屋久島サウスのアトリエです。
そういえば、お二人は幼馴染だというお話をしてくれたな。
作業机に向かっていると、去年の秋に屋久島でお会いすることができたお二人や、その時交わした会話が鮮明な印象として蘇ってくる。
あれからクリスマスも、お正月を越えて、季節は冬に。
冷たく張り詰めた空気のところどころに始まりの気配を感じながら、お二人の結婚指輪を作り始めている。
何気ない会話の中に、デザインのヒントのようなもに出会うことがしばしばある。
それがオーダーメイドならではの楽しさでもあるのだと思うけれど、お二人との相談会もとても貴重な時間だった。
それぞれに人を支える大切なお仕事をされているというお二人。
ふわりと春の陽気に包まれたような、優しい雰囲気の奥の方に強い芯のようなものを感じることができたのも、なるほど。
お二人の指輪作りのイメージをしっかりとキャッチできた瞬間があったように思う。
それは冷たく張り詰めた空気の冬からポカポカ陽光に包まれる春へと向かう、ちょうど今島で過ごしている季節のようなフィーリングではないだろうか。
強さと柔らかさと。
菜の花が咲いていることに気がついたのは、実は去年のクリスマス頃のことだった。
県道沿いにゆらゆら、北風に揺られている黄色い花に心和む。
空をかける犬みたいな。
冬の澄み渡る空気が好きだ。
さて、今日も作っている。
手前が彼女のリングで、金槌とヤスリを使ってプラチナの太さに抑揚をつけてある。
くるりとリング状になると、いよいよ始まったのだな、と緊張感に包まれる。
数種類のハンマーと数種類のペンチ、そのほかにも実にたくさんの工具を使い、小さなリングをキューッと圧縮させていくと、フラットに整えておいた面をぴたりと合わさった。
細やかな作業ではあるけれど、綺麗にできるとやっぱり嬉しい。
この喜びを積み重ねていくように、一つ一つじっくりとタッチを重ねていこう。
明日もまたジュエリー作りだ。
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