編

屋久島の秋から冬へ、お二人との結婚指輪作りが始まります #屋久島でつくる結婚指輪

シンプルな日々、お二人に寄り添う結婚指輪を作ること #屋久島でつくる結婚指輪

山の裾野を越えて海の向こう側、水平線からオレンジ色の光が広がっている。温もりを帯びたその光は徐々に世界を明るくし、一日の始まりを告げる。

車のバックミラー越しにその情景を眺めていたのだけれど、思わず車を路肩に停めてドアを開き屋久島サウスの空を見上げた。

夜明けの空気が冷たい。けれどもその中には温度を持った息吹のようなものが徐々に広がりつつあるのを感じられる。

また同じように一日が始まろうとしている。

 

いつものビーチでは仲間と一緒に波に乗った。

そしてアトリエに戻って熱いカフェオレを二人分作ってフレッシュな気持ちで作業机に向かう。

ただそのシンプルな出来事に感謝の身持ちでいっぱいになった。

 

 

お二人の結婚指輪づくりはこれから第二幕へ。

日々の暮らしへ、柔らかなプラチナリングへ #屋久島でつくる結婚指輪

 

彼女のリングと彼のリングはお揃いのプラチナでお作りするのだけれど、実のところ細部のデザインは少しずつ違っている。

サイズはもちろんだけれど、その他にもリング幅や表面のラウンド具合などをそれぞれのお好みに合わせてデザインをした。

やっぱり毎日身につけるものだから、日々を快適に感じられることが一番かな、と思う。

 

一緒に何十年もお使いいただけますように。

お二人の結婚指輪をお作りできることは私にとっての宝物だと思う。

 

さて、今日も作っている。

 大きな鉄鋼ヤスリが2本と精密ヤスリが2本、小さいものはいつもどこにあるかわからなくなってしまうので、ルーペは同じものがいくつかある。あと、リングにはラインをけがいて寸法に沿ってプラチナを削り落としていく。

 

作業の途中に庭先でリングのアウトラインを確認しておく。

ときどき立ち止まってクールダウンをしておく。

 

彼のリングは表面を丸くカーブさせておきながら、側面にはしっかりと平面を残して仕上げるイメージだ。

彼女のリングと同じように柔らかさを感じられるし、すっきりとシャープな印象もある。しっかりとボリュームを取るともできるので、タフにお使いいただけると思う。

 

それにしても、オーダーメイドでデザインが生まれるプロセスはとても興味深い。

相談会でお二人とご一緒した時に、彼も彼女が何気なく手にしたサンプルリングがとても近しいデザインだったのをよく覚えている。

リングを形作るものは、あるいはお二人が共に過ごした時間や分かち合った想いなのかもしれない。

リングを眺めていたら、西陽が差し込んできて、プラチナリングとポツリと咲いていてたランタナを強く輝かせた。

もう少しで夜がやってくる、そしてまた新しい始まりを繰り返していく。そのようなシンプルな日々を、大切な人と一緒に迎えることができればいいと思う。

 

 

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日々の暮らしへ、柔らかなプラチナリングへ #屋久島でつくる結婚指輪

夢中になってタッチを積み重ねていた作業から、ふと我に返って一息をつくとプラチナリングはこんなにも丸くシェイプされていた。

全体をなめらかなカーブで覆う造形作業では途中で手を止めるわけにはいかない。

そのような集中状態にあるとしばしば没頭しすぎてしまうこともあるので、ときおり目の前でパンと手のひらを叩くように自分自身を解いてあげるように気をつけている。

なんと言っても、アトリエでは朝から夕方までずっと一人なのだ。

静かに作業机に向かっているようではあるけれど、内側では実にいろいろな事が起こっていてとても賑やかだったりもする。

 

 

一人での作業ではあるけれど、向かう場所がはっきりとわかっているから歩いて行ける。

いつもオーダーメイドに寄り添っていてくれるお二人にありがとう。

耐久性と愛おしさと、プラチナが持つ時間について #屋久島でつくる結婚指輪

 

新しい何かに出会う事ができるオーダーメイドのジュエリー作りはいつも楽しい。

お二人とのデザイン作りにもまた発見があったように思う。

挑戦できる日々は素晴らしい。

 

いつもはどこかにシャープな印象を残して仕上げるのだけれど、彼女のリングはどこまでも柔らかに仕上げたい。

リングからはフラットな面を一切取り除いて全てを曲面で構築することにした。

 

