雨がたくさん降ると、その翌朝にはいつも決まって新しく咲いた花に出会うことができた。
百合に紫陽花に、ランタナ、ハイビスカス、毎日のようにそのメンバーは増えていった。
そしてアトリエの庭では一年ぶりに集まった小さな楽団みたいに、花たちは鮮やかな色彩のハーモニーを奏でていた。それはとても親密で幸せな響きだった。
そんな島リズムに合わせて庭先を右へ左へ、心躍っていた五月前半を振り返って。
雨がたくさん降ると、その翌朝にはいつも決まって新しく咲いた花に出会うことができた。
百合に紫陽花に、ランタナ、ハイビスカス、毎日のようにそのメンバーは増えていった。
そしてアトリエの庭では一年ぶりに集まった小さな楽団みたいに、花たちは鮮やかな色彩のハーモニーを奏でていた。それはとても親密で幸せな響きだった。
そんな島リズムに合わせて庭先を右へ左へ、心躍っていた五月前半を振り返って。
いまちゃん、たくぞうとはもうずいぶん長い付き合いで、屋久島で暮らしていて毎日会うわけじゃないけれど、兄弟みたいについつい頼ってしまう存在です。
モスオーシャンハウス20周年おめでとう!
そういえば、昔はよく一緒に画用紙に少し先の未来を描いたりしていて時間があった。
今ちゃんの空想が少しずつリアルな形となってゆく、今はそんな時間を眺めているのが楽しい!
雨が上がった。ようやく五月晴れの屋久島サウスです。
嬉しくなって出かけた散歩道では新しい木にも出会えた。
葉っぱが少し違うような気もするけれど、ミモザ系?
とても大きくて立派な木なのです。
そして庭先ではいつものメンバーたちも元気だった。
まるで料理人のように季節の旬にインスパイアされる日々である。
さて、彼のプラチナリングはいよいよ造形がひと段落をした、
そのフォルムを5月の太陽の光の中で眺めていた。
遠く離れてはいるけれど、こうして作業机に向かっているとお二人と一緒に少しずつ目的地に近づいている感覚が日々に充実感を与えてくれる。
お二人と島でお会いして、この結婚指輪をお渡しする日まであと26日。
白く明るく輝くところ、黒くトーンが落ち着くところ、コントラストの高さがプラチナの魅力だと思う。
リング表面に描いた緩やかなラインが島の深緑の中に浮き上がって見えた。
とてもシャープで、それでいて有機的なフォルムだった。
水の中を泳ぐようにスムーズにリングを巡る光を眺めるのが楽しくて、手の中でくるくる回して遊ぶ。
あるいはリンング自体が光そのもののようであるようにも思えてきて不思議だった。
それにしても手の中で生まれるものが好きだ。
世界に一つだけの指輪感。
手作業から生まれる揺らぎにどうしようもなく惹きつけられてしまう。
きっとこの先も同じデザインでリングを作ることはあるかもしれないけれど、
同じものを再現できるかどうか、それはわからない。
そう考えると、お二人の結婚指輪を作っている今この瞬間もまたかけがえないものに思えてきた。
まだ制作の時間はある。
日々を深く味わおう。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
制作編
今日もお二人の結婚指輪を愉しく作っている、屋久島サウスのアトリエです。
くるりとリングになったプラチナは重たい個体から、軽やかで柔らかなジュエリーへと変化している。
この季節は花々の開花が目白押しで、アトリエに篭っていても刺激に満ちている。
鮮やかな島の色彩とお二人の結婚指輪作りと。
そしていよいよ紫陽花も咲き始めた!
