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ふたつのリングがひとつになるとき #屋久島でつくる結婚指輪

リングの輪郭が、少しずつ明瞭に浮き上がってきた。

シャンパンゴールド、2.5mm幅。

お揃いのスタイルではあるけれど、それぞれのリングに、細やかな個性を宿らせるように作り進めている。

 

 

シャンパンゴールドに刻む、海のリズム。

大好きな海でつながる結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

お二人とは、春のアトリエでお会いすることができました。

雨のち晴れ、ハイビスカスと新しい緑と。

海とシャンパンゴールド 大切な想いで繋がる結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪 

 

オーダーメイドでジュエリーをお届けしていると、そのデザインはまるで小さな分身のように、それぞれの人たちに、どこかとても親しい空気を纏って生まれてくるように思う。

 

とくに結婚指輪作りの場合はそうかもしれない。

日々の暮らしに寄り添い、お二人の大切な想いを伺いながらデザインを形にしていくと、ひとつひとつに繊細な個性が宿る。

けれどもそこに、確かなつながりが芽生えてくるのがとても興味深い。

 

その瞬間を間近で見守っていると、とても幸せな気持ちに包まれる。

偶然のようでいて必然を思わせる出来事に触れ、お二人が出会いこれまで育んできた時間を、想わずにはいられない。

 

これからタッチを重ねるごとに、少しずつ、それぞれの個性が生まれてくる。

そして、ふたつのリングは、やがてひとつになる。

 

リング表面の削り出し作業がひと段落をし、次は内側の造形に取り掛かることにした。

ヤスリを当て、内側を丸く、なだらかなカーブに整えていく。

左側のエッジを一周削り、同じ強さで右側も削る。

僅かに角度を変化させつつ、もう一度左をなぞりながら一周。

浜辺に打ち寄せる波のように、均一なリズムでタッチを繰り返していった。

 

こうした単調な反復作業が、案外と好きだ。

金属を削る小さな音が響くアトリエの中で、心がすっと平になっていくのがわかった。

 

庭に白いハイビスカスが咲き始めたら、夏がもうすぐそこまでやってきている合図。

 

お隣さんから、畑で採れたばかりのスモモをいただいて、さっそく少し食べてみたら、まだまだ酸っぱすぎた!

気がつけば、また同じことをやっているような。

毎年のことのはずなのに。

忘れていた季節の驚きにふと立ち止まる。

スモモはもう少し時間をかけて、甘さが深まるのを待つことにしよう。

ジュエリー作りも、島の時間に寄り添いながら、ゆっくりと育んでいこう。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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