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儚さと、永遠と。イエローゴールドでつくる葉の指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

硬くて無機質だった金属のプレートに、少しずつ手触りと温度が宿り始めている。

焼きなまして柔らかくしたゴールドを、金槌で何度も強く叩き、表面に無数の凹凸を刻んだ。

 

儚さと、永遠と。

植物の柔らかな手触りを、どれだけ金属に映し出せるだろうか、というのが、ジュエリー作りにおける大きな興味であるように思う。

 

 

草花を摘んで纏うように。

屋久島と、大好きな植物でつながる、おふたりの婚約指輪作り。

癒しのとき。緑に包まれる婚約指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

森を歩けば、いきいきとした色彩や造形、多様な生命にふれ、実に大きなインスピレーションを授かる。

足元に佇む葉の繊細で美しいフォルムを眺めていると、ついジュエリーのことを想像してしまう。

そっとその緑に触れてみれば、なんとも優しく、そして力強い手触りが伝わってくる。

 

すべてにはかたちがあり、同時に幻でもある。

島の森で過ごす、まるで夢のような時間を思い出しながら、今日も作業机に向かっている。

 

k18イエローゴールドのプレートに小さな穴をあけ、そこへ糸鋸の歯を通し、ガリガリと上下させる。

鋸刃の動きと角度を一定に保ちながら、プレートを動かすようにして、葉っぱの輪郭を切り出しはじめた。

 

もちろん、植物の繊細でやわらかな表情を表現するためには、テクスチャーだけではなく、そのフォルムによるところがとても大きくなってくる。

植物が持つ無垢な滑らかさを意識しながら、できるだけその動きを止めないように、葉っぱをひとつひとつ、根気よくタッチを重ねていく。

 

裏側になる部分をたしかめながら、しっかりとした強度が生まれるように金属の余白を残しておく。

 

切り出すたび、ゴールドの細かい破片がキラキラと散らばっていった。

 

朝のうちに、ひとしきり雨が降った。

太陽の光に包まれながら降り注ぐ、祝福のような明るい雨。

 

作業をひと段落させ、夕暮れ時に海の見える丘までドライブをした。

空には夏の雲と秋の色彩が重なり合っている。

波のざわめきや虫たちの声が響いているはずなのに、不思議とどこまでも静かなひとときに、体も心も癒された。

 

今日も屋久島にありがとう。

 

きっと明日も良くなる。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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tel: 0997-47-3547

屋久島からお二人へ、オーダーメイドで結婚指輪をお届けしています #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島からお届けするオーダーメイドの結婚指輪、お二人の素敵な物語と。

 

 

屋久島のアトリエから皆さまへ。

 

オーダーメイドの結婚指輪作りは、お二人とご一緒させていただきながら、ゆっくりと時間をかけた手作業となりますが、末長くご愛用いただけるよう、心を込めてお作りしています。

 

海の向こうに暮らすお二人とは、メールやお電話でデザインのご相談を重ね、サンプルリングをお送りして、大切な指輪作りのサポートをさせていただいています。

もちろん、屋久島のアトリエにお越しいただき、直接ご相談いただくことも大歓迎です。

 

 

屋久島の季節に包まれて、

穏やかな心地でお作りした結婚指輪です。

昔ながらの手作業で、じっくりと丁寧に仕上げました。

 

お二人の暮らしに、ずっと寄り添ってくれますように。

生産と品質

糸鋸で金属の板や線を切り出し、コンコンと金槌で叩き、曲げ、火を当てて、また叩く――マリッジリングの制作は鍛金という技法によって一点ずつ丁寧に進められます。

 

