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島に届く香り、風。シャンパンゴールドの手触りについて #屋久島でつくる結婚指輪

アトリエの庭先に、金木犀が咲きました。

今年も大好きな花に出会えて、とても嬉しい気持ちです。

朝目を覚ましたときも、作業の合間にも、

その甘くてどこか懐かしい香りに引き寄せられるようにして、

癒されながら、今日もジュエリーを作っています。

 

案外少なく感じるかもしれませんが、

全部で四本のヤスリを使い分けながら、リングの造形作業を進めています。

 

お二人の暮らしの中で、長くご愛用いただく結婚指輪ですので、

着け心地は何よりも大切にしたいところです。

 

リングの内側にも、精密ヤスリをしっかりとあてて、

指にやさしく馴染むよう、丸く丁寧に削り出していきました。

 

左側が彼のリング。大まかな削り出しの作業を終えたところです。

右側が彼女のリング。これから造形作業を行うために、マジックでガイドラインを描いています。

 

考えてみると、すべてはフリーハンド。手の感覚だけを頼りに進める、昔ながらのジュエリー作りです。

 

そこには、細やかなタッチから生まれる微妙な揺らぎが集まり、ひとつの息吹のようなものを形成していく過程があります。

 

計算された完璧なフォルムではないかもしれません。
けれど、そこから生まれるのは、世界にただひとつの形であることは間違いありません。

 

色や輝き、そしてフォルムに宿る、その温度を帯びた揺らぎが、愛おしく思えてならない。

作り手にとっても、受け取ってくださる方にとっても、

そこには、何事にも代えがたい喜びがあるように思うのです。

 

夕暮れ時、山々の方から大きな雲がアトリエへ向かって、すごいスピードで流れていきました。

 

複雑に入り組んだ山のフォルムを抜けて届く風が、

空気の中に繊細な変化を生み出しているように感じられます。

 

山の近くで暮らすことって、本当に素晴らしい。

暮らしの中に、何気なく、深い思考や変化に富んだ感情を運んできてくれるように思うのです。

 

美しかった屋久島に、ありがとう。

明日もまた、ジュエリー作りです。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

島時間の中で、少しずつ。シャンパンゴールドが育まれるとき #屋久島でつくる結婚指輪