屋久島サウスのアトリエです。今日の工具、ラインナップ。
実は、道具を集めることにはあまりこだわりはないのだけど、指輪と手がより近く感じられるような、シンプルで愛着の湧くものを少しだけ揃えるのが好きかもしれない。
シャンパンゴールド、八角形のリング作り。
ご結婚30周年を迎えるお二人からは、八角形のデザインをリクエストいただいた。
8という数字は、漢字で書けば末広がりで、横にすると∞で永遠を感じる。
七転び八起き、という親しみ深い言葉も浮かぶし、八重の桜も好きだ。
なんだかとても縁起が良いムードの中で、作業机に向かっている。
こちらは彼女のリング。一気にここまで削り出し、庭先でほっと一息しているところ。
削り過ぎると後戻りができない作業だが、ある程度の思い切りの良さのようなものが、気持ちの良いラインを生み出すために、とても大切になってくる。
シャンパンゴールドが雨上がりの情景の中に馴染んでいて、癒された。
2本のリングが揃った。そのフォルムをルーペで眺めてみる。
8角形の輪郭を際立たせるため、表面にはしっかりとエッジを効かせて造形をした。
シャープなラインに仕上げることができた。
このシャープなラインに、有機的な柔らかさを加えることにより、ジュエリーとしての優美さがリングに宿る。
相反する要素が出会い、そこに生まれるバランスが、唯一無二の個性を引き出してくれるのだと思う。
その先にある理想のようなものを、海の向こうに暮らすお二人とは共有しているような気がする。
アトリエに届いた、秋の知らせ。
いただいたカボチャは、このまま大切に取っておきたくなったけど 笑
カボチャは少し大きめに切ったものを、鶏肉と一緒に重たい鍋に入れた。軽く塩だけをして、重たい蓋を乗せ弱火で時間をかけて火を通す。
カボチャから水分が出てきたところで、醤油をひと回しし、また蓋をしてさらに十分ほど弱火にかけた。
火を切り、予熱で数分馴染ませたのちに蓋を開け、木べらを使い大きく天地を返すと、ちょうど良い塩梅に煮切れている。
カボチャから出た水分でじっくり煮込むと、じんわりと甘く、ホクホクと出来上って美味しい。
気がつくと、日没がだんだん早くなってきた。
それでも、深いブルーとオレンジに包まれるこの時間は、この季節だけの特別な美しさだと感じる。
ご結婚30周年を記念する指輪作りも、折り返し地点を過ぎたところだ。
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