制作開始から完成までの期間は約2ヶ月。

その間に、何度も細かな調整を行いながら、理想の形を追求します。

デザインの打ち合わせが1ヶ月で完了した場合、合計約3ヶ月でのお届けとなります。

挙式の日程などが既にお決まりの場合は、ご指定の納期にできる限り対応させていただきますので、前もってご相談いただけると幸いです。

 

price

Kei Nakamura Jewelleryでは、皆さま一人ひとりのお好みに合わせ、最高のジュエリーをご提案させていただいております。

お二人のライフスタイルに寄り添った、かけがえのないマリッジリング作りをお手伝いします。

オーダーメイドの指輪作りでは、使用する金属の種類や重さ、デザインの複雑さによって、指輪の価格が変動いたします。

同じデザインでも、シルバーよりもプラチナの方が高価になりますし、同じプラチナを使用しても、繊細なデザインの方が重厚なデザインよりもお手頃な価格になる傾向があります。

 

ご予算にあわせて、お好みのデザインや素材を重視して、などお二人のリクエストに合わせたご提案、制作を承っております。どうぞお気軽にご相談ください。

参考価格
silver ring 2本で¥120,000より 平均¥180,000程度
gold ring, platinum ring 2本で¥180,000から¥450,000 平均¥350,000程度

 

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長くお使いいただいて、お磨き直しをして、また長くお使いいただく、

そのようなリズムを繰り返す中で、ジュエリーはより味わいを深めていきます。

 

時間の経過そのものが一つの装飾となり、ジュエリーは世界に一つだけのものになるのかもしれません。

 

実は、お選びいただいたジュエリーが日々味わいを増してゆく時間に、メンテナンスという形で関わらせていただけることが、わたし自身の大きな楽しみでもあります。

 

わたし自身の手で、心を込めてメンテナンスの作業をさせていただきますので、何かあればぜひお声がけいただけると嬉しいです。

 

 

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インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

 

 

オーダーメイドジュエリーのカタログはこちらから

 

癒しのとき。緑に包まれる婚約指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

緑に包まれる時間は、屋久島に来て初めて出会ったものかもしれない。

森の中や散歩道の傍らで、シダの葉がまるで発光するように、深く鮮やかな緑色を纏っている。

暮らし始めると、いつの間にか当たり前になっていたけれど、

よく考えてみると、この癒し感はやはりすごい。

気づかぬうちに、安らぎに包まれ、励まされているように思う。

 

そういえば、子供の頃にはよく、草花を摘んで遊んでいたものだ。

島の緑に触れていると、あの頃の新鮮な気持ちが蘇ってくる。

 

草花を摘んで纏うように。

きっと、おふたりとは、同じ気持ちでつながっているに違いない。

宝石のように煌めく気持ちを大切に抱きながら、新しい制作を始めている。

 

それは、わたしたちにとっての、心の指輪作りなのかもしれない。

 

作業台の上に並べた、k18イエローゴールドの地金とダイヤモンドが、今回の指輪作りの素材となる。

イエローゴールドは、1mmのしっかりとした厚みを持つ板と、細い棒状のものがあり、

ダイヤモンドは3.0mmと大粒で、できる限り品質の高いものを選んだ。

 

この硬く冷たい鉱物に、手触りを与えていく。

おふたりが紡ぐ物語が、そのをフォルムを育む温度となってくれる。

 

イエローゴールドのプレートをガスバーナーの炎に包み、ゆっくりと温度を上げていく。

これからの作業を容易にするために、金属を焼きなまし、やわらかくしておくためだ。

 

ゆっくりと、そして確かに。

いよいよ指輪作りの第一歩を踏み出した。

 

静かな光に包まれ、芽吹く若葉のように、祝福に満ちたジュエリーになればいいと思う。

新しく始まったご家族の暮らしに、ささやかな癒しを添えられたなら、どんなに素敵だろうと思う。

 

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リングをつくり終えた夕暮れ時に #屋久島でつくる結婚指輪

長く続いたリングの造形作業がひと段落したのは、庭先の光がオレンジ色に染まり始めた夕暮れ時のことだった。

日中の熱気もようやく落ち着き、アトリエには凪のような静けさが広がっている。

暗くなるまでは、あと少し時間がありそうだったので、リングを持ち出し、ハイビスカスの側でゆっくりと完成したフォルムを眺めていた。

 

