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プロポーズの日に向けてお届けした、ヒマワリのネックレスの物語 #屋久島でつくる結婚指輪

ヒマワリのネックレス 18k yellow gold, silver, citrine

 

屋久島から、海を越えてお届けするネックレス。

大切なプロポーズの日に向けて、お仕立ていたしました。

 

夏の名残を思わせる眩しい光に包まれて、

咲いたばかりのヒマワリが、そっと輝いているように見えました。

 

海まで出かけ、波打ち際でそっと手に取ってみる。

ペンダントトップの大きさは、約13ミリ。

シルバーの花びらに、イエローゴールドの石枠を合わせてお仕立てしました。

 

軽やかなフォルムでありますが、手のひらには確かな重みが伝わってきます。

 

ひまわりといえば、なんといっても太陽の光のような黄色が印象的なのですよね。

その透明感のある輝きを思い描きながら、花の中央にシトリンをセットいたしました。

 

屋久島サウスのアトリエからすぐ近く、

山際に広がるひまわり畑。

 

海風に揺らめく黄色い光。

2025年の夏も、その情景にたくさん癒されました。

 

この胸踊るような喜びを、おふたりと分かち合えたら、何よりも嬉しく思います。

 

ネックレスは、ケースにお入れし、リボンをかけて丁寧に梱包いたしました。

おふたりにとって大切な記念の日に、ジュエリーをお選びいただき、心よりありがとうございました。

海の向こうからではありますが、おふたりの始まりの日をこうして応援することができ、幸せに思います。

 

いつの日か、ぜひ屋久島にいらしてください。

秋や冬にも、ひまわりが咲く南の島です。

 

祝福の光に包まれた夕暮れ時。

驚くほどに海水があたたかかった、いつものビーチにて。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

ピンクゴールドとプラチナが響き合う。希望あふれる結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

南国のまぶしい光がブラインド越しに差し込み、アトリエをあたたかな空気で満たしている。

日中の汗ばむほどの暑さが続いているけれど、この場所にいると、どこまでも静かで、心は涼やかに落ち着いていく。

木槌を片手に、コンコンと響く音に包まれながら、いよいよ迎えた大切な造形作業に夢中になっていた。

 

ひとつのピンクゴールドとひとつのプラチナに、これまで少しずつタッチを加えてきた。

一度進むと戻ることのできない、金属を扱う繊細な手作業である。

ときには微妙な調整を加えながら、ここまで歩んできた。

 

そのようにして生まれる、ごくささやかな“揺らぎ”のようなものが、ひとつだけの息吹をリングに宿すことになる。

まるで、野原に咲いたばかりの一輪の花のように、

 

2本のリングのアウトラインには、お揃いのカーブを施した。

水面を漂う波のようにやわらかで、どこまでもスムーズな曲線だ。

 

これまで少しずつ異なっていた意匠を、はじめて一つの場所に繋ぎ合わせることができた。

視覚的にも、つけ心地にも優しいフォルムを作り出すことができたように思う。

 

鉄の台の上で、リングをそっと重ね合わせる。

ふと、夏のアトリエでお会いしたおふたりのことを思い出す。

 

新しい暮らしを始めたばかりのおふたりは、きっと今頃、それぞれの道を歩みながら、大忙しの日々を過ごしているのだろう。

なんだか、このふたつのリングが、おふたりの響きと重なるように思えて、微笑ましくなる。

 

うん、きっとよくなるだろう。

 

残すところは、内側の彫刻作業、石のセッティング、そして磨き上げ作業だ。

 

少し先の未来への希望を抱きながら、最後の仕上げ作業へと向けて準備を進めていくことにした。

 

今日も、ひとつひとつ。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

夏の余韻。やさしい気持ち。ピンクゴールドの呼吸。#屋久島でつくる結婚指輪

出会い編

島が紡ぐ物語、真夏の結婚指輪相談会 #屋久島でつくる結婚指輪

夏の余韻。やさしい気持ち。ピンクゴールドの呼吸。#屋久島でつくる結婚指輪

プラチナとピンクゴールド。ふたつの素材を用いて、おふたりの結婚指輪を作り進めている。

 

彼女のピンクゴールドは、細い部分が1.3mm幅と、とても繊細だ。

その華奢なシルエットを、息を潜めるようにして、鉄鋼ヤスリで慎重に削り出していく。

 

彼のリングとは、素材もフォルムも異なっている。

けれども、その奥底にはふたつを繋ぎ合わせる確かなインスピレーションが流れているように思う。

時間という、同じひとつの流れを宿すように、タッチを重ねていく。

 

 

おふたりと一緒に思い描いたイメージが、少しずつ形になっていく時間は、心躍る。

喜び満ちる日々に、ありがとうございます。

ひかりを紡ぐ。プラチナリングに巡る時について #屋久島でつくる結婚指輪

 

台風が去ったあとなのに、なぜか夏が戻ってきたように暑いのはなぜだろう。

庭先ではシロツメクサが背丈を伸ばし、ハイビスカスもまた元気に花を咲かせ始めている。

 

いつもは作業机に向かい続ける、静かでシックな時間が流れているのだけれど、

庭先で出会うささやかな変化が、とても新鮮な喜びを与えてくれる。

休むことなく、力強く生き続ける植物たちの姿に癒されながら、今日も作業机に向かっている。

 

さて、指輪作りもいよいよ後半に差し掛かった。

ピンクゴールドのリングをひととおり削り終えたところで、紙やすりでざっと表面を磨き上げ、そのあとにリングを朴炭の上に乗せ、ガスバーナーの炎に包んだ。

いくつかの工程を経て緊張を帯びた金属を、ここで一度、やわらかく解きほぐすためだ。

 