表面と側面と、そして内側を鉄鋼ヤスリで丸く造形した後に、思い切りよく力をかけてアウトラインをカーブさせるとリングに更なる動きが与えられた。

新しくアプローチしたカーブのバランスもいい具合だ。

小さなリングには川から海へと注がれる水のように静かで力強い動きを感じる事ができた。

 

ここからは紙やすりに持ち替えて細部を整えるように磨き上げていくことにしよう。

つけ心地に響いてくる大切な作業だ。

日々快適にお使いいただけるように、時間をかけてじっくりとタッチを重ねていきたい。

初めて大地を踏んだのがようやく夕暮れ時になってからだったけれど、そんな日もある。

ずっと遠くを眺めて深呼吸。

今日も屋久島にありがとう!

 

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耐久性と愛おしさと、プラチナが持つ時間について #屋久島でつくる結婚指輪

くるりと巻いたプラチナを酸素トーチの炎に包んで繋ぎ合わせたのは、作業が始まって三日目の朝だった。

いよいよこれからだな、というイメージが形になっていく喜びを伴う実感と。

今を大切にしなくっちゃ、という一度だけの指輪作りを想う愛おしさと。

 

 

お二人にとってはこれが始まりの合図でもある結婚指輪作り。

会話から生まれるお二人だけの結婚指輪 #制作編 #屋久島でつくる結婚指輪

 

プラチナの作業温度は約1400度ほど。耐久性はとても高い。古くはビクトリア様式のジュエリーが今もその頃の形をそのままに保管されていたりもする。

かといって固すぎるわけではなくて、どちらかというとしなやかで柔軟な強さが特徴的でもある。個人的にはその適度な重たさも確かさを感じることができて好きだ。

体や暮らしに寄り添うように馴染んでくれるプラチナはダイヤモンドやゴールドと共に、広く愛されている素材なのである。

そしてもちろん、それらは私たちよりもずっと長い時間をあり続けることになる。

 

今日も自然が奏でるハーモニーの中で。

 

夕方前にはリングのフォルムを綺麗に整えることができた。

時計を見るとまだ4時前だったので、「今から車を走らせれば間に合うのでは」と思って島の東側にあるカフェまでケーキを買いに行くことにした。

作業でキューっとなった頭を甘いものを食べてふわりと解きたかったからだ。

あと、そのカフェ、雪苔屋さんは冬季休業に入る前の最後の営業日ということだったので、お店の二人にも会っておきたかったのもある。

 

その日、島ではちょうどマラソン大会が行われていて、車を走らせると道路の流れはかなりスロー。

ケーキのことが気になってそわそわなオレ。

それでもなんとかカフェにたどり着いて、扉を開いてすぐ左側にあるショーウィンドウに目をやると、最後に残っていてくれた二つのパウンドケーキ。

ケーキが待っていてくれたみたいだね、と思わず声に出して笑う。

ほんの細やかではあるけれど、何気ないラッキーが嬉しかった。

 

せっかくだからとお願いしたコーヒーを持ってきてくれた彼女の手にはもう何年も前にお作りしたゴールドの結婚指輪。

そんな身近なお付き合いも島暮らしならではのあたたかさである。

彼女の腕の中では赤ちゃんが幸せな笑みで一杯になっている。

あの頃と今とが繋がった瞬間。

 

きっと作業机に向かっている今日もまだ見ない未来と繋がっているに違いない。

かたちだけだけではなくて、時間の美しさのようなものを創造するジュエリー作りであれば最高だと思う。

 

 

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会話から生まれるお二人だけの結婚指輪 #制作編 #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスのアトリエです。

そういえば、お二人は幼馴染だというお話をしてくれたな。

作業机に向かっていると、去年の秋に屋久島でお会いすることができたお二人や、その時交わした会話が鮮明な印象として蘇ってくる。

 

 

あれからクリスマスも、お正月を越えて、季節は冬に。

冷たく張り詰めた空気のところどころに始まりの気配を感じながら、お二人の結婚指輪を作り始めている。

始まりの予感に包まれて、お二人の結婚指輪を作り始めています #屋久島でつくる結婚指輪

 

何気ない会話の中に、デザインのヒントのようなもに出会うことがしばしばある。

それがオーダーメイドならではの楽しさでもあるのだと思うけれど、お二人との相談会もとても貴重な時間だった。

 