彼のリングをそっと薬指につけてみると、あたたかな喜びに包まれた。

2.3mm幅ですっきりと繊細な印象ではあるが、シャンパンゴールドの確かな重みが伝わってくる。

木漏れ日を受け、表面に刻んだラインに沿って、やわらかな陰影が浮かび上がっている。

 

二本のリングを重ね合わせながら、おふたりとこれまでご一緒してきた指輪作りの日々を、何気なく思い出す。

 

ありがとう。

 

ただただ、そのシンプルな言葉だけが心に浮かび上がってくる。

 

ふと見上げると、空がとても澄み渡っていて、

「これは」とひらめきのような気持ちに駆られ、海に出かけることにした。

サンセットタイムに、なんとか間に合いそうだ。

 

アトリエから車を10分ほど走らせ、いつものビーチに向かう。

車窓の向こうには、神話の世界に現れそうな雲が、放射状の光をまといながら、わかるかどうかというほどのゆるやかな速さで流れていた。

 

いつものビーチに到着したとき、時計の針はちょうど6時15分を指していた。

ずいぶん日が短くなってきたけど、ビーチにはまだ夏の香りが漂っていて、海にかかる太陽の煌めきを眺めていると、なんだか胸の奥にぐっと響いてきた。

 

リズムに乗っていこう。

 

海や花、そして季節。島に巡る時間を享受しながら作り上げた、おふたりの結婚指輪だ。

そのリズムのようなものを、できるかぎりシンプルなかたちに造形することができたように思う。

 

おふたりに早く手に取っていただきたいという、はやる気持ちはあるけれど、

それはもう少し先のお楽しみだ。

 

これからリングの内側に刻印を施し、磨き仕上げをして、いよいよ完成を迎える。

その続きは、別のお話にしよう。

 

 

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制作編

夏の余韻、シャンパンゴールドの手触り #屋久島でつくる結婚指輪

夏の余韻、シャンパンゴールドの手触り #屋久島でつくる結婚指輪

漂い始めた秋の気配の中に、まだしっかりと暑さの余韻が残っている。

島の夏は、とても長い。

 

今日もまた、日差しが強くなりそうだ。

夜明けの空に浮かぶ入道雲を見上げながら、涼しさの残る散歩道をゆっくりと歩いていた。

 

夜の間には雨が降ったようで、植物たちは無数の雫を抱いていた。

その煌めきを落とさぬよう、息を潜めるようにして見つめる。

木々の合間から差し込み始めた陽光を受け、キラキラとダイヤモンドのように輝く世界に身を置いていると、

「さあ、今日も作っていこうか」と、元気をもらえたような気がした。

 

2階のアトリエまで上がり、作業机の上を眺めると、昨日の作業を終えたまま、二本のリングが並んでいた。

彼のリングは細部までしっかりと造形されている。

じっくりと確認してみたが、何度見ても、これ以上削り出す必要がないほどに均整が取れているように思われた。

 

細かい磨き上げの作業は後に回すことにして、この感覚が手の中に残っているうちに、彼女のリングを削り出すことにした。

 

まず角ばったリングの表面に、極細のマジックで大きなカーブを描いていく。

緩やかな波がリングを巡るように、そして彼のリングと同じリズムを奏でるように、細心の注意を払いながら線を走らせた。

このマジックで描いた線が切削作業のガイドラインになるので、実のところ、とても大切な工程だったりする。

 

コンピューターを使わず、手の感覚に全てを頼る作業ではあるが、それによって生まれる有機的な手触りを、わたしはとても気に入っている。

 

夢中になっていたので気づかなかったが、どれくらい時間が経ったのだろう。

リングの表面に斜面が生まれ、しっかりとしたラインが現れるまで、休むことなく手を動かし続けた。

ここでようやく作業を止めて、一呼吸。

リングを庭先に持ち出し、太陽の光の下でそのシルエットをチェックすることにした。

 

