シルバーリングは造形作業がひと段落。電気炉の中で硬化するのを待つ。
私はノースに出かけ、ひと休みをする。
issou coffeeさんの新しいフレーバーが楽しかった!!
制作編
シルバーリングは造形作業がひと段落。電気炉の中で硬化するのを待つ。
私はノースに出かけ、ひと休みをする。
issou coffeeさんの新しいフレーバーが楽しかった!!
制作編
屋久島サウスのアトリエです。
シルバーリングには要所要所で圧力を加え、硬くしながら仕上げていく。
金槌でその表面を、側面をコンコンと叩き、組成を圧縮するようにタッチを重ねていく。
完成には現れることのない、下拵えのような作業をしっかりと頑張る。
シルバーリング作りは、その手触りが楽しい。
いつも緑に囲まれている島での暮らしだけど、冷たいシルバーにも、植物が持つ温度のようなものを感じられたら素敵だと思う。
お二人とは、大切な気持ちを分かち合いながら、指輪作りの日々を歩んでいるように思う。
雨足が弱くなれば作業の手を休め、庭先で深呼吸をする、いつもの島リズム。
リングの表面を鉄鋼ヤスリで削り、整える作業に1日をかけ、夕暮れ時には1本のリングに丸いアウトラインが浮かび上がった。
大きな方、20.2号で仕上げる予定をしている彼のリングだ。
まだまだ荒削りではあるけれど、柔らかな手触りを感じることができる。
お二人と一緒に紡いだイメージが、今、手の中で少しずつ形を帯びていく。
島の緑の中に溶け込むように馴染んで見えたのは、きっとこのシルバーが、元々この大地から生まれたものだからだろう。
私たちの中に刻まれた大切な記憶のようなものを、リングとして身につける感覚をお楽しみいただけると嬉しい。
結局のところ、ずっと雨降りが続いた1日だった。
雨の日は、色濃い色彩に包まれた島の情景が目に楽しく映る。
お二人のリングには、オリジナルの植物模様を彫刻することになっているのだけれど、日々の暮らしの中で、ふとした瞬間に緑の印象を感じることができるのは、とても癒されるかもしれない。
薄暗くなってきた窓の向こうでは、ボツボツと、大粒の雨が弾ける音が響いていた。
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hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
夜明けの海に出かける日が続いている。
日の出は少し遅くなってきたけれど、水温はまだまだ暖かく、トランクスで泳げるのも南国ならではの楽しみだ。
まだ薄暗いうちに何本かの波に乗り、日が登り始める頃にはアトリエに戻る。
まるで風が体を通り抜けたみたいに、真っ白な気持ちに包まれて、作業机に向かっていた。
屋久島の季節とともに、お二人の結婚指輪を作っています。
自然を感じながらジュエリーが作りたくて、この島に移り住んだのは、もう15年以上も前になるけれど、オーダーメイドの日々で、この喜びを分かち合えることが、何よりも嬉しい。
海を越えて、お二人の大切な指輪作りのお声がけをいただき、本当にありがとう!
さて、アトリエです。
バーナーの炎で溶かしたシルバーは素材として整えられ、いよいよリングの造形作業を始めるところ。
ここから先は、後戻りすることができない工程になるので、寸法を大切にタッチを重ねていかなくてはならない。
鉄の芯金にあて、木槌で叩きながら、くるりとリング状に巻いていく。
お二人のサイズに合うよう、寸法をしっかりと測り、その両端を糸ノコでカットする。
シルバーは案外、柔らかく、とても扱いやすい。
これはいつも不思議なことなのだけど、両端をつなぎ合わせてリングになると、金属はとても強くなる。
これまで比較的容易に曲げることができていたシルバーも、少しくらいの力ではぴくりとも動かない。
繋ぎ合わせると安定が生まれるのは、まるでパートナーとの出会いのようでもあるな、と重ね合わせたり。
そうして暖かな気持ちに包まれるのは、結婚指輪作りならではの幸せかもしれない。
シルバーは、軽やかな銀白色が爽やかで、柔らかな手触りが優しい気持ちを与えてくれる。
何年もかけ、指に馴染むように形状を変えるしなやかさこそが、実は強さなのだと思う。
オーダーメイドで選ぶ素材やデザイン、そして出来上がるリングは、お二人自身にとても似ているのかもしれない。
屋久島のアトリエでお会いできる日のことを楽しみに想いながら、作業の手を動かし続けていた。
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ようやく明るみ始めた朝霧の向こうに、半周の弧を描く虹が架かっていた。
もわりとした湿度の中には、かすかな秋の香りが漂っている。
今日も暑い日になるだろう。
お二人が島を訪れる頃には、季節はさらに深まりを見せているだろう。
さあ、いよいよ、作業を始める日がやってきた。
作業机に向かい、まず最初に取り掛かったのは、シルバーを溶かし、リングの造形に適した素材を作る作業だった。
ガスバーナーの炎を900度以上まで上昇させ、シルバーが液体状になったところで、鉄製の枠に流し入れる。
とてもシンプルな工程ではあるけれど、適切な温度とタイミングが大切になってくる。
これから先の工程を左右する大切なステップだ。
心を落ち着けながら、そして大胆に炎を扱っていく。
冷やしたシルバーは、長い四角柱の形状に整うまで、力をかけて金槌で叩いた。
コンコンと、アトリエに金属の高音が響き渡る。
きっとこの音は、はるか昔に職人たちが工房で響かせていた音と同じなのだろう。
この時間感覚が、わたしは好きなのかもしれない。
時代を超えて変わらない、スローな手作業である。
外には薄明るい光が差し込み始めている。
モノづくりの、ゆっくりと進む日々は、あるいは植物の時間と近しいのかもしれない。
じっくりと、確実に、一歩ずつタッチを進めていかなくてはならない。
庭先のハイビスカスを眺めながら、静かに胸を高鳴らせていた。
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お二人のご結婚30周年をお祝いする結婚指輪をお作りしました。
シャンパンゴールド、八角形のシルエット。
そして、いつかここにお越しいただきたい、屋久島の海の情景と共に。
香港と屋久島をつなぐ結婚指輪作り。この素晴らしい機会に、ありがとうございます!
数ヶ月間ご一緒した指輪作りの時間は短いものでしたが、
「私もこんな風に30周年を迎えられたら素敵だなあ」と憧れを抱くようなお二人でした。
「8角形は、私たちにとってとても思い出深い形で、結婚記念日も8日なのです」と彼女が話してくれたのは、デザイン作りが始まった、真夏の頃でした。
「七転び八起きも、好きな言葉です」、とも。
「8は末広がりのイメージでもありますしね」とわたしも応えるように言いました。
もちろん、指輪作りが大切なことではありますが、こうした出会いもまた、かけがえのない宝物のように思えます。
お二人の想いから生まれたデザインが、わたしも大好きです。
彼のリングが2.6mm幅。彼女のリングが2.2mm幅。
シャンパンゴールドでお作りした、ペアリングです。
雲の合間を抜けて降り注ぐ初秋の柔らかな光を受け、リングの表面には陰影が生まれ、多様な表情を見せてくれました。
出来るだけシャープに仕上げた造形ではあったけど、柔らかな海の情景にとても馴染んで見えたのは、マット仕上げならではの魅力です。
長くご愛用いただく結婚指輪ということでしたので、日々のつけ心地には特にこだわりました。
側面から内側はつるりと光沢仕上げにしてあるので、指馴染みとても快適なのですよ!
出来るだけ繊細で、軽やかな印象に。
同時に、シャンパンゴールドを惜しみなく使い、強さと確かな手触りを持たせて仕上げました。
お二人だけの結婚指輪を、一緒に作り上げることができたように思います。
そういえば、香港の海をスターフェリーで渡り、ホンハムで夢中になって天然石を選び、夜の尖沙咀で熱狂の渦に巻かれたりしたのは、ちょうど屋久島に来る前のことだったなあ。
お二人が暮らす、はるか南の国に想いを馳せながら。
生まれたての光が庭先に届き、また新しい一日が始まります。
さて、いよいよリングをケースに入れ、リングを香港にお送りする時です。
夜明けに咲いたばかりのハイビスカスが、静かに輝いていました。
ご結婚30周年、おめでとうございます!
お二人と一緒に、幸せなジュエリー作りの時間を過ごせたことに心から感謝しています。
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