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月の満ち欠けのように、ルビーとゴールドを受け継ぐリメイクジュエリー制作編 #屋久島でつくる結婚指輪

ここ数日はノースの海に通いながらリメイクの作業を続けていました。

アトリエを出て夜明けのタイミングに海に到着するのですが、

その道中には空に日々少しずつ欠けてゆく月を眺めることもできました。

 

月の満ち欠けだったり、朝と夜のリズム、潮の満ち引きも。

いつもわたしたちをふわりと取り囲んでいるリズムのようなものを感じながら作業机に向う日々だったように思います。

 

最初は2本のリングだったイエローゴールドは高温の炎の中で溶かされプレートになり、それを加工して一つの小さなペンダントトップに姿を変えることができました。

元々リングにセットされていたルビーもセットするので、これで素材を全て受け継ぐことになります。

 

それにしても鉱物の時間は長いものですね。

私たちはそこに近づいたり離れたりをしながら密接に関わっているのかな、と思うと目の前にあるジュエリーが一層愛おしく思えてきます。

 

新月から満月へと向けて月が少しずつ光を取り戻していくみたいに、

リメイクの作業をすることによって少しの間使っていなかったジュエリーとの距離がまた近くなれば、何よりも嬉しく思います。

 

これからルビーをセットして完成となりますが、それままた別のお話で。

今までにはなかった新しいデザインは、もう少し先のお楽しみに!

 

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

屋久島サウスに咲いた桜, ルビーを抱くゴールドの月 #受け継ぐジュエリー #リメイク

 

 

1.5mm and 2.0mm square with hammered texture in platinum #屋久島でつくる結婚指輪

material: platinum
size: 2.0mm and 1.5mm

Delivery time is within 3 months.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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海とプラチナリング, お二人とオーダーメイドした結婚指輪の物語 #屋久島でつくる結婚指輪

海とプラチナリング, お二人とオーダーメイドした結婚指輪の物語 #屋久島でつくる結婚指輪

海の情景に溶けていきそうだった

お二人の結婚指輪。

 

波の音、手触り、ゆらめき。

島の暮らしでいつもどこかに感じている水に憧れてお作りしたプラチナリングです。

 

 

屋久島から12キロほどの距離にあるお隣の島。

口永良部からお二人が来てくれたのは、アトリエの庭先に山茶花が満開だった冬の頃でした。

屋久島-口永良部 アトリエの庭に咲いた山茶花に包まれて、結婚指輪の相談会でした #屋久島でつくる結婚指輪

 

やがて年が明け、冷たい空気の中で椿が花を咲かせ、

指輪作りの間には散歩道でレンゲに出会うこともできました。

そして激しく降り始めた雨が島に春の訪れを告げました。

 

ゆっくり手作業のリズムにお付き合いをいただきましてありがとうございました!

結婚指輪の造形作業が完了しました。幸せの始まり。#屋久島でつくる結婚指輪

 

大地や海が織りなす響きのようなものに触れることができると、心癒される。

お隣の島に暮らすお二人とは島のリズムで繋がっているように思うのです。

 

それはいつもがダイナミックな情景ではないかもしれません。

暮らしの中に出会うささやかな喜びを大切な人と分かち合うことができれば、日々は喜びに包まれます。

 

大好きな海で佇んだり、花や鳥たちに出会うみたいに、

手の中にふとプラチナリングの柔らかな輝きを感じていただけますように。

お二人の幸せな暮らしを想いながらお作りいたしました。

 

彼女の1.5mm幅。彼の2.0mm幅

同じスクエアシェイプのデザインです。

 

2本のリングを重ね合わせてみると、不思議。

もともと一つのものであったみたいに親しみを感じることができました。

雲を通り抜けてきた陽光を受けて万華鏡のようにキラキラと柔らかな輝きを放っています。

 

たしかに揺らぎや動きを感じるデザインではあるけれど、

とても静かな印象に仕上がったリングは、あるいはお二人に似ているのかもしれません。

 

それにしても、絶え間なく変化する表情が楽しくてついついずっと眺めてしまうのですよね。

いろいろな角度で、手にとってクルクルと回してみたり。

 

冷たいプラチナリングのはずなのに、手触りはとてもあたたかかった!

 

指輪が出来上がるのと時を同じくするように、屋久島に長い間佇んで雨を降らせていた雲は去り、本当に久しぶりの晴れ間が広がりました。

 

大切な記念日と、お二人のお名前と。

リングの内側にはとてもシンプルな言葉を刻印したのですが、

文字のデザインにはこだわりました。

 

このフォントもそうですし、お二人からのギフトがたくさんあった指輪作りだったような気がします。

ご一緒した日々もまた私にとっては大切な宝物です。

 

「結婚式などはしてこなかったので、指輪が出来上がってようやく結婚らしいことができたような気がします。」

お二人がそう伝えてくれたのがむっちゃ嬉しかった。

 

いよいよお二人の始まりですね。

これからもずっとよろしくお願いします。

 

楽しい指輪作りをありがとうございました!

ご結婚おめでとうございます。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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庭先のシロツメクサの傍でリングを眺めて、

このあとお二人がアトリエに来てくれたのですが、、、

 

桜の木の下で催した小さなご結婚をお祝い会は別のお話に。

また次のお楽しみに。

桜の木の下でお二人のご結婚をお祝いしました #屋久島でつくる結婚指輪 #撮影会

 

桜の木の下でお二人のご結婚をお祝いしました #屋久島でつくる結婚指輪 #撮影会

結婚指輪が出来上がって、お隣の島に暮らすお二人とお会いすることができました。

本当に久しぶりの晴れ間が広がった屋久島でした。

 

満開の桜を眺めながら、おめでとう!と握手をしてお祝いすることもできました。

素敵なご縁にありがとうございました!

お二人をこれからもずっと応援しています。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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屋久島サウスに咲いた桜, ルビーを抱くゴールドの月 #受け継ぐジュエリー #リメイク

いつもの公園に桜が咲きました。

屋久島サウスではいつもよりもずっと早い開花です。

 

ほんのりと、雅やかに、

和の美しさが大好きです。

 

リサイクルしたk18イエローゴールドはルビーを囲む石枠になり、

そしてその残りをさらに薄くプレートにいたしました。

糸鋸を使ってガリガリ、

かたどっているのは月の形であります。

 

桜も素敵ですし、やっぱり月も風流でいいですよね。

元々はお母様からのプレゼントだった指輪ですから、

母性を感じる月をモチーフにすることがとてもしっくりくるように感じたのです。

 

今日も昔ながらのリズムで、ゆっくりとリメイクの手仕事が進んでいきます。

 

そういえばちょうど新月から満月に向けて、これから月が満ちていくところです。

明日は久しぶりの晴れ間となりそうです。

 

 

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制作編

お母様からのプレゼント、大切な時間。2本の指輪をお預かりしてリメイクの作業を始めています #屋久島でつくる結婚指輪

お母様からのプレゼント、大切な時間。2本の指輪をお預かりしてリメイクの作業を始めています #屋久島でつくる結婚指輪

長くお使いだったジュエリーをお預かりして、リメイクの作業を始めています。

ころりと大きめのルビーをセットした指輪と、シンプルな指輪。

どちらもイエローゴールドで作られています。

 

たしかに、ジュエリーは形のあるものではあるけれど、

絆だったり、繋がりだったり、形を持たない大切な何かの印みたいに身につけることも多いように思うのです。

 

「指輪は最近つけなくなったけれど、母からの大切なプレゼントなのでネックレスにしてまたつけていたいと思って。」

2本のリングを手渡しいただいたのは、数年ぶりに大阪でお会いできた日のことでした。

 

これまでの時間を受け継ぐことができるように、イエローゴールドとルビーはリサイクルをしてお作りするのですが、

それでもやっぱりご依頼をいただくまでには思い切りが必要だったかもしれません。

 

ジュエリー作りを始めた頃からずっとありがとうございます!

大切なジュエリー作りをお任せいただけて幸せでいっぱいです。

 

作業が始まる前に今の姿をフレームに収めつつ、

いよいよ最初の第一歩です。

 

新しいジュエリーは母なるイメージでしょうか。

モチーフはすぐに思い描くことができました。

 

季節が熟していよいよ開花を迎える花のように、

世界に一つだけのジュエリーが生まれると思います。

喜びを分かち合いましょう。

 

 

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桜にまつわる素敵な物語。屋久島からお届けしたピンクゴールドの結婚指輪とベビーリング。#屋久島でつくる結婚指輪

桜の季節になると思い出します。

お二人とご一緒した結婚指輪づくりのことを。

 

ご家族はお元気かな?

屋久島からありがとう。

 

ジュエリーが出来上がって、お届けをして、

その後も長いお付き合いをさせていただけるのも結婚指輪作りの素敵なところだなあと思います。

 

 

たしかに、メンテナンスや新しい制作のご相談をいただくことの多いオーダーメイドのジュエリー作り。

そのようなタイミングでお二人にお会いできたり、近況をお伺いできたり。

まるでお二人の幸せを分けていただいているようで、

感謝の気持ちでいっぱいになります。

 

もう3年前になりました。

屋久島から海の向こうに暮らすお二人にお作りした結婚指輪には

桜の季節にまつわる素敵な物語がありました。

お二人がピンクゴールドを選んでくれたのも、桜との素敵な出会いでした。

彼のリングが2.6mm幅 彼女のリングが2.3mm幅 

ぴたりとお揃いのデザインです。

表面に流れるラインを施して、リング全体を緩やかにカーブさせるように、手作業でじっくりと仕上げました。

 

波のような、水の巡りのような、有機的な印象を感じるのは、

以前屋久島に暮らしていた彼女が抱いていた大切な印象だったのかもしれません。

 

指輪が出来上がって、お二人で屋久島に受け取りに来てくれたのも嬉しかったなあ。

結婚指輪作りにまつわる色々は宝物のような時間になって、今もまだ色褪せていないのです。

 

そして一年がすぎ、島には桜の季節がやってきました。

 

一年前は2本だったリングが3本に。

お子様が生まれた記念にと、ベビーリングの制作をご依頼いただいたのです。嬉し涙。

 

「ふっくらとして、コロリと可愛くて」と彼女が伝えてくれた赤ちゃんの印象がありまして、

一滴のしずくのような小さなリングをデザインしたのをよく覚えています。

 

表面に彫刻したシダの模様は、実はご両親のリングの内側にも彫刻されているのですよ!

 

せっかくの機会にと、前年にお作りしたお二人のリングをお磨き直しして、

ベビーリングと一緒に記念撮影。

新しい繋がりが育まれ、未来への希望が広がってゆく、

素晴らしい瞬間にご一緒させていただいた指輪作りでした。

 

幸せな時間をありがとう。

 

本当にいろいろなことがあるけれど、

それも含めて全部、

ご家族の暮らしにこれからもずっと指輪が寄り添っていますように。

 

きっとお子様も自然が大好きなのだろうなあ、と遠くを思うひと時。

またいつか屋久島でお会いできると嬉しい。

 

屋久島でつくる結婚指輪

 

 

 

結婚指輪のオーダーメイドは、わたくしが始まりからお届けまで、

お二人をサポートさせていただいております。

屋久島のアトリエにて、遠方の皆さまにはメールやお電話にて、

ご相談を承っておりますのでぜひお気軽にお声がけください。

 

サンプルリングやサイズゲージの貸し出しも承っておりますので、

こちらよりご連絡を頂けますと

細やかな対応をさせていただけるかと思います。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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海の向こうのお二人に、オンラインでオーダーメイドのご相談を承っております。

 

屋久島のアトリエにて、結婚指輪の相談会を承っております。

 

お二人だけの結婚指輪が出来上がりまでの流れ、素材、価格

 

インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

 

2.3mm and 1.7mm-2.6mm wave ring in platinum #屋久島でつくる結婚指輪

material: platinum
size: 2.3mm and 1.7mm-2.6mm

Delivery time is within 3 months.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

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プラチナと菜の花と。立春の日、屋久島からお二人にお届けする結婚指輪のお話 #屋久島でつくる結婚指輪

お選びいただいたジュエリーのメンテナンス、お修理につきまして #屋久島でつくる結婚指輪

Kei Nakamura Jewelleryでは、お選びいただいたジュエリーを永く美しくご利用いただくために以下のアフターサービスを用意しております。

・磨き直し(ポリッシング)、仕上直し(表面加工のリフレッシュ)お渡しから無期限、無償にて対応。(送料のみご負担いただきます。)
・サイズ交換(調整) お渡しから1年以内、無償にて対応。(送料のみご負担いただきます。)
・チェーン切れ、その他消耗に対する部品交換 有償にて対応。

 

ご購入いただいたKei Nakamura Jewelleryの作品の修理や点検につきましてはメールかお電話にてお問い合わせください。hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

 

日々の暮らしの中で指輪できる小さな傷は、お二人が過ごしてきた時間の証のようで愛おしく感じることもあります。

けれども、表面に磨きをかけるとまた元通りの輝きを取り戻すところも金属の素敵な特徴だと思います。

 

長くお使いいただいて、お磨き直しをして、また長くお使いいただく、

そのようなリズムを繰り返すうちにジュエリーは味わいを増してゆきます。

 

長い時間もまた一つの装飾となり、ジュエリーは世界に一つだけのになるのかもしれません。

 

実は、お選びいただいたジュエリーが日々味わいを増してゆく時間に、このようなメンテナンスの作業を介してお付き合いをさせていただけることも私自身の楽しみになっているのです。

 

ジュエリー作りを行っている間は、わたし自身の手でメンテナンスの作業をさせていただきますので、何かあればぜひお声がけいただけると嬉しいです。

 

お預かりしてからは数日か一週間ほどでリフレッシュしたジュエリーをお返しすることになりますが、どんな作業をしているのかは確かに気になるところではありますね。

 

今日はちょうどお預かりしていた2本のリングのお話を。

左側が彼女のプラチナ。右側が彼のシルバー。結婚指輪にとオーダーメイドのお声がけをいただいたリングです。

今回は彼のリングのサイズお直しをご依頼いただいて、久しぶりに屋久島に里帰りとなりました。

 

彼のリングはサイズお直しを完了して、表面を磨き直してマットな質感に整え、仕上までげを終了しています。

 

「せっかくなので、彼女のリングも一緒に送ってください。お磨き直しやりますから!」とお伝えして同封いただいたプラチナリング。よく見ると表面に小さな傷がたくさんついているのがわかりますか?

 

暮らしの中でお使いいただくものですから、お仕事だったり家事だったりで、リングは特に経年の変化を反映しやすいように感じます。

 

でも、大丈夫。お任せください。

彼女のリングも紙やすりを使って、荒い番手から細かい番手へ、ざっとお磨き直しをしてまいりますよ!

 

どうでしょう。つるりとした表情が現れました。

数年前の質感に戻った感じでしょうか。

リフレッシュできてわたしも嬉しい。

 

小さな傷は全て消えているのですが、大きめの傷はあえて残すように仕上げたのも良かったなと思っています。

リングについた傷もまた、お二人が歩んだ時間の印のようなものですからね。

 

これからもどんどん味わい深くなってゆきますように。

ずっとお手伝いさせていただけると最高です。

 

指輪をお届けして、お二人がご結婚されてもう4年が過ぎたのか。

ほんと色々あり過ぎて濃密な日々だったな。

こんな時だからこそ大切にしたいお付き合いがあるなと、最近はしみじみ思います。

いつも本当にありがとう!

 

そしてリングは海を渡りお二人のもとに。

いつかまた、忘れた頃にお磨き直しのご連絡をいただいて、近況なんかをお伝えいただけると、とても嬉しい!

 

金属で作ったリングは私たちよりもずっと長くあり続けるのだからすごいです。

金属の長い時間軸を思うと果てしない気持ちに包まれます。

今こうしてお二人に出会えた奇跡に感謝します。

 

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シンプルラウンドシェイプの結婚指輪を作りました。春と指輪と、始まりの予感。

結婚指輪の造形作業が完了しました。幸せの始まり。#屋久島でつくる結婚指輪

雨の日が続いている。

秋の終わりから真冬にかけては案外青空の広がる乾いた日が多いので、この湿度を体感すると「ああ、ここはやっぱり屋久島なのだなあ」と認識を見直すことになる。

 

庭先では小さくて白い花がぽつりぽつりと咲き始めた。

木々には黄緑色をした若葉を見ることができる。

島はこれから長くて深い雨の季節を迎えることになる。

 

 

島に暮らすようになって、季節が近い、というよりかは自分自身もその一部分であるように感じるようになった気がする。

2月になれば2月の花が咲いてその花をかたどってジュエリーを作ることは、あるいはとても当たり前のことなのかもしれないな、とも思う。

旬を扱うのは料理もそうだけれど、魚もまた季節を伝えてくれるのだろうなあ、と隣の島でのお二人の暮らしを想う。

 

屋久島と口永良部島をつなぐ結婚指輪作り。

本当に不思議な巡り合いだと思う。

けれどもそこに何か強い結びつきのようなものを感じながら。

海とプラチナリング、お二人との繋がりについて #屋久島でつくる結婚指輪

 

さて、今日も作っていこう。

12月のアトリエでお会いして一緒にイメージしたお二人の結婚指輪だったけれど、

実際にプラチナリングという質量を持って、叩き模様を施してデザインされ、いよいよ形になる時がやってきた。

 

これから毎日手にしていただく指輪だ。エッジを効かせたスクエアシェイプのデザインではあるが、ここは手触りを一番大切にしていきたい。

リングの内側はつるりと丸くしておく。

最初は鉄鋼ヤスリで大きく削り落とし、サンドペーパーを徐々に細やかにしながらスムーズな曲面を作っていく。

 

作り手にとっては出来上がりではあるけれど、お二人にとっては始まりになるのだから、

日々が快適になるようにフレンドリーなつけ心地をここにしっかりと残しておきたい。

 

きっとこの先何十年もお使いいただくことになるだろう。

いつもよりも長い時間を感じながら作業のタッチを進めていく。

作業台の上に散りばめれられたプラチナの小さなかけらがキラキラと輝いて綺麗だった。

 

内側の後に側面を紙やすりで磨き上げていくと、端正なフォルムが手の中に現れた。

生まれたての小さなプラチナリングである。

 

 

日々の中でお使いいただく指輪は使ううちにどうしても小さな傷がついてしまったりするけれど、

このようにして磨き上げると同じ質感や輝きを取り戻すことができるので、記念日や何かのタイミングで時々メンテナンスをするとリフレッシュできるだろう。

ジュエリーが出来上がってこの先もずっと長いお付き合いができるのもオーダーメイドの素敵なところだと思う。

 

指輪の造形作業は無事に終えることができた。美しく着地できたように思う。

これからリングの内側に刻印を施してお二人が島に来るタイミングに合わせてお渡しすることになるだろう。

 

お二人から届いたメールに夏に新しい家族が増えると書いてあった。

何よりも嬉しいメッセージだ。

ご家族との幸せな繋がりは実は今始まったばかりなのだ。

 

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海とプラチナリング、お二人との繋がりについて #屋久島でつくる結婚指輪

リングの表面に金槌で装飾を施す大切な日。

ずっと雨が降り続いていたのもあって、アトリエに篭っていつかの海の情景に思いを巡らせながら。

 

海の優しさも、決して及ぶことのできないその圧倒的さも好きだ。

 

リングは鉄の芯金に当てておいて、その表面を金槌で打ち付けていく。

もうこれ以上出せないくらいのありったけの力を込めて、一打。

プラチナがスタンプのように小さな平面をつくる。

そしてその小さな平面に重ね合わせるように、ピンポイントで狙いをつけてまた次の一打を振り放つ。

時計の12時の位置、その次は6時の位置、くるりと裏返して、出来るだけ均一な力を与えていく。

平らだったプラチナリングにはいくつもの角度を持った小さな面が与えられ、万華鏡のように立体的な輝きを放ち始めている。

 

プラチナはとてもしなやかな金属である。

力を入れて叩くのに合わせてリングのサイズも少しずつ大きくなっていく。

叩き模様がリングの表面を埋め尽くす時に、彼女の9号サイズよりも少しだけ小さいところにぴたりと着地できるようにうまく呼吸を合わせることが、この作業で一番のチャレンジだったように思う。

 

とても濃密ではあったけれど、短い時間だったのかもしれない。

無事に一連のタッチを終えることができて、アウトラインに生じた歪みを側面からハンマーで叩いて真っ直ぐに戻しているところだ。

 

水はその形を止めることがないのが美しいところではあるけれど、

その一瞬をリングに留めることができると嬉しい。

 

小さな島で海ととても近く暮らしているお二人だ。

きっとどんな時も水の音をどこかに聞いているに違いない。

 

海を眺めて大切な出来事を思い出すように、

お二人のこれまでと、これからが印にようにリングにも刻まれていく、

あたたかで希望に溢れる未来を思い描いている。

 

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制作編

水のゆらめきに憧れて。すっきり細身、お揃いのプラチナリング作り #屋久島でつくる結婚指輪

水のゆらめきに憧れて。すっきり細身、お揃いのプラチナリング作り #屋久島でつくる結婚指輪

散歩道には蓮華が咲いていたし、朝露も春特有の潤しさを纏い始めている。窓を開くとふわりと緩んだ空気がアトリエに漂ってきて心地よい。

それにしても南の島ならではの早い春である。

 

宝石を纏っているみたいにキラキラだった朝に癒されて一日の作業を始めることにした。

 

 

屋久島から12キロ先の島に暮らすお二人と同じ季節を分かち合いながら結婚指輪を作っている。

音、手触り、ゆらめき。島の暮らしでいつもどこかに感じている水に憧れて。

プラチナとゆらめきと。水にまつわる結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪

 

さて、アトリエです。

お二人が選んでくれたのはぴたりとお揃いのデザインである。

すっきりと細身のプラチナリング。ゆらめきの装飾。

シンプルであるが故に、そこには印象的な雰囲気が生まれる可能性が大きくなる。

手作業の確かさがジュエリーに個性のようなものを与えるのだと思う。

 

くるりと巻いたプラチナはお二人のサイズに合わせてその両端をカットした。

今回の指輪作りのために配合をしたプラチナはとても硬い。

 

リングの両端をぴたりと合わせて高温の炎に包んで繋ぎ合わせる。

炎を扱う大胆さはもちろん必要ではあるが、なにしろとても小さく繊細なリングである。

足元を確かめながら夜道を歩くように、注意深くタッチを進めなくてはならない。

 

作業の合間には目を休めるために遠い空を眺めた。

何もないのがここでの暮らしの素晴らしさでもあるように思う。

 

2本のプラチナリングは鉄鋼ヤスリを使って表面にある荒をざっと削り落として、一日の終わりには端正なフォルムに整えることができた。

その佇まいを作業台の上に眺める。

まだまだ土台ではあるけれど、その内側にはこれから造形するべき姿を見ることができた。

わたしたちが一緒に作り上げたイメージが形になるつつあることが実感できて喜びがこみあがてきた。

 

思い出してみると小さな作業机の上では実に色々な出来事が起こっていて、その度に一つ一つハードルを越えていくような一日ではあったけど、金属を扱う手作業はまるで生き物と対峙しているようで面白い。

作業はとてもスムーズに流れている。

指輪作りはもう中盤といったところだ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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