彼女のリングは、幅をできるだけコンパクトにし、繊細に仕立てている。

斜面の角度が急になりすぎないよう、丸みをつけて削り出したフォルムは、これまで彼女とテストを重ね、共に抱いてきたイメージによるものだ。

 

思えば、この夏を丸ごとおふたりと歩んできた指輪作りだ。

作業は終盤に差し掛かり、秋の気配も漂いつつあるけれど、大切に、じっくりと進めていこう。

 

ハイビスカスの花びらを透かして届く西陽がリングに落ち、シャンパンゴールドが静かに煌めいていた。

 

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制作編

シンプルなフォルム 時間との調和 #屋久島でつくる結婚指輪

 

 

響き合う想い。屋久島からお届けする小さな月のネックレス” #屋久島でつくる結婚指輪

海の月ネックレス

お名前と響き合うように、大切な記念のジュエリーをお選びいただきました。

 

屋久島の海からいただいた貝殻とイエローゴールドを組み合わせた、小さなネックレスです。

チェーンはいつもよりも少し太くして、オーダーメイドでお仕立ていたしました。

 

海と月と。

島で暮らし始めてから、そのリズムがとても近しく感じられるようになりました。

 

ふとしたとき、何気なく空を見上げると、そこに月が輝いている。

それだけで、なんだか幸せな気持ちに包まれます。

 

それは、はるか昔から変わらず、わたしたちが抱き続けてきた大切な想いなのかもしれません。

 

月の大きさは約7mm。

裏側にイエローゴールドを合わせてあるので、手に取ると、しっかりとした重みと手触りが伝わってきます。

 

夜光貝は貝殻の個体や切り取る場所によって色彩が大きく異なるのですが、

今回、本当に素敵な表情に出会うことができて、とても嬉しい。

 

夕暮れ時の光にかざし、ゆらゆらと角度を変えてみる。

そのたびに放たれる、その世界に一つだけの輝きに、わたしも思わず魅入ってしまいました。

 

大切なプレゼントにお選びいただき、本当にありがとうございました。

ネックレスはケースに収め、リボンを巻いて梱包いたしました。

お手元に届く頃には、ちょうど三日月が空に浮かんでいるかもしれません。

 

秋の空に眺める月あかりのような、あたたかな喜びが広がりますように。

 

屋久島サウスのアトリエから、

素敵なご縁に、ありがとうございました。

 

海の月ネックレス 18k yellow gold, island shell

 

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シンプルなフォルム 時間との調和 #屋久島でつくる結婚指輪

おふたりとともに紡いできたイメージが、少しずつ確かな形を帯び始めている。

鉄鋼ヤスリで粗く削り落としたシャンパンゴールドの質感は、しっとりと麗しい。

 

リングを作業机に置き、さまざまな角度から眺めてみると、そこには幾つもの異なる表情が浮かび上がっていた。

 

ベーシックなストレートのアウトラインではあるが、側面から伸びる傾斜が重なり合うポイントが移ろい、水面をたゆたう波のようにおおらかなラインを描いている。

それは、大好きな海と月のリズムであり、同時に、島の暮らしの中で出会う季節や天候、そして時間の巡りでもある。

 

限りなくシンプルなフォルムの裏側には、どこまでも複雑で壮大な調和のようなものが息づいていることを、島の自然に学んだのは、自分自身でもとても意外なことだったように思う。

 

この小さなリングの中に、流れゆく水のように滑らかな時を宿すために、精緻な細工を重ねてゆかなくてはならない。

 

雨上がりのひととき。

久しぶりに空に虹を眺めた。

 

ここにあることがあたりまえのように感じられるようなリングになればいいと思う。

 

シンプルを、特別に。

憧れはいつも自然の中にあって、そのような想いをゆるやかに分かち合いながら、おふたりと繋がっているのかもしれない。

 

