ひらめくことがたくさんある。今日もまた夜明けの薄暗い時間から作り始めていた。
一人なのだけれど一人ではない感覚が好き。屋久島の季節に、そしてお二人の物語にインスパイアされる制作の日々だ。
たしかに、ご依頼をいただいて始めた結婚指輪作りだけれど、それは同時に与えられているのだなあとしみじみ思う。
窓の向こうを見たらようやく朝が焼け始めた頃だったので、窓を開け放つと冷たい空気が思い切り良く押し寄せてきて部屋中に広がった。屋久島にしては湿度が少なくて、こんなにも爽やかな日もウェルカムなのだけど。
きっと3分とかそれくらいかな。始まりを体感することができて嬉しかった。
台風でどうなるかなあと思っていたけれど、ポコポコと現れ始めたサザンカの蕾!そうなのか、もう今年の残りを数え始める頃なのだ。お二人のリングが出来上がってお届けする頃には、きっと新しい花が咲き始めているだろう。もう作業も折り返し地点を過ぎたからだろうか、少し先の未来を眺めてワクワクしている自分がいる。
彼女のプラチナリングは鉄鋼ヤスリでガリガリと削り落として、表面にざっと荒い番手のヤスリをかけて彼のリングとピタリとお揃いのアウトラインに仕上がった。
ああ、出会うことってなんだかとても素敵。小さなリングに共鳴するリズムや流れが、お二人が出会ったことの印のように思えてきた。この幸せが響き合ってどこまでも広がってゆけばいいなと思った。今日も素敵なフィーリングに包まれてありがとうの気持ちでいっぱいになった。
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