アトリエの庭先に、数ヶ月ぶりのハイビスカスが咲き始めている。
3月も後半に差し掛かり、雨の日も増えてきた。
木々の緑は一段と色鮮やかで、瑞々しい。
窓を開け放つと、一瞬にして温かく湿った空気が満ちていく。
大好きな屋久島の香りに包まれながら、少しずつ、新しい指輪作りを進めていた。
ぽつりぽつり、雨音のそばで作業を行う時間に、いつも癒される。
さて、
1.5mmの細いプラチナ線を使い、リングの土台部分を組み立てている。
繊細なデザインにフィットするよう、硬く配合したプラチナだ。
作業の初めには、ローラーで丸い線を楕円形に圧縮し、リングの形状を整えた。
そのリングの表面に、凹状のカーブを12箇所、等間隔に削り出す。
そこに1.3mmにカットした小さく丸い線をつなぎ合わせていく。
一つ一つ。時間をかけながら、同じ作業を繰り返していく。
心静かに、端正なタッチで。
派手な動きはないけれど、根気のいる作業だ。
ルーペとピンセットを片手に、
およそリングの半分ほどに小さく丸い線をつなぎ合わせたところで、2日と半分が過ぎていた。
小さなリングではあるけれど、そこに注ぎ込まれる熱量と時間は大きい。
宝飾品を作り出す作業とは、そういうものである。
雨が止んだタイミングに作業の手を止めて、
庭先で大きく育ってきた紫陽花の葉を眺めた。
開花まではあと数ヶ月かかるだろう。
ブルー、マゼンタ、紫、、、
雨の屋久島に静かに和む、その雅やかな色彩を思い浮かべながら、ひとり胸を高鳴らせていた。
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