気がつけば、小さな作業机の前に座り、一日のほとんどを過ごしていた。

目の細かい鉄鋼ヤスリに持ち替え、同じようなタッチを何度も何度も繰り返していく。

シャンパンゴールドの破片が作業台の上に散らばり、デスクライトの光を受けて繊細な煌めきを放っていた。

 

ちょうど作業が一区切りついたところで手を止め、窓を開け放つと、九月も半ばに差し掛かろうとしているというのに、もわっとした暑気が入り込んできた。

山際には大きな入道雲がゆっくりと流れている。

ハイビスカスの生垣のそばでは、強い日差しを避けてネコが昼寝をしていた。

 

しばらく熱帯の湿り気を帯びた空気を吸い込んで、また作業机に向かう。

もう少しだけ、この長い夏が続けばいいのかもしれない。

一度きりの指輪作りを愛おしみながら、その大切な時間を細やかに刻んでいた。

 

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制作編

今を永遠に。シャンパンゴールドで紡ぐ結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

 

 

今を永遠に。シャンパンゴールドで紡ぐ結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドに宿る静かな輝きを、緑の中で眺めるひととき。

まだ始まったばかりの道のりだけれど、こうしてふたつのリングが並ぶと、心があたたまる。

 

何もなかった場所に小さな時間が生まれ、いくつものタッチを重ねながら、形が育まれてゆく。

やがてふたつのリングは響き合い、ひとつになっていく。

 

出会うことって、本当に素敵だなと思う。

 

 

シャンパンゴールドは、秋に漂う深い余韻の光に似ているのかもしれない。

屋久島サウスを包み始めた豊潤な色彩を眺めながら、おふたりの結婚指輪を作っている。

みずみずしい癒し。おふたりの結婚指輪づくりが始まる日 #屋久島でつくる結婚指輪

 

わたしたちの出会いはいつも奇跡のようで、

あるいはそれは花のように美しく、儚いものなのかもしれない。

 

今を永遠に。大切な想いを小さなリングに。

指輪作りへの夢は、ずっと変わらない。

 

一年ぶりの彼岸花が、いつもと同じ場所に咲いた。

 

激しい雷雨の翌朝にぽつりと咲いたツユクサ。

何気ない喜びを分かち合える誰かがそばにいると、日々は安らぎに満たされる。

 

2本のリングを金槌で叩いていくと、コンコンと心地よい音がアトリエに響いた。

 

表面を、そして側面にも、しっかりと力を込めて均一に圧を加えていく。

表層に凹凸ができるまで、同じタッチを何度も重ねていく。

 

こうしておくと、シャンパンゴールドは組成をきゅっと引き締めるようにして、硬く丈夫なものとなる。

本格的な造形作業が始まる前の、いわば下拵えといったところだ。

これは仕上がりには見えない部分ではあるが、こうした小さな手仕事がとても大切だったりする。

 

これからおふたりに長く寄り添う結婚指輪だ。

確かな手触りと、そこに紡がれゆく安らぎを感じていただけるよう、じっくりと仕立てていきたい。

 

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制作編

みずみずしい癒し。おふたりの結婚指輪づくりが始まる日 #屋久島でつくる結婚指輪

みずみずしい癒し。おふたりの結婚指輪づくりが始まる日 #屋久島でつくる結婚指輪

月の美しい日が続いている。

9月になり、空の色彩はぐっと深みを増しつつある。

 

早い時間に目を覚ますと、窓の向こうには濃いオレンジ色に染まる朝焼けが広がっていた。

その光に魅せられて、アトリエから海の見える場所まで車を走らせ、空に浮かぶ月を眺めていた。

 

そういえば、夜明けの時刻もずいぶん遅くなってきた。

この島に暮らすようになってから、季節の巡りや海と月のリズムを、とても身近に感じられるようになった気がする。

 

あるいは、わたしたち自身もまた、その一部なのかもしれない。

そう思うと、力強い癒しに包まれる。

 

