屋久島サウスのアトリエです。
シャンパンゴールドをくるりとリング状に造形をした後、まずはメンズからその造形作業に取り掛かることにした。
目指すのは19.7号。なかなか大きなサイズだ。
香港に暮らすお二人とは、これまでずっとメールでデザイン作りをご一緒している。
お二人から伺った暮らしの様子や、文面に表れる印象をイメージしながら、今日も作業机に向かっている。
もちろん、直接お会いして感覚をキャッチするのもありがたい。
でも、言葉を介してデザインを進めることで、内に凝縮された大切なエッセンスを見つけやすくなることもある。
想像を膨らませながら作るジュエリーは、クリエイティブで楽しい。
「今年、結婚30周年を迎えます」と、お二人からメッセージをいただいたのは、真夏の暑い日のことだった。
ちょうど香港から日本に数日間滞在することになり、そのタイミングにリングを探していたという。
九州同士でのやり取りということもあり、短期間で素材の確認からサイズ調整までが進んだのは幸運だった。
全てはタイミングなのかもしれない。
こうして結婚30周年という節目の指輪を作らせてもらえるこのご縁に、感謝の気持ちでいっぱいだ。
「今回のご縁で、屋久島がとても近しく感じられるようになった」と伝えていただき、とても嬉しかった。
実のところ、わたしも昔、香港には何度か訪れたことがあるのだけど、それはまた別の話にしよう。
さて、晴れ時々雨の屋久島サウスである。
先日の台風から数日が経ち、木々も緑色を取り戻しつつある。ハイビスカスもぽつりぽつりと花を咲かせ始めた。
ありがとう。
今日も庭先の風景に癒されながら、ジュエリーを作っている。
クローズアップで眺めてみよう。
丸いリングの中に、フラットな面を作り上げているところだ。
等間隔に、寸法を揃えた8つの面を、均一な角度を保ちながら削り出していく。
丸いリングに八角形の造形を生み出すために、表面を大きく削り込む必要がある。
目の荒い鉄鋼ヤスリを使い、しっかりと力を込めて、フラットな面を一気に仕上げた。
削り出された金属片が散らばり、デスクライトの光を受けてキラキラと輝いている。
切断面に現れたシャンパンゴールドの生々しい色彩が美しく、思わず見惚れてしまう。
少しずつ、ご結婚30周年の記念となるリングが、今まさに手の中で形になり始めている。
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制作編