夕暮れ時、満ちゆく光のなかで眺めたおふたりの結婚指輪。
シャンパンゴールドが響き合うとき。
いつものビーチで、
静かなる波のリズムに包まれて。
シャンパンゴールド、海と花。
大きな虹にも出会いました。
夏の余韻と、新しい季節が運んできた、深く鮮やかな色彩に包まれた結婚指輪づくりでした。
窓の向こうに水平線を眺めたり、裸足で波打ち際を歩いたり、
この島では、海とともにある時間が、何気なく流れていて、
海風や潮の香り、波の音のようなものは、いつしか暮らしの一部分になり、
自然とジュエリーのモチーフになったように思います。
遠く離れた場所ではあるけれど、海のそばで暮らすおふたりとは、どこか近い気持ちで繋がっているのかもしれません。
シャンパンゴールドでお仕立てした、シンプルなリングです。
その中に、海で出会った大切なフィーリングを、象徴的に込めました。
ビーチに腰を下ろし、夕陽を眺めていると、
ふと、流れ着いた小さなサンゴに目が留まりました。
沈みゆく太陽の光を斜めに受け止めて、波打ち際は、やわらかなオレンジ色の光に包まれています。
そのサンゴの上で、リングをそっと重ね合わせてみる。
シャンパンゴールドの輝きが、とても穏やかで、気品に満ちています。
緩やかなカーブを描くように削り出したフォルムが、強い西陽を受けて、互いにそっくりの陰影をつくり出していました。
その静謐な佇まいは、あまりにも海の情景に溶け込んでいて、
まるでずっとここで、わたしたちを待っていてくれたようにも見えました。
波打ち際を歩いていると、水はまだずいぶんとあたたかい。
けれど、風にはほんの少しだけ、冷たさが混じるようになりました。
1.8mmと2.3mm幅。
繊細で軽やかなフォルムなのに、手の中には確かな重みが伝わってきます。
それは、はるか昔から広く愛され続けてきた、ゴールドならではの魅力なのだと思います。
これから長い時間をかけて、どのような物語が紡がれてゆくのだろう。
おふたりの未来を想うと、胸が高鳴りました。
思えば、初めてお便りをいただいたのが、7月の初めだったから、この夏をいっぱいかけて、ご一緒した指輪作りでしたね。
あるいは、もっと前にジュエリーを見ていただいていた時から、この旅はすでに始まっていたのかもしれません。
これまでずっと、ありがとう。
島のリズムで進む、ゆっくりとしたジュエリー作りを、いつも温かく見守ってくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。
屋久島から、ご結婚おめでとうございます。
新しい季節が運んでくれた、芳醇な色彩に包まれながら。
その喜びと祝福を、おふたりに。