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宮古島ー屋久島、オーダーメイド結婚指輪制作記。花と海と空、お二人だけの景色

屋久島サウスのアトリエです。いよいよシロツメクサも満開になってきた。晩春、ということだろうか。庭先に、散歩道に出会う花々に癒されながらお二人の結婚指輪を作っている。

お二人が暮らす宮古島では屋久島とまた違った植物に出会えるのだろうか。南国調の陽気な花とかも咲いているのかな。一足先に季節の巡りをキャッチする、遥か南の島に思いを馳せながら作業机に向かう時間は色鮮やかな印象に包まれている。

宮古島ー屋久島、オーダーメイド結婚指輪制作記。大地と一つになるフィーリング

そうこうするうちに百合も紫陽花も開花が始まりつつある。植物たちの力強い歩みに並んでジュエリー作りを進めてゆこう。

そうなのだ、お二人のリングもお花がテーマになっているのだから。

手の中に彼女のリングと鉄鋼ヤスリを1本。造形を始める前に深呼吸をする。

リングの表面を丸くするところまで、ここからは手を止めないで一気に走り抜けたい。

リングの表面にゴールドとプラチナの柔らかなグラデーションが現れた。きらりと輝くものに心惹かれるのは何故だろう。削り落とされたばかりの質感に生きているような感じを覚える。生きていることは揺らいでいることなのかもしれない。手作業から生まれるこの有機的な揺らぎは、何事にも代え難い貴重なフィーリングだと思う。

さて、いよいよ作業も折り返し地点をターンした。同じ素材のスクエアシェイプとラウンドシェイプではあるのだけれど、お二人の結婚指輪は二つ並べて一つになるような、あるいはもともと一つだったような、強いつながりを感じられるように仕上げてゆきたい。

花も海も空も、お二人の暮らしの中にある情景が、キュッとリングの中に収められ、育まれている。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

宮古島ー屋久島、オーダーメイド結婚指輪制作記。大地と一つになるフィーリング

今なお新しい発見に満ちている、暮らし始めてもう10年以上が経った屋久島サウスです。新緑の山々を望む橋の傍らを少し歩いたところにツユクサが集まって、朝露を抱いて佇んでいた。

オーダーメイドで進めるジュエリー作りもまた、いつも新しい発見に満ちている。お二人が投げかけてくれるアイデアは、わたし自身の小さな想像の枠から自由であるからだ。インスピレーションに満ちた日々。慣れない作業にお付き合いいただいてありがとう。

宮古島ー屋久島、オーダーメイド結婚指輪制作記。森と海とジュエリー作りと。

アトリエの窓の向こうに、海の中からはるか山々に、新緑モコモコを眺めながら、爽やかな結婚指輪作りである。屋久島よりも南の島に暮らすお二人の結婚指輪づくり。

 

さて、アトリエです。彼のリングはスクエアシェイプ。でも極々緩やかにラウンドしたアウトラインなのはここだけのお話だ。

つけていてわからないけれど、知らないうちに体に心に響くような造形を目指しながら。

あと、内側も心と体に響く大切なところ。見えない部分の造形をがんばる。

こうして金属に直に触れていると、ゴールドとプラチナも大地の一部というか、自然から生まれたものなのだなとしみじみ感じることがある。冷たいはずなのだけれどあたたかくて、硬いのに柔らかで。触れていると心穏やかになるような、ほっとするフィーリングがある。はるか昔は当たり前だっただろう自然との関わり感。ふとした瞬間にそれを抱くことができれば自分自身をより大切に感じるようになるのではないだろうかと思う。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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宮古島ー屋久島、オーダーメイド結婚指輪制作記。森と海とジュエリー作りと。

夜明けもずいぶん早くなった屋久島です。ここは東の海岸まで続く道で、小さな森を抜けて海に入ってからお二人の結婚指輪を作り始める。いつもの海とジュエリーの時間についてのお話を。

