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夏への憧憬、シャンパンゴールドの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドを金槌でコンコンと叩き、そのあとにくるりと巻いてリングのかたちにした。

少し細く造形した両端をぴたりと合わせ、窓外に響く夏の音に耳を澄ませながら、ガスバーナーの炎に包み、ゆっくりと熱を回した。

 

ときどき庭先に出てハイビスカスを眺め、カフェオレを淹れて少しずつ飲み、簡単な昼食をさっと作ったりしたけれど、

それ以外の時間は日中ずっと机に向かい、作業に夢中になっていた。

 

 

それにしても、暑い日が続く。

どこか幻のような儚さを帯びた夏の叙情に包まれながら、おふたりの結婚指輪を作っている。

海と太陽、シャンパンゴールド。おふたりの結婚指輪作りが始まるとき #屋久島でつくる結婚指輪

 

最初は彼女のリングを予定のサイズに合わせ、そのあとに彼のリングを。

少しずつ、少しずつ、同じ工程をなぞるようにタッチを重ねていく。

 

おふたりの結婚指輪は、お揃いの素材とデザインでかたちづくるのだけど、

サイズはもちろん、リング幅や、表面に走るラインの角度など、細部に微妙な変化を加えながら工程を進めていく。

 

彼と彼女とは、これまで何度かビデオ越しにお話しすることができたので、その時の印象も指輪作りの大きな助けになっている。

 

おふたりそれぞれの時間と手に自然と馴染み、

そして、そのふたつのリングが補い合い、ひとつになるような。

確かなつながりを感じる“響き”のようなものも大切にしたいところだ。

 

リングを作っていると、いつも思うのだけれど、

デザインは常に、おふたりがともに歩む時間を映し出すように出来上がっていくのかもしれない。

 

いくつかの作業を経て、炎のススや叩き跡の残るリングの表面をざっと綺麗に磨き上げた。

まだまだ作業は始まったばかりだが、シャンパンゴールドのやわらかな色彩が浮かび上がり、心が静かに弾む。

小さなリングに宿る、この躍動のような力強さは、ゴールドならではの魅力であるように思う。

 

おふたりにも手に取っていただきたいなと、ふと海のずっと向こうを想う。

どこかはやる気持ちを抱きつつも、その日の作業を終えることにした。

 

 

日が暮れて、ようやく涼しくなってきたころ。

「たまには少し遠出をしたいね」と妻と話し、島の東側まで車を走らせた。

 

大きな川辺に浮かぶように佇む山々のシルエットは、やっぱりこの夜も美しくて。

本当に何度も、妻と一緒にこの風景を眺めているけど、

ずっと変わらないものを前にして、今という時間への愛おしさがいっそう深く感じられた。

 

島のこの時間にしては珍しく、通りには人も行き交っている。

港のほうからは、濃い潮の香りが漂ってくる。

食堂のあかりに向かって歩いていると、猫が目の前を素早く通り過ぎた。

橋に装われたささやかなイルミネーションに心が躍る。

 

こうして夏の日々は、今年もまた、ゆるやかに、そして印象的に刻まれていくのだった。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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