造形作業がひと段落をしたリングを太陽の光で眺めようと庭先に出てみると、足元に小さな花が咲いていることに気がついた。
ブルー、黄色、ピンク、そして白。
いつものメンバーではあるけれど、台風の後に見るその姿は、まるで久しぶりの友達に再会したようで、心温まった。
その小花たちと響きを同じくするように、
マット仕上げのプラチナとイエローゴールドが島の緑に溶け込んで見えた。
柔らかくなり始めた夏の陽光を受け、静かに輝いていた。
海と緑、豊かな実り。
暮らしの中にある情景をキャンバスに描くように、お二人の結婚指輪を作っている。
思えば、台風直後に始まった指輪作りだったけど、自然の中に再生と始まりを促す神秘的な力を感じる日々だったように思う。
造形作業がひと段落をして、庭には新しい花が咲き始めた。
次なるフェーズに進むには、良いタイミングなのかもしれない。
ゴールが見えてきたお二人との指輪作りを、なんだか少しだけ名残惜しく思いながら。
同時に、希望に包まれた始まりの予感を、手の中に感じながら。
お二人のリングは同じリング幅で、表面をつるりとプレーンな状態で仕上げた。
素材は異なるけれど、同じ流線を持つ、双子のようなフォルムだ。
このプレーンな表面には、彫刻模様を施すための良い余白があるように思うのだが、どうだろう?
その彫刻模様は、お二人のリングに特別な繋がりを生み出すことになるのだけど、それはまた別の話にしよう。
一粒ずつのダイヤモンドもセットして、キラキラと輝くリングの出来上がりは、もう少し先のお楽しみだ。
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