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 結婚指輪の素材編!艶やかで鮮やかなゴールドの配合は

雨の屋久島 モクレン

これでいったい何日間続いているのだろう。

今日も屋久島は激しい雨に包まれました。

結婚指輪の素材 プラチナ イエローゴールド 作業台

昨日より始まったマリッジリングの制作で使うK20イエローゴールド。

今回のイエローゴールドはいつもとは少し違う配合のもので、

僕もお気に入りの素材なのです。

 

通常、金の単位は24進法で示されていて、

純金がK24 (KはカラットのKです)と表記されます。

純金は“鮮やか”あるいは“きらびやか”といった色合いというところだろうか。

イメージとしては、ネパールやタイなどアジア諸国の寺院や装飾品の荘厳な金彩がそれにあたるだろうと思います。

 

純金の色は濃度が濃いだけあってグッとくるものがあり、この色彩が好きな方にとっては、この色合いが金色と言い切ってしまうほど。

たしかに、僕たちアジア人にはなじみの近い金色なのかもしれませんね。

 

一方、僕たちが一般的にマリッジリングなどで使うゴールドはご存知K18と呼ばれるもので、

全体24のうち、18を純金として配合されたものなのです。

あとの6はシルバーと銅。

なぜシルバーと銅を混ぜるかというと、それはズバリ、地金の強度を高めるためなんです。

 

というのは、純金はとてもとても柔らかく、針金くらいに柔らかく、

色合いはとても素敵なのだけど、残念ながらジュエリーにはなかなか難しい素材だから。

金とシルバーと銅。その3種類の金属を混ぜることで初めて、しゃきっとしたいつものイエローゴールドとなります。

 

そうやって出来上がった18金はシルバーなどの混ぜ物が入っている分どうしてもあの鮮やかな発色が比較的薄れていて、

これがつけやすく好きな方もいらっしゃいますし(ある意味、大多数だと思います)、ちょっと物足りなく感じられる方もいらっしゃいます。

 

そこで、そこでそこで、

純金の発色に出来るだけ近しいゴールドで、なおかつ実用的な強度を持たせた配合のゴールドを作り出すべく製造業者のみなさんが研究を重ねられて出来上がった素材がこちらのK20イエローゴールドとなるわけなのです。

前置きが長くなってしまいましたね。失礼いたしました。

 

硬さはシルバーと同じくらいの印象だろうか。

色艶やかにして安心感のある素材感。

 

今までは“月の指輪”のゴールド部分(月部分)に使用していましたが、

今回マリッジリングに初めて使えることになり、僕もかなりテンションが高まっております。

 

アジアの祭壇の様にきらびやかな色調と、純金を想わせる輝き。永遠に続く艶やかさと確かな質感。

 

いつものコーヒー豆の説明調でこのような言葉を見つけました。

相変わらず、分かるようで分からない感じとなりました。

 

屋久島で作る結婚指輪制作風景 プラチナとゴールドのリング 

そのK20イエローゴールドとプラチナに火を当てて、コンコンと木槌で叩いてぐるりとリング状にして、また火を当てて端と端をくっつけてまたコンコンコンと叩いてゆく。

そのような工程を繰り返して、綺麗な指輪の形が生まれましたよ。

屋久島で作る結婚指輪 屋久島の緑バック 手にとって プラチナとゴールドのリング 

外はまだ激しい雨。

 

制作風景 ゴールドの指輪 作業台の上

ここからいよいよ鉄工ヤスリを持って、ガリガリと削り、丸いアウトラインをかたどってゆく作業に入りました。

この作業、何度も何度も繰り返して指輪を作り続けているけれど、

使う方のことをイメージしながら手を動かしてゆくので、

毎回違ったアウトラインが生まれてくるのが面白い。

 

実はこのイエローゴールドはメンズのリングとなるもので、そのぶんボリュームたっぷりで作ることが出来るのもまた楽しいです。

素材の質感を味わうことが出来るように。

使ううちに深みが増してくるように。

僕と似た世代で、同じように旅をして、回り道をしてクリエイティブなお仕事をされている方なので、好きなテイストがスーっと心に入って来たような気がしています。

 

同じゴールドでも、これだと感じるものがそれぞれで違っているのがまた素敵ですね。

生まれて来て、何に出会って、どんなモノを見て、どんなことを感じて来て、

そのようなたくさんの経験の積み重ねが一つの選択を生み出しているのだと思うと、今この瞬間がとても貴重なものに思えてきた。