それぞれに人を支える大切なお仕事をされているというお二人。

ふわりと春の陽気に包まれたような、優しい雰囲気の奥の方に強い芯のようなものを感じることができたのも、なるほど。

お二人の指輪作りのイメージをしっかりとキャッチできた瞬間があったように思う。

 

それは冷たく張り詰めた空気の冬からポカポカ陽光に包まれる春へと向かう、ちょうど今島で過ごしている季節のようなフィーリングではないだろうか。

強さと柔らかさと。

 

菜の花が咲いていることに気がついたのは、実は去年のクリスマス頃のことだった。

県道沿いにゆらゆら、北風に揺られている黄色い花に心和む。

 

空をかける犬みたいな。

冬の澄み渡る空気が好きだ。

 

 

さて、今日も作っている。

手前が彼女のリングで、金槌とヤスリを使ってプラチナの太さに抑揚をつけてある。

くるりとリング状になると、いよいよ始まったのだな、と緊張感に包まれる。

 

数種類のハンマーと数種類のペンチ、そのほかにも実にたくさんの工具を使い、小さなリングをキューッと圧縮させていくと、フラットに整えておいた面をぴたりと合わさった。

 

細やかな作業ではあるけれど、綺麗にできるとやっぱり嬉しい。

この喜びを積み重ねていくように、一つ一つじっくりとタッチを重ねていこう。

明日もまたジュエリー作りだ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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始まりの予感に包まれて、お二人の結婚指輪を作り始めています #屋久島でつくる結婚指輪

アトリエから西へ車を5分ほど走らせて大きな川を渡ったすぐのところ、県道沿いの山側にこの辺りで一番早く花を咲かせる緋寒桜の木があります。

 

新しい指輪作りを始める日の朝にお二人が選んでくれたプラチナを眺めたり。

冷たい北風の中に始まりの季節がすぐ近くまでやっていている気配を感じたり。

 

 

お二人とは屋久島のアトリエお会いすることができました。

数ヶ月越しの想いが叶った日。

海を越えて会いにきてくれてありがとう!

屋久島の秋から冬へ、お二人との結婚指輪作りが始まります #屋久島でつくる結婚指輪

 

秋から冬へ、長くお付き合いをいただきながらのオーダーメイドになるけれど、

お二人と分かち合う指輪作りの日々もわたしにとっては大切な時間となっています。

 

そして、リングが出来上がる頃にはもう春の予感に包まれているのだろうなあ。

お二人の新しい暮らしが始まるのだなあ。

そんな思いを巡らせるのも楽しい。

 

気がつくと時間を区切ることに一生懸命になりがちなこの頃ではあるけれど、どこかにふわりと安らぐスペースのようなものがあればいいと思うのです。

 

指輪作りの日々もそうですし、もちろん、そうして出来上がる結婚指輪もお二人にとっての癒しであると素敵だなと思います。

 

そう、それは熱いハーブティーをひと口飲んで体や心の芯の方にじわじわと響いてくるような感じかもしれません。

時間の美しさを感じられるような結婚指輪になればいいと思っています。

 

さてさて、アトリエでは作業のファーストタッチです。

硬いプラチナを酸素トーチの炎に包んで柔らかくしてから金槌でコンコンと叩く。

すとんと均一だったフォルムに細いところ、太いところの抑揚を与えていきます。

 

考えてみると遥か昔からずっと変わらな手作業であります。

道具の精度が上がりとてもやりやすくはなっているけれど、このコツコツとしたリズムがとても好きだなあと思うのです。

なんだか時をしっかりとキャッチできているような気がしてホッとします。

 

ともあれ、わたしたちはいよいよ指輪作りの第一歩を踏み出しました。

これまで一緒に抱いてきたイメージがリアルな形を持ってここに生まれようとしています。

 

出来上がりまでのまだまだ長い道のりが、もうかけがえなく感じられるのが不思議ではありますが 笑

喜びを分かち合いましょう。

 

海の向こうで新しい暮らしを始めたばかりのお二人とご一緒する結婚指輪作りの日々を、皆さまどうぞあたたかく見守っていてください。

 

しずくのしずくネックレス #yellowgold #diamond #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k yellow gold, diamond
size: 5mm diamond

Delivery time is within 1 month.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズと素材をお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。ご注文からお届けまで約1ヶ月。

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ご家族から受け継いだ一粒のダイヤモンドを使って、雫のネックレスをお作りしました #屋久島でつくる結婚指輪

大切な日に花を贈りたい。庭先に咲くツユクサをかたどって小さなネックレスを作りました。#屋久島でつくる結婚指輪

庭先に咲くツユクサをかたどって小さなネックレスを作りました。

雨上がりの屋久島から、お誕生日おめでとうございます!

 

 

去年にお届けしたジュエリーなので遅くなってしまったのだけれど、おめでとう!の言葉はいつも幸せになれる。

ご家族のひとときにご一緒させていただいてるみたいな、心あたたかなジュエリー作りでした。

海を越えてのやりとりでしたが、確かな繋がりを感じながらじっくりと、この小さなネックレスを仕上げることができたように思います。

 

屋久島からネックレスを送り出す朝。

アトリエの庭先は雨上がりの雫に飾られていました。きらきら。

 

ツユクサのネックレス silver, 18k yellow gold, aquamarine

 

シルバーでかたどった花に組み合わせたのはイエローゴールドの小さな粒とアクアマリンです。

大きさは約1cmなので、ほぼ実寸代ということになるのです。

緑の中でその佇まいを眺めると、まるでずっとここで待っていてくれたようにも感じられました。

 

それにしても、ツユクサにはやっぱりブルーの天然石がよく似合います。

屋久島の暮らしで馴染み深い水を感じるアクアマリンが私も大好きです。

 

雨の多い屋久島の暮らしです。散歩道で、散歩道で出会うツユクサにいつも癒されています。

ツユクサに出会えるとなんだか嬉しくなります。

今日はなんだかいいことありそうな気がするな!と。

 

大切なプレゼントにお選びいただきましてありがとうございました。

ありがとうの花を届けるように、ですね。

日々の暮らしの中に何気ない喜びが溢れますように。

 

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お二人の暮らし、大切な想い。幸せな結婚指輪が生まれるとき。#屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスのアトリエです。

少し寒い日。雨上がり。朝の空気がいつもより張り詰めている。

冬のアトリエはとても静かで猫と郵便配達くらいしか通りがかりそうにない。

 

 

今年の最初にお二人の結婚指輪を作り始めた。

いつものように、波がある時には海に出かけて、そうでない時は早い時間から作業机に向かう。

彼女のピンクゴールドがひと段落をして、今は彼のプラチナリングの造形作業を始めている。

 

すっきりと軽やかに、柔らかなスクエアシェイプ。

柔らかなひかりのようでした。ピンクゴールド、スクエアシェイプのリング #屋久島でつくる結婚指輪

 

結婚指輪なのでデザインはもちろんお揃いである。

けれども、サイズの大きい彼のリングは彼女のリングよりもほんの少しだけボリュームと強度を与えてお作りする。

それでもこれまで作ってきたスクエアシェイプのデザインよりもできるだけ厚みを抑えつつ仕上げるので、彼女と同じ軽やかに出来上がるはずだ。

「できるだけ厚みを抑えたスタイルが理想的です」というのがお二人揃っての想いだったからだ。

 

素材はプラチナとピンクゴールドなのでメンテナンスも特に必要ない。使ううちにやがて体の一部のようになる。

スクエアシェイプのリングは普遍的でシンプルなデザインであるようにも思う、しかし、お二人の暮らしだったり大切な想いから生まれる細部の構造がリングをどれだけ特別にしてくれるかということを、わたしたちは知っているのだ。

内側に刻んだ刻印や左手の薬指に感じる程よい金属の重みががわたしたちを幸せにしてくれることを。

 

彼のリングも手作業でコツコツと造形を進めている。

鉄鋼ヤスリを使って大きく削り始めてからそろそろ丸一日になる。

今日はスイスの時計職人が使っている精密ヤスリを片手に表面をつるりと均一にするところまでいけた。

細部を整える大切な所なので、急ぐ必要はない。

ルーペを覗きながらただただゆっくりと時間をかけて手を動かす。

彼の手の大きさをイメージしながら、つけた時に彼女のリングとぴたりお揃いに感じられるように心がける。

料理を作る時と同じ要領だ。

満足度が同じになるように、その時の心持ちや人それぞれにフィットするボリュームをリングにも与えておく。

そうすれば、毎日の付け心地が快適になる。

 