華やかな造形や色彩にはもちろんインスパイアされるのもあるけれど、
植物の好きなところは、日々休まずに前に進み続けるところというか、少しずつ確実に歩んでゆくところのような気がする。
朝目を覚まして、庭先に昨日よりもほんの少しだけ大きくなった百合の蕾や花を開いたばかりのツユクサを眺めると、今日も頑張ろう!と元気になれる。
数ヶ月をかけて出来上がるオーダーメイドのジュエリーづくりは、もしかするとそんな植物たちのペースに近しいのかもしれないな、と思ったりもする。
今日も少しずつ、少しずつ。
プラチナリングの大まかな形が取れたところで細いヤスリに持ち替える。
リング表面をめぐる斜面に沿ってヤスリを添わせ面を整えていくと、そこにシャープなラインがに浮き上がってきた。
まだまだ途中ではあるけれど、手の中に少しずつ何かが生まれてくるような確かな感覚があった。
すっきりとしたシャープなフォルムの中に柔らかな丸さを与えるように、
しっかりと重みのあるプラチナが軽やかに感じられるように、
必要な場所だけを残して、それ以外を削り取っていく。
できるだけエッセンスが浮き上がるように注意を払いながら手を動かし続ける。
そうすると、やがて小さなリングが生き生きとした躍動を纏い始めていることを感じることができた。
お二人と一緒に作り上げたイメージを今こうして形にすることができてきてる。
まだあと少し完成までは時間がかかるけれど、大まかな印象は出来上がったように思う。
今日はもうここまでにしよう。
少し時間を置いて、続きはまた明日だ。
数日間続いた雨も一区切りとなりそうだ。
窓の向こうを愛おしく眺めながら。
庭先の植物たちにはたくさん水を纏って華やいでいただきたい。
夕暮れ時、雨が激しくなる前に傘を片手に散歩に出かけた。アトリエから出ると緑に包まれて、むっちゃ目に優しい。屋久島には癒されているなと思う。
それにしても、百合たちのまだまだこれから感がすごい。
明日はそろそろ晴れるかな。
久しぶりに太陽の下で海を泳ぎたい!
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tel: 0997-47-3547
炎の中にプラチナリングを入れてリングの形成作業をしている時、窓の向こうでは激しい雨が降り続いていた。
雨音は分厚く、外に出ることもできないくらいにその勢いは手強い。
熱帯的というのだろうか、雨季の到来をを思わせる本格的な雨だった。
雨もたくさん降るし、百合も咲いた、
屋久島の祝福に包まれてお二人の結婚指輪を作る日々だ。
東京に暮らすお二人とは海を越えて結婚指輪作りをご一緒しているのだけれど、
出来上がったリングを屋久島まで受け取りに来てくれることになっている。
ゴールのようでもあり、始まりでもある瞬間を目印にして少し先の未来へと歩みを共にしているような、
そんな結婚指輪作りの日々かもしれない。
三人で一緒にイメージを作り上げてゆく、オーダメイドの時間は宝探しのようで楽しい。
島リズムのジュエリー作りにいつもお付き合いいただいてありがとう。
さて、雨と炎と、プラチナリング作りはいかに。
昔ながらの手作業で、コンコン。
木槌や金槌で叩いて圧を与えてあげるとプラチナはキュッと硬くなる。
仕上がるまでに何度も硬くなる工程を繰り返してリングはお二人の手に届く。
作業机に向かっていると、金属は案外と柔らかなもので、
硬くなったり、緊張が緩んだり、その収縮がまるで呼吸をしているように感じることがあある。
あるいはそこに私たちは手触りの優しさを感じられるのかもしれない。
それにしても、こうしてサイズを意識して作っていくと、お二人とお会いする日が近くに感じられる。
いよいよなのだと嬉しくなる。
庭先では2023年初めての紫陽花が咲き始めていて驚いた。
きっとこの激しい雨に刺激を受けたのだろうか、
それでも紫陽花はこの雨を気にもしていないように見えた。
楽しげに雨の中を咲いていた。
6月には紫陽花は大きく育っているので、お二人がアトリエに来てくれるのは素敵なタイミングのように思える。
それはきっと色鮮やかな祝福を与えてくれるはずだろう。
少し雨脚が弱くなったところで、咲き始めた紫陽花の近くでプラチナリングを手にしてみる。
紫陽花は雨の中でとても元気だ。
プラチナはリングになった、紫陽花と同じくらい躍動して輝いている。
今日も島のリズムと共に指輪作りの道のりを歩んでいる。
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