金属というのは不思議なもので、作業机に向かっていると、ときおりその中に、小さな呼吸のようなものを感じることがある。

 

その小さなリングに、一つだけの温度を宿すように、これからさらなる造形を重ねていくところだ。

 

柔らかで、力強い。

植物を手にするときのように、やさしい心地に仕上げることができればいいと思う。

 

夜になると、窓の向こうには星空が広がった。

雲ひとつなく、澄み渡る山際を眺めるのは、ずいぶんと久しぶりのような気がした。

 

そういえば、おふたりは屋久島よりもずっと南の島に暮らしていたと言っていたけど、

そこで眺める星空も、きっと見事なものだろうなあ。

 

明日もまた、暑くなりそうだ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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ひかりを紡ぐ。プラチナリングに巡る時について #屋久島でつくる結婚指輪

島に接近していた台風は、幸いにも上陸することなく、静かなうねりだけを残して東の海へと去っていきました。

いつものビーチで眺めた空は、思わずゾクっとするほどに澄み渡り、秋の到来を感じさせる深く鮮やかな色彩が広がっていました。

こうしてひとつの台風が過ぎるたびに、季節が新しくなっていく。

ダイナミックでありながらも繊細に巡る時の流れを、自分自身がその一部として感じられるのは、島暮らしならではの感覚なのかもしれません。

 

 

入道雲からうろこ雲へ。ハイビスカスからサキシマフヨウへ。

刻々と移ろう季節のグラデーションに包まれて、お二人の結婚指輪を作っています。

朝露に煌めく朝に #屋久島でつくる結婚指輪

 

海で出会う流線や、山々のフォルム、月の満ち欠けも、

すべては、巡りゆく時間が形づくるもののように感じられます。

 

あるいは、わたしたちが自然の中に日々眺めているものは、

刹那という形式をとった、時間そのものなのかもしれません。

 

プラチナとピンクゴールドでお仕立てする、おふたりの小さなリングもまた、

巡りゆく時の流れであり、

同時に、今という瞬間でもある。

 

手の中に生み出していくのは、そのようなフォルムであるように思うのです。

 

さて、アトリエです。

プラチナとピンクゴールドがリングになりました。

その色彩のコントラストに、しばし魅入りながらも、

これからいよいよ本格的な造形作業に取りかかるところです。

 

まずはプラチナリングの表面にいくつかの罫書き線を描き、その罫書き線を目印にしながら、向かい合わせになるよう波のような流線をマジックで描きました。

その流線に沿って、地金を削り出していきます。

 

まずは目の粗い鉄鋼ヤスリを片手に、大きく、力強く。

ラインの際にきちんと収まるよう、注意深くタッチを重ねていきます。

 

大まかな造形が取れたところで、ヤスリを細かい目のものに持ち替え、また一周。もう一周。

とても地味な繰り返し作業ではあるけれど、タッチを重ねるたびに、少しずつ、わたしたちが思い描いていたフォルムの、小さな兆しのようなものが見え始めてくる。

 

こうして、冷たくて硬いプラチナに息吹が宿りつつある瞬間を分かち合えるのは、オーダーメイドならではの喜びであるように思います。

 

夕暮れ時に一息をついて、リングのフォルムを太陽の光の下で眺めました。

リング全体は、丸くて柔らかな曲線で包み込みました。

その中に、“流れ”を表現するラインが巡っています。

 

一日の終わりを告げる柔らかな光を受けて、リングの表面には濃い影が生まれていました。

 

この“流れ”を、もっとスムーズに磨き上げていくと、光がより自由に巡りゆくようになるだろう。

 

リングに宿る、移ろう輝きを思い描くと、なんだか心が躍りました。

 

ふと見上げると、木々を通り抜けて届いた光が眩しくて、

サキシマフヨウの花びらは、淡いピンク色の透きとおるベールのように見えました。

 

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月と星、ピンクゴールド。屋久島を訪れ、結婚指輪を作ること #屋久島でつくる結婚指輪

彼女が屋久島を訪れるのは、なんと二十年ぶりとのことでした。

当初は接近が危ぶまれていた台風も進路を変え、穏やかな天候に恵まれた日。

待ちに待った、結婚指輪の相談会でした。

 

「20年前は小学生で、宮之浦で眺めた星空は今でも鮮明に覚えています」

彼女が、時をそっと振り返るように言いました。

たしかに、屋久島の自然には、心を強く惹きつける磁力のようなものがあるように思います。

その数年後にわたしが島に暮らし始めたことを思うと、時の巡りが導いた神秘を感じずにはいられません。

お互いにとって大切な場所が紡いでくれたご縁に、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

おふたりの結婚指輪はお揃いのピンクゴールドで。

細部のデザインを少しずつ変えてお作りすることになりました。

「仕事中はつけないので、特にこだわりはなくて」と、最初のうちはそう話していた彼でしたが、

サンプルリングを手に取るうちに、少しずつイメージが広がっていき、

みんなでデザイン選びに夢中になったのが、とても楽しく、心に残る時間でした。

 

こうしていつも、おふたりの暮らしや大切な想いから、一つだけのデザインが生まれるのだから、面白いです。

出会うことって、本当に素敵だなと思います。

 

大雨の予報も気持ち良いくらいに外れ、西の空には晴れ間も広がり始めていました。

アトリエの庭先ではハイビスカスがいっぱいです。

 

翌日の森歩きも、きっと心地よいものになりそうだし。

20年ぶりに訪れた島からの、小さな恵みかもしれませんね。

 

ほんの数時間だったけど、おふたりとお会いできて、これまでにはなかったデザインが生まれました。

わたし自身も、とても楽しみな指輪作りです。

島の季節の中で、少しずつ育まれゆく時間を、どうぞあたたかく見守っていてください。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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