海からは湿った潮風が吹き上げてくる。

やがて太陽が雲の隙間から姿を現し、月のシルエットは少しずつ薄れていった。

 

ありがとう。

 

静かであたたかな心地に包まれながら、

アトリエに戻り、一日の作業に取り掛かることにした。

 

まずは、二本の細いシャンパンゴールドをガスバーナーの炎に包み、焼きなました。

表面が黒い酸化膜に覆われた地金をくるりとリング状に巻き、糸鋸で両端を目指すサイズに合わせてカットする。

お二人の結婚指輪作りが、いよいよ始まった。

 

リングの両端をぴたりと合わせ、融点の低い金属を流し込んで繋ぎ合わせるのだけど、炎の温度調整がシビアになるこの工程は、前半にして作業のクライマックスといえるのかもしれない。

高温下で繊細なリングが溶けてしまわないよう、最大限の注意を払わなくてはならない。

 

慎重に、そして思い切りよくタッチを進めていくうちに、心がすっと平らになっていくのがわかる。

この深く静かな場所が、とても好きだ。

まるで海のような穏やかさだと思う。

 

お二人も海の近くで暮らしているという。

ドライブの途中に水平線を眺めたり、何気なく月の満ち欠けを気にしたり、

わたしと同じようなリズムを感じながら、日々を過ごしているのかもしれない。

 

劇的な瞬間ではないかもしれない。

けれど、それはいつもわたしたちを、そっと包んでくれている。

空気の中に漂う神秘のようなものがある。

お二人の結婚指輪も、日々にみずみずしい彩りを添える癒しのようなものになればいいと思う。

 

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結婚指輪をお届けしたおふたりと、屋久島で初めてお会いしました! #屋久島でつくる結婚指輪

「夏の屋久島でお会いしましょう」

おふたりと約束をしていました。

「届いた結婚指輪をつけて行きます」

 

ついに想いが叶った日。

夕暮れが静かに訪れ、熱帯の湿度があたりを満たしていました。

 

空港に到着し、車を手配したその足でアトリエまでお越しくださったおふたり。

「はじめまして」と挨拶をして、握手を交わしたのですが、

なんとなく、初めてお会いするような気がしない。笑

 

指輪が出来上がるまで、これまでずっと、本当にたくさんの言葉を交わしてきていたので、それもそうなのかもしれません。

 

「とてもいい感じです!」と、ほんの少し気恥ずかしそうに、指元にきらりと輝くリングを見せてくれました。

なんだか、三人で育ててきた花が咲いたような、心躍る瞬間でした。

 

お仕立てした結婚指輪は、お二人の出会いや重ねてきた時間をモチーフにしたデザインで、

そのストーリーを直接伺うことができたのも、嬉しかったです。

 

「今年作った中でも、とりわけこだわりがありました。」と、わたしも制作秘話のようなものをお話ししました。

 

気がつけば、窓の向こうは、すっかり暗くなっていました。

「明日は森を歩いて、その次の日にはシュノーケリングをする予定があるので、早く夕食に行かないとですね」

と楽しげに話しながら、おふたりとサヨナラをしました。

 

見上げると、丸い月が空に浮かび、夜空を驚くほどに明るく照らしていました。

うん、きっと明日も良くなる。

 

少しずつ、一歩ずつではあるけれど、

やわらかな光に包まれる未来が、たしかに続いているように思えた、

癒しに満ちたひとときでした。

 

 

 

屋久島から皆さまへ、オーダーメイドでジュエリーをお届けしています。 #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島のアトリエから皆さまへ。

 

Kei Nakamura Jewellery では、ひとつひとつオーダーメイドでジュエリーをお仕立てしているため、

お届けまでに少しお時間を頂戴しておりますが、

アトリエには、定番のデザインや、わたしのお気に入りのリングを集めて、皆さまにご紹介しています。

 