屋久島は緑の印象が大きいけれど、小さな島なのでもちろん海にも囲まれている。森の出口には海があって、海からは緑の世界を望むことができる、このダイナミックな距離感が屋久島ならではの神秘なのだと思う。

森の入り口から海までは歩いてほんの3分ほどで辿り着く。

雨のち晴れの日に。

足元の変化をチェックしながらの歩く森はいつも楽しい。

暑くなってきて驚くほどにスピードアップした植物たちの成長を、いまだに新鮮な気持ちで眺めている。

自然が体を通り抜けてゆくフィーリングが好きだ。その時間をそのままアトリエに持ち帰って、作業机に向かう。きっと結婚指輪をお作りしているお二人の年齢くらいだろうか。ずっとずっと前にイメージした時間が今ここにあるように思う。

これから時を経て、お二人との結婚指輪作りのいろいろが何かにつながっていたりする未来は十分に考えられるだろう。ふとそんなことを思う。つい長い時間軸に触れてしまうのは金属を手にしているからなのかもしれない。出来上がる指輪は私たちよりもずっと長くあり続けることになるからだ。

 

さて、海からのアトリエです。

ゴールドとプラチナを組み合わせてリングの土台が出来上がった。

宮古島ー屋久島 オーダーメイド結婚指輪制作記。シャンパンゴールドとプラチナ

二つの金属の境界線は緩やかに、波のようなラインを描いている。お二人も大好きな海のイメージで作り進める工程を眺めていこう。

上が彼のリング3.0mm幅に。下が彼女のリング2.2mm幅に。これからそれぞれのスタイルの造形を施してゆくところ。ドキドキ。

鉄鋼ヤスリを片手に。彼のリングはスクエアシェイプなのだけれど、柔らかな手触り感を与えてゆくのがわたくし流。全体にわかるかわからないくらいの曲線を施してゆこう。

シャープだけれど優しげに、確かさと軽やかさと、ゴールドとプラチナと。そして屋久島と宮古島も!海のずっと向こうにあるお二人の時間をふわりと思いながら、小さなタッチを積み重ねている。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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宮古島ー屋久島 オーダーメイド結婚指輪制作記。シャンパンゴールドとプラチナ

屋久島サウスのアトリエです。お二人と一緒に育んだ結婚指輪のイメージが目の前で少しずつ形になってゆく時間がとても愛おしいのです。作家ならではの幸せだなと、沸騰する液体の中でダンスする2本のリングを眺めて。

お二人とはいつもメールを交換したり、サンプルリングをお送りしたりしていたけれど、通信の中でお会いできるとイメージしやすく良いですねということになって、屋久島よりも遥か南の宮古島と繋がるのかとドキドキしながら、一度だけモニタ越しにデザインのお話をした。

もちろん、お二人は透き通る海をバックにしていたわけではないけれど笑、何気ない暮らしについてのお話しもできて指輪作りのイメージが膨らんだ。同じ南の島暮らしでは、不思議と仲間意識みたいなものが生まれるものです。

お二人が出会った宮古島があって、私が暮らす屋久島があって、それはとても細い糸なのだけれど、こうして出会うことが出来たなら、なぜだかその繋がりがとても揺るぎないものなのだと信じられる。

 

イエローゴールドとプラチナの出会いも素敵なモチーフだと思う。お互いは別の組成の金属なのだけれど、こうして一度繋がると離れない。タッチを加えるごとに一つのリングになってゆく。そして2本のリングが揃い、一つの印象を作り上げる巡り感。

さあ、楽しい指輪づくりが始まった。屋久島の季節とともにその工程を歩んでいこう。

目を覚ますたびに色鮮やかになっている庭先を眺めるのが朝の楽しみ。

明け方に少し雨が降って太陽が昇る、屋久島の春リズムだ。

そういえば、てんとう虫は夏の季語だったかな。確かに日中は暑いくらいの日差しなのです!今回のジュエリーづくりでは、宮古島から季節のバトンを受け取る。あちらはもうそろそろ泳げるのだろうかと、宮古島に想いを巡らせる。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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