屋久島も、ついに梅雨が明けたらしい。
季節のリズムに足並みを揃えるように、お二人の結婚指輪作りも、次のステップへと歩みを進めていくところだ。
海と空。
イエローダイヤモンドとグリーンダイヤモンド。
夏、プラチナ、ゴールド。
眩しかった日々の印象とともに。
指輪作りが佳境に向かうにつれ、おふたりの新しい始まりも近づいてくる。
いくつもの小さな始まりを繰り返しながら、ここまで歩んできた。
コンビネーションリングの素材については、サンプルをテストしながら、その色合いをじっくりと相談し合ってきた。
そして、もう一つ。
リング内側にセットするダイヤモンドの色合いも、大切にしてきたところ。
日々に静かな喜びをもたらしてくれるのは、豊かな色彩なのかもしれない。
彼のグリーンダイヤモンドと、彼女のイエローダイヤモンド。
お二人のリングは、同じリング幅でお作りしているので、ダイヤモンドも同じ大きさで揃えた。
グリーンには、新緑のような若々しさがあり、イエローには、朝の木漏れ日のような朗らかさがある。
どちらも透明度が高く、力強さの感じられるものを手に入れることができた。
大きさは1.5mm 。
とても小さなものだけれど、目の前にすると、その輝きに魅せられてしまう。
静かに、心が躍る。
この奇跡のような石に魅せられて、ジュエリー作りを始めたのは、もう随分と昔のことになってしまった。
けれども、その夢心地が今も変わらず続いているのも、天然石の不思議な力なのだろう。
このふたつのダイヤモンドが、おふたりにとっても、親しみ深いものになるだろうか。
そのような未来を思い描く時間も、また楽しい。
さて、彼女のリングに続き、彼のリングの造形作業を無事に終えることができた。
彼のリングは、プラチナとホワイトゴールドの組み合わせだ。
シャンパンゴールドとホワイトゴールドはどちらも純金がベースとなっているので、色合いの微妙な違いがありながらも、そこに確かなつながりを感じられる。
どちらも優しいトーンなので、はっきりとしたコントラストというよりは、プラチナと柔らかく響き合うような印象だ。
お揃いのラウンドシェイプに仕上げたのも、なんだか双子のように見えて、微笑ましく思えた。
どんなお二人なのだろう。
アトリエでお会いする日が、いっそう楽しみになってきた。
リングには、これから刻印を施し、ダイヤモンドをセットして、いよいよ完成となるわけだけど、
それはもう少し先のお楽しみに。
おふたりがアトリエまで会いに来てくれて、リングをお渡しする日のことは、また別のお話で。
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