屋久島サウスのアトリエです。
雨が冷たくなってきている。
どうやら島にも冬本番がやってくるらしい。
芯と張り詰めた空気が心地よかったから、
いつもよりも早い時間から制作を始めることにした。
夜明けが過ぎてもまだ暗いままでいる。
今日は寒くなるだろう。
同じ屋久島サウスに暮らすお二人の結婚指輪作りは彼のリングから彼女のリングへとバトンをタッチしたところだった。
気がつけばもう!作業の工程も折り返し地点といったところだろう。
彼と彼女がいて、そこにわたしがご一緒して、屋久島のサウスがあって、なんならば雨や冬の花々も加わって、そして山々も海も。果てしない広がりを持つ世界に所属している感覚がある。
今日もできることを。
シャンパンゴールドは煌びやかで柔らかい。
まるで黄昏どきに包まれる光のようだなと思う。
わたしたちが暮らす大地から生まれたものだからすごい。
この美しさが!と考えると希望が湧いてくる。
彼女のリングも彼と同じように丸く柔らかに、鉄鋼やスリ一本で削り落としていった。
シャンパンゴールドのキラキラ。
いつものことなのだけれど、ついつい魅せられてしまう。
目には見えないかもしれないけれど、体で感じる部分。
ずっと長くお使いいただく結婚指輪だから、
細部の仕上げを頑張りたい。
作業がひと段落したところで、エイッと思い切って庭先に出てみる。
むっちゃ冷たい空気!でも心地よくて大きく深呼吸。
ふと小さきものたちに目がいく。
しゃがみ込んでみると、しずくの世界が広がっていて、
ここでも確かに命が営まれているのだなあと感動でいっぱいになった。
ラインだったりリズムだったりを感じることができて
ジュエリー作りのインスピレーションが満タンになったような気がした。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547