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やさしさで紡ぐ婚約指輪。島で生まれる花のかたち #屋久島でつくる結婚指輪

雨の多い日々の中に、ときどき晴れ間がやってくる。

そのタイミングを見つけては、少しだけ遠出をしてリフレッシュできるのが、最近の楽しみになっている。

朝の5時前には空が明るくなり始め、夕暮れ時には、19:00を過ぎても海に入っていることもできる。

そしてまた、深い雨が降り続く日々が戻ってくる。

 

優しくて、そして力強く繰り返される島のリズムに、息を合わせるようにして、お二人の婚約指輪作りを進めていた。

 

お花をモチーフにしたジュエリーを作るときは、実物に近い繊細な仕上がりを意識することが多いのだけど、今回のお花は、ツユクサよりも二回りほど小さいくらい。

リングも、その小さなお花に合わせ、細いものを組み合わせてゆく。

島の暮らしの中に出会う植物たちのやわらかさや、しなやかな佇まいを、形にすることができれば、何よりも嬉しい。

 

婚約指輪は、どちらかといえば、フォーマルな印象が強く、上質な仕上がりを目指してお作りしているのだけれど、植物からインスピレーションを受けたジュエリーには、日々の暮らしに馴染む、親密さのようなものがある。

ちょっとしたお出かけの日にも、そしてもちろん、何気ないいつもの日にも。たくさんの場面で寄り添ってくれると思う。

植物や金属に感じる、包み込むようなやさしさが、とても好きだなと思う。

 

いくつものパーツを組み合わせながらリングをかたち作っていく。

静かで、デリケートな作業が続いている。

 

ガスバーナーの炎に包み、イエローゴールドをつなぎ合わせ、丁寧に磨きをかけ、また火を入れる。

アトリエでは、とてもスローに、単調なリズムが繰り返されていく。

 

窓の向こうから、また雨の音が聞こえてきた。

朝の海の余韻が、まだ体の奥に残っている。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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