
シャンパンゴールドの音色。
魅せられるほどに深い緑。
屋久島で生まれた、おふたりの結婚指輪。
色づく季節に紡がれた素敵な出会いに、ありがとう。
島時間の中で、少しずつ。シャンパンゴールドが育まれるとき
不思議なもので、デザイン作りから始まり、お届けまでの数ヶ月をご一緒するオーダーメイドでは、
交わした会話や細やかな出来事、日々の作業のひとつひとつを、
まるでフィルムに収めて大切にしまっておいたように、
ずっと先まで鮮明に覚えていることが、よくあります。
そこに育まれる時間そのものが、指輪という形を作り出してゆく。
それは、一輪の花が咲くような、かけがいのない経験なのかもしれません。
すごく楽しみでもあるはずなのに、
どこか、もっと続いてほしいと思えてしまうことがある。
完成を見極めるのに、小さな勇気がいる。
おふたりとの指輪作りもまた、そのような印象的な時間であったように思うのです。

しずくを纏ったシダの葉のそばで、ふたつのリングをそっと並べてみる。
シャンパンゴールドが、森に差し込む光のような静謐な輝きを湛えています。
その、ほのかな温度を帯びた力強い色彩が、島の情景と響き合っているように感じられました。

角度を変えるたびに、見るたびに、
リングの表情や手触りがいつも新しくなって、
つい、くるくると遊んでしまいます。
リングの表面に波打つライン。
たゆたうように仕立てたシルエット。
リングの幅に抑揚をつけたこと。
細やかな手仕事が重なり合い、躍動のリズムを奏でています。
ふたつのリングは、同時に、ひとつのものとして、ここに佇んでいます。

しとしと、秋の冷たい雨が降り続いています。
指輪作りの間は、サキシマフヨウの花が咲いていて、その薄ピンク色にいつも癒されていました。
同じ屋久島サウスの、すぐ近くで、おふたりも同じ季節を過ごしている。
ひとりきりで向かい合う作業ではあるけれど、ひとりではない。
そう思えることに、どこか心励まされていたように思います。
とりわけ、建築のお仕事に深く関わっているおふたりとは、
何気ない会話の中で、造形に関わる話をするのが楽しかった。
わたくしごとですが、父が建築士だったこともあり、建築からは、ジュエリーづくりに確かに大きな影響を受けてきました。
自然と暮らし、そして、理(ことわり)と気配の出会うところ。
近い場所を目指して歩いている仲間に出会えたような、
やわらかなつながりのようなものに包まれていた指輪作りでした。
屋久島が紡いでくれたこの出会いに、心から感謝します。

お仕事で長く島に滞在しているあいだに、
サンプルリングをお作りしたり、刻印の文字を一緒に相談したりしながら、ともに過ごした日々も、
今となっては、とても貴重な時間だったように思えてきます。
お仕事終わりのミーティングも、懐かしいですね。
最初は全く何もなかったところから、
このふたつのシャンパンゴールドのリングが生まれるなんて!
紡がれゆく時間の、なんて美しいことでしょう。
そして、これからおふたりが育んでゆく時間のことを思うと、
どこまでも広がるような、果てしない気持ちに満たされるのでした。
ご結婚おめでとうございます。
またいつの日かお会いして、お互いの旅の続きのお話ができれば、これほど嬉しいことはありません。
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