シダの葉とツワブキの花。
屋久島の大好きをモチーフにして、婚約指輪と結婚指輪をお仕立てしました。
緑の中でそっと重ね合わせてみると、そこに静かなぬくもりが響きました。
おふたりと大切な想いを分かち合えた幸せな日々に、心からありがとう。
遠くサンフランシスコから海を渡り、屋久島を訪れたおふたりにお会いしたのは、アトリエに藤の花が咲き始めた4月の終わりのことでした。
5月になると白い百合が咲き、雨の季節が訪れ、島は紫陽花でいっぱいになりました。
やがて散歩道にハマユウの姿を見かけるようになったころ、指輪作りが始まりました。
台風が接近し、激しい風雨に包まれた制作の日々も、今となっては大切な思い出です。
海を越えて、遠く離れた場所に暮らしているのに、おふたりとはどこか親密な近しさを感じるのが、とても不思議です。
植物にそっと手を触れたり、森の澄み渡る空気を深呼吸したり、夕暮れ時の浜辺をただ歩いたり、
日々の暮らしの中に出会うささやかな喜びを大切に想う、そのやわらかな絆のようなものに支えられながら作りました。
大好きな植物を摘んで、指に纏うように。
出来上がった3つのリングは、自然から生まれたフォルムであり、同時に、おふたりを繋ぐ神秘的な“響き”であるのかもしれません。
シダのモチーフでつながる結婚指輪。
彼女のリングはプラチナとイエローゴールドのコンビネーションでお仕立てしました。
葉っぱをかたどったリングが、緑の中で軽やかに、麗しく佇んでいます。
彼のリングは、しっかりとしたフォルムで、力強い。
イエローゴールドで繋がりを持たせ、表面に一本のシダの模様を深く彫り込むと、そこに素敵なつながりが生まれました。
夏の深い色彩の中で、小さなリングからは、いきいきとした響きが伝わってきます。
今、島ではハイビスカスが満開です。
お花のリングと一緒に手の中で重ね合わせてみる。
すると、そこに小さな屋久島が生まれたようで、心ときめきました。
細いゴールドの線とプラチナの組み合わせは、どこまでもシンプルで心地よい。
ハイビスカスの生垣を抜けて届く朝の光を受け、イエローサファイアが静かで落ち着いた輝きを纏っています。
重ね合わせたり、ひとつでつけてみたり、少しバランスを変えてみたり。
なんだか庭先の植物を眺めているようで、日々の装いが楽しくなりそうですね。
移ろいゆく季節が育む豊かなリズムのように。
おふたりの暮らしにやさしく寄り添う指輪となれば、何よりも嬉しく思います。
島はまだまだ暑い日が続いていますが、
その中にふと涼やかな風や、愁を帯びた色彩に出会うようになりました。
ナスやオクラを大切にいただきながらも、かぼちゃの煮物が美味しく感じられるこの頃です。
そういえば、最初にメッセージをいただいたのが冬だったので、指輪がおふたりのもとに届いてしばらくすると、一年がめぐることになるのでしょうか。
巡りゆく季節のように、いつも新鮮で、そしていつまでも変わることなく、お互い暮らしていけると素敵ですね。
ご結婚おめでとうございます!
屋久島から、抱えきれないほどの祝福をおふたりに。
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