春の柔らかな風の中で、お二人の結婚指輪を眺めました。
ピンクゴールドとプラチナ。波の音。
響き合う。
寒さに澄み渡る屋久島の情景に、指輪作りの間はずっと癒されていました。
お二人と屋久島でお会いできる春の日を思い、静かに胸を高鳴らせながら。
海や山、空が出会い、織りなす色彩のグラデーションが大好きです。
季節の移ろいに感じる喜びも、そうかもしれません。
島に暮らしていると、幾つもの個性が響き合う時間に、力強く、そしてどこまでも繊細な美しさを感じます。
私たちの出会いもまた、それに似ているのかもしれないな、と思うのです。
南の島にしては珍しく長く続いた冬が、終わりを告げました。
出来上がったリングを持って、いつものビーチへ。
春の霞に包まれた、素敵な夕暮れ時でした。
k18 ピンクゴールドとプラチナのコンビネーションリング。
その境界線は、斜めに交差するようにつながっています。
リングの表面は、つるりと丸い。
それでも、柔らかすぎない印象なのは、側面をすっきりフラットに仕上げているからでしょう。
リング幅は、彼の2.2mmと彼女の2.0mm。
サイズが違うだけで、あとはお揃いのデザインでお作りいたしました。
そっと重ね合わせてみると、リング全体を包む柔らかなカーブが重なり合い、そこに、小さな結びつきのようなものが生まれるのを感じました。
洗練された上品さを持つプラチナ。
夕暮れ時の淡い光のような温もりを持つピンクゴールド。
小さなリングは、ピンクゴールドにも見え、プラチナも見えます。
重なり、響き合う二本のリングは、同時にひとつでもあります。
あるいは、お互いが違っているからこそ、響き合い、補い合えるのかもしれません。
そこに生まれる新しい時間は奇跡のようで、まるで一輪の美しい花のように思えます。
昼と夜が出会う時間が訪れました。
手のひらに乗せてみると、淡い赤色をした陽光がリングを包み込みます。
それに呼応するように、ピンクゴールドとプラチナが、優しく輝きを放ちます。
待ち望んでいた結婚指輪の完成が、お二人の新しい時間の始まりを約束しています。
体に、そして暮らしに、柔らかに寄り添う指輪が生まれたように思います。
いつもここにある、屋久島にありがとう。
お二人との素敵な出会いにありがとう。
お二人とお会いする頃には、島はきっとずいぶん暑くなっているだろうなあ。
新緑にワクワクする季節だし、海遊びだってできるかもしれない。
そして、お二人がアトリエに来て初めて目にする、秘密の装飾もある。
指輪作りの物語は、まだもう少し続くのでありました。
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