島では蒸し暑い雨の日が続いていて、空気には夏を思わせる熱帯の気配も漂ってきている。
屋久島のすぐ南の海には新しい季節がやってきていることだろう。
それでも窓の向こうに眺めると、山々は流れの早く冷たい雨雲をところどころに纏っていることがわかる。
潤いを与えられて色濃く、生彩に満ちた梅雨の余韻が今はとてもありがたく感じられた。
ちょうど3ヶ月前になるのか。
春の始まりにアトリエに来てくれたお二人の結婚指輪作りが始まった。
いつもずっとありがとう。
お二人とは相談会の後もずっと細やかにデザイン作りを積み重ねてきた。
屋久島の森や植物が大好きなお二人だ。
潤いに包まれた熱帯のムードはわたしたちの制作をそっと包み込み、そして鼓舞してくれるだろうと思う。
いよいよ始まる制作の日々を共に楽しみましょう。
作業が始まる前に小さな森に出かけることにした。
杉の木の下で雨を避けながらお二人のプラチナを手に取って眺めてみると、プラチナは周りの情景を映す鏡のようだった。
島の緑とプラチナの間にある心地の良い響きのようなものをそこに感じとることができて胸いっぱいになった。
潤いと静かな躍動に満ちていた。
森に佇む清らかな時間が好きだ。
お二人と一緒に作り上げたリングの印象は既に心の中にある、
それをリアルな姿あるものとしていこう。
まだ最初の第一歩を踏み始めたばかりなのに、作業机に向かって胸が高鳴る自分がいる。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547