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屋久島の自然に出会うフォルム。お揃いプラチナの結婚指輪作り。#屋久島でつくる結婚指輪

 

日中は本格的な暑さを感じるようになってきた屋久島サウスだけれど、

アトリエの窓の向こうを眺めると山の方にはまだ雲がかかっている。

まるで温水でできた薄い膜に包まれているような屋久島特有の湿度を体全体に感じながら。

 

 

あの頃は春の小花がたくさん咲いていた。

4月のアトリエにお越しいただいたお二人の結婚指輪作りは彼女のリングの造形がひと段落したところまでを書きました。

プラチナリングに響く、屋久島を感じる結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

もちろん、たくさんの言葉を交わしながら作り進める結婚指輪のデザインではある、

けれども、お会いすると一瞬で理解できるというか、お二人の印象をすっと受け入れることができるように思う。

作るべきリングの姿がとても自然に私たちの前に現れてくるのが、いつまで経っても不思議なところでもある。

 

ふわりと優しい雰囲気を持っているお二人だ。

お仕事柄、手を使って人と触れ合うことも日々たくさんあるだろう。

手触りが限りなくソフトに、優しくなるよう作り上げていきたい。

 

そして春のアトリエを包んでいた陽光のように、お二人を、そして周りの人たちを癒す小さなひかりのようなリングになると嬉しい。

 

さて、今日も作っている。

 

彼女のリングは1.6mm-2.3mm幅だったので、彼の2.3mm幅と近しいボリューム具合ということになる。

ここ最近は男子女子でデザインの境界線が薄くなってきていて本当にいい感じだなあ。

以前までのあれはなんだったのかなと思ってしまうくらいに 笑。

やっぱり自由であるとお互いの好きに近づいていくことができるのだ。

 

 

それでも日常生活の中にあるフィジカルな違いは意識していたい。

 

彼のリングにはしっかりとした厚みを持たせて造形をしてリング全体に強度を与える。

指のサイズも体の大きさも違っているお二人なので、つけた時にお揃いに感じられるように、リング自体のボリュームをコントロールする。

彼女のリングをすぐ隣に置いて時々それを眺めながらプラチナリングを鉄鋼ヤスリで削り出していく。

少しずつ、少しずつ、目の前のリングに表情や温かみのようなものが生まれつつあることがわかる。

金属の塊のその奥に出来上がりを想像しながらタッチを繰り返す創作活動は、木の中に動物や人の姿を見出す彫刻作業のようでもあるな、と思う。

 

 

庭先にチョウチョが集まってきたら夏本番の合図。

 

 

水の巡りのような、あるいは雲を運ぶ風のような。

島に暮らしていると時々、自然の中にあるリズムや流れが具現化されたものに出会うことができるのだけれど、それは時間そのもののフォルムなのかもしれない。

 

楽しい作業はまだまだ続きます!

 

屋久島でつくる結婚指輪

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