素敵な出会いがありましたら、もちろん同じデザインでお作りすることもできますし、

素材やかたちをお好みに合わせてアレンジするご相談も承っております。

 

皆さまの大切な想いから生まれたジュエリーたちです。

完成したリングは、バトンを受け渡すようにして、また新しいインスピレーションを運んできてくれます。

そうして少しずつ形を変えながら、長い時間をかけて育まれてきました。

 

屋久島にお越しの際は、アトリエにて相談会のご用意をいたしますので、ぜひ事前にご連絡ください。

遠方にお住まいの皆さまとは、メールやお電話を通じて指輪作りのお手伝いをさせていただきますので、お気軽にお声がけいただけると嬉しいです。

 

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どんなジュエリーに出会えるのだろう。

わたし自身も心が躍るオーダーメイドです。

 

大好きな花をモチーフに。

ご結婚の記念に。

サプライズのプロポーズに。

自分への小さな約束に。

 

喜びを、ともに分かち合いましょう。

 

皆さまの大切なジュエリーづくりを、

お手伝いできることが、わたしにとって何よりの幸せです。

 

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屋久島の季節を纏うように。島で出会う草花や海、月星をモチーフにしたジュエリーを作っています

 

インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

満ちゆく癒し。ピンクゴールドとシルバーで紡いだ、菜の花の結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

朝露に包まれて、静かに寄り添うふたつのリング。

ピンクゴールドとシルバーで紡いだ、菜の花の結婚指輪。

散歩道で出会った小花のように、繊細に、清らかに佇んでいました。

 

日々の暮らしの中で、ふとしたときに出会う、きらきらと輝く瞬間が好きです。

 

庭先や散歩道に咲く季節の小花たちは、

さりげなく、それでいていきいきとした表情を纏っています。

潤いを帯びた朝の清々しい空気に包まれると、その一日を素敵に過ごせるような気がします。

 

島に早い春が訪れるころ、

黄色い光のような花が海風にゆらめきます。

日々をやわらかな喜びで満たしてくれる菜の花をモチーフに、お二人の結婚指輪をお作りしました。

 

彼女のピンクゴールドと、彼のシルバー。

朝の光がダイヤモンドに静かな煌めきを与え、彫刻模様にすっきりとした陰影を浮かび上がらせています。

散りばめられたピンクゴールドの粒は雫のきらめきのようで、

ふたつのリングは寄り添いながら、朝露の情景に溶け込んでいくように見えました。

 

菜の花の、さりげなく儚い雰囲気を纏うように、

ふたつ並べたお花は、いつもよりも小さくかたどりました。

リングも少しだけ細くして、手の中に収まりよく、繊細に仕上げています。

 

そのピンクゴールドの花は、シルバーリングに彫刻した模様の一部分を切り取ったようで、

彼のリングに刻んだ図柄は、彼女のリングが光を受けて映し出す影のようにも見えます。

 

おふたりとは、これまでたくさんの言葉を交わしながらデザイン作りを育んできたので、

こうしてそのイメージが形になったのが、本当に嬉しく、胸がいっぱいです。

 

大阪と屋久島を繋いで、サンプルを何度も送り合ったのも、今では楽しい思い出ですね。

いつもあたたかなお言葉をいただき、ありがとうございました。

 

お二人と、私と、そして屋久島とが出会い、

そこに新しいデザインが生まれた喜びに包まれています。

ふたつのリングには、まさに花が開く瞬間のような、奇跡の美しさが息づいているように思います。

 

山々を見上げれば、空には秋の訪れを感じさせる雲が広がっていました。

一年ぶりに眺める豊かな色彩が、新しい季節の訪れを告げています。

 

わたしたちもまた、新しい始まりを迎えることになりますね。

楽しい指輪作りをありがとうございました。

 

屋久島の癒しに満ちた祝福をおふたりに。

ご結婚おめでとうございます。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

癒し合う。大好きな花をモチーフに、結婚指輪を作ること。#屋久島で作る結婚指輪