指輪作りの間には冬らしい晴れの日もあったが、山際には星空を望む事ができた。

夜が深くなり窓の向こうを眺めると、最初はうっすらとだけれど徐々にたくさんの星が見え始めて、これは凄いのでは!と驚いてしまう。不意に感動が訪れるのもいつものことだ。

海のある南東側にはオリオン座をはじめとする冬の大三角が見えて、山々の向こう側には北極星が輝いている。きっとお二人も同じ空を眺めている。

 

彼のプラチナと彼女のピンクゴールドをぴたりと重ね合わせてみる。

リング幅はぴたりと同じ。

西陽を受けて輝くリングは夜空に浮かぶ丸いひかりのようにも見える。

そして、お二人と抱いたイメージをうまく形にする事ができてほっと一息ついているわたしがいる。

秋のアトリエでご一緒して始まった指輪作りから新しいスクエアシェイプのデザインが生まれたかもしれない。

完成まであと少しといったところだ。

 

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柔らかなひかりのようでした。ピンクゴールド、スクエアシェイプのリング #屋久島でつくる結婚指輪

造形作業がひと段落したピンクゴールドのリング。柔らかなスクエアシェイプ。

 

 

いつもの散歩道では川沿いに椿の花が咲き始めているのに出会うようになったのだけれど、ジュエリー作りも、移りゆく季節も、同じ屋久島に暮らすお二人と分かち合う事ができる喜びを感じている。

 

彼女のリングは厚みを抑えた繊細なスタイルで、すっきりと軽やかに仕上がりました。煌めくひかりそのもののようでうっとりでした。

 

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制作編

島で過ごすこと、つくること #屋久島でつくる結婚指輪

金色の葉をもつシダの指輪。オーダーメイドで初めて出会ったジュエリーのお話 #屋久島でつくる結婚指輪

大好きなシダの指輪。初めて出会った表情でした。

リクエストをいただいて、葉っぱをイエローゴールドで、リングはプラチナでお作りました。

屋久島サウスに降り注いだ雨のしずくと。

 

 

4年近く前に結婚指輪をお作りしたお二人が屋久島のアトリエに来てくれました。

こうして長いお付き合いができるのも、オーダーメイドの大好きなところです。

初めてお会いできてむっちゃ嬉しかった!

会いにきてくれてありがとう! #屋久島でつくる結婚指輪

 

お二人の想いから始まるジュエリーづくりはいつも楽しい。

想像以上に素晴らしい未来が待っているような気がして胸が高鳴ります。

 

「イエローゴールドの葉っぱとプラチナのリングで」

と彼女がリクエストしてくれたから。

今までにはなかった新しいデザインと巡り合う事ができました。

 

それは艶やかな金色の葉をもつシダの指輪なのでした。

 

深い緑の中に浮き上がるゴールド。

思わずうっとりでした。

 

金色といえばどこかキラキラすぎる印象があるかもしれませんが、

こうして植物を形取ると、自然の中にとても良く馴染みます。

 

ゴールドもプラチナも大地から生まれたものですから、

この柔らかな響きをお楽しみいただきたかった。

 

屋久島の暮らしの中で馴染み深いシダの葉にいつも癒されています。

そういえば、シダの葉はお正月のお飾りにもなっていておめでたい。

 

葉っぱの大きさや幅の広いところで約7mmほど。

その中心を支えるプラチナのリングは1.2mmと繊細な作りになっていますので、

印象的な造形ながらも手のなかでとても軽やかに感じられました。

 

こんなにも繊細なのに丈夫にお作りできるのが、

硬く耐久性の高いプラチナもイエローゴールドの素晴らしいところ。

 

ふわりと軽やかに、そして力強く、

憧れはいつも庭先の植物にあるように思います。

 

何気ないいつもの日に。

嬉しいお出かけの日にも。

お二人の暮らしに長く寄り添ってくれますように。

 

雨上がりの庭先ではスミレの花が咲き始め、新しい季節の訪れを告げていました。

太陽の光が差し込み、空には虹が掛かっているのが見えました。

 

そのようにして、わたしたちもまた始まりを続けていくのかもしれませんね。

お二人にとって大切な指輪作りをお任せいただきましてありがとうございました。

 

自然の巡りと歩みを同じくするように、またいつの日かリングと一緒にお会いできる新しい日が訪れると嬉しく思います。

 

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