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一期一会の結婚指輪作り。屋久島の緑の中でプラチナリングを眺めていた。#屋久島でつくる結婚指輪

結婚指輪のオーダーメイドは数ヶ月に及ぶじっくりとした制作ではあるけれど、お二人とは一期一会というか、一度だけの時間をご一緒することになる。

 

お二人の指輪作りで作業机に向かっていたのは、島に色鮮やかな若葉が広がっていく新緑の時期であった。

日に日に立体感を得る山々の賑わいがワクワクで、作業の合間に窓の向こうをよく眺めていたのを覚えている。

 

わたし自身にとっては、そのような時間を経て手の中で育まれる指輪もまた、まるで海を渡る雛鳥のようにやがてここを通り過ぎていく存在なのかもしれない。

 

造形のひと段落をした彼のリングは私のサイズよりも少し大きかったので、実際に薬指に合わせることができた。

窓際に届く光にそっと翳してみる。

夕暮れ時の緑が深い。

マット仕上げを施したばかりのプラチナリングが静かに輝いている。

 

わたしもしっかりとした手をしている方なので、リング幅2.5mmはとてもしっくりとくる。

すっきりと手の中で収まりがよく、同時にプラチナの確かな重みを感じることができた。

 

楽しくなってきて、時々ファインダー越しのピントを外したり合わせたりして遊ぶ。

島の緑に響き合うように輝きを放つプラチナリングを眺めていたら、まるで小さな光の輪を纏っているように感じられた。

 

さて、束の間のふれあいである。本当に!

 

これからお二人の結婚指輪は内側の彫刻作業を経て、いよいよ完成を迎えることに。

お二人のご結婚をお祝いするパーティーの日がすぐその後に控えている。

あとワンアクションは島の外で作業することになるけれど、少しの余裕を持ってここまで辿り着くことができたように思う。

 

ほっと一息をついたのと同時にまた次の準備に取り掛からないといけない。

ある意味においては、指輪作りは出会いを重ねながら前に進んでゆく旅のようでもあると思う。

素晴らしい時間にありがとう!

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

屋久島の海とジュエリー。プラチナリングに刻んだ波のリズム #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島の海とジュエリー。プラチナリングに刻んだ波のリズム #屋久島でつくる結婚指輪

 

久しぶりに晴れた!

空を見上げるだけでなんだか嬉しい。

そんなささやかな思いを誰かと語ることができるのも幸せかもしれない。

 

ちょうど彼のリング作りを始めるタイミングだったので、その前に海まで出かけてみた。

裸足で浜辺を歩いてリフレッシュして作業机に向かうことできるのは島暮らしならではの喜びだと思う。

 

 

思えば長く雨の続いた制作days。

雨の屋久島、プラチナリング制作記 久しぶりの晴れ間に #屋久島でつくる結婚指輪

 

気がつけば海で過ごす時間がとても大切なものになっていて、

ジュエリー作りのひらめきのようなものにもここでたくさん出会えたような気がしている。

 

海の中で感じるリズム好きだ。

 

それは波だったり、冷たさや温かさあったり、あるいは潮の満ち引きであったりもする。季節の巡りもそうだろう。

ここでは実にさまざまなリズムが出会い重なり合って、今という刹那を創造し続けている。

 

いつものビーチで波に乗っていると、不意に思うことがある。

「もしかするとわたし自身もまたこの巡りの一部分なのかもしれないな。」

形のあるものないものが巡りあって生まれる今って奇跡かも!

そう考えると全ての出会いがとても貴重なものに感じられるのだ。

 

さてさて、アトリエです。

今日も作っている。

プラチナリングの表面にリズムを刻み込む。

作業机の上に今日使う道具をきれいに並べておいて、まずは深呼吸。

彼のリングは彼女のリングとぴたりお揃いではあるけれど、サイズも大きくて力も大きくかかるだろうから、厚みに調整を加えてしっかりとした強度を持たせないといけない。

おそらく数時間後に現れるだろうフォルムのイメージは心の中にある。

あとはただひたすらに手を動かしていくのみだ。

 

まずは大きくて目の荒い鉄鋼ヤスリから始めて、目の細かい鉄鋼ヤスリへと。ガリガリ。

そして目の荒い番手の紙ヤスリを使って表面を削っていく。ここまでは大きく削ぎ落とすといったイメージだ。

 

同じ動きをリング一周、そしてまた一周。同じタッチを何度も繰り返していく。

それでもまだまだ荒削りな表情である。

 

ここから精密ヤスリに持ち替えて丹精に整えていく。

紙やすりの番手を細かくしながら手の中で柔らかなフォルムを作り出していく。

 

丸くて柔らかな曲線、シャープでエッジの効いたライン

シンプルな言葉をゴールの扉を開ける鍵のように大切に抱きながら。

 

そして何時間経っただろうか、やがてリングの表面に1本のラインが現れた。

リングを一周ぐるