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自然と暮らし、共鳴する結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

朝の庭先には朝露が散りばめられ、まるでキラキラ輝く宝石箱を開けたようだった。

ここ最近、屋久島サウスでは夜の冷え込みがずいぶん強くなってきた。

けれども、日中は汗ばむほどに暖かいのは、この島特有の気候なのかもしれない。

 

「そういえば、お二人が暮らす京丹後は、もうずいぶん涼しくなってきているだろうな」

海の向こうに想いを馳せながら、新しい制作の準備に取り掛かっていた。

 

お二人のために用意したのは、プラチナとイエローゴールドの細い線だ。

プラチナも、イエローゴールドも、品の良い輝きを纏っている。

緑の中で眺めていると、それぞれの金属同士が響き合い、島の情景と美しく調和しているように感じられた。

 

 

作業場に戻り、指輪作りに取り掛かる。

プラチナとイエローゴールドをローラーにかけ、目当ての厚みになるまで丁寧に伸ばしていく。

朝眺めていた若草のように細い金属を扱うデリケートな作業だ、一つ一つのタッチを慎重に進めていかなければならない。

 

お二人が暮らす京丹後は、山深い自然に囲まれ、海までも近い場所にある。地元では野菜や魚介類が豊富に収穫され、彼はその食材を使ってピザを焼くお仕事をしている。

季節の移ろいの中で手を動かし、日々を過ごす姿が、どこか島の暮らしと重なるように感じられ、なんだか嬉しくなる。

 

まだ電話でしかお話ししていないお二人だけど、仲間のような繋がりを感じながら、心強い気持ちで作業机に向かっている。

一緒にイメージしてきたリングの姿が、これから数日間をかけて、ここに生まれようとしている。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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