細部を丁寧に作り込んでゆくと、そこに小さな息吹が芽生え始める。朝露を纏ったシダの葉を手に取るような、そんな時間が生まれるといいなと思いながら、日々作業机に向かっている。
道を探りながらのリメイク作業も軌道に乗ってきたところ。実は二つのジュエリーを並行して作っています。
彼女もお名前に夏という文字を持っているのだけれど、これ以上ないタイミングのような気がする。大きくなりつつあるバナナ、夕日に染まる海、虫の大合唱も、屋久島の8月がジュリーづくりを盛り上げてくれている。
さてさて、今日のアトリエです。
まだ細部、もう少し細部を。
ぱっと見た感じではわからないかもしれないところをしっかりと頑張る。
しずくのような、泡のような。ゴールドとパールが出会う素敵さよ。
もしかすると、いや、間違いない。真珠はこの国で産出される代表的な天然素材なのだ。上品で、自然体で、日本ならではの優しい風合いがあるように思う。
もちろん、西欧にもパールを使うジュエリーの文化が深く根付いている。日本の冠婚葬祭的なデザインづくりではなくて、クラシックなスタイルで作られるブローチだったり、ネックレスも、広く、そして時代を超えて愛されているところも興味深い。
日本独特の自然観と西欧の伝統的な様式の出会う場所をずっと探し続けている。
もう4日目くらいだろうか。夕暮れ時には海に向かって車を走らせるのがこの頃の日課になっている。島暮らしといえど、こんな情景は夏のひとときにしか見られない。ファインダーを除いて夢中になっていいると、周りに人たちも集まってきた。夏休みのビーチなのだ。
水平線に近づいた太陽は海面に光の道を作りながら、想像以上のスピードでその姿をフェイドアウトしてゆく。今日もありがとうねーと、なんとなく周りの人たちと感謝の気持ちを共有できるのも嬉しい。
きっと明日もジュエリー作りをして、夕方にはここにやってくるのかな。いつもの同じリズムではあるけれど、移りゆき新しくあり続ける色彩を眺めていると、それもまた悪くはないなと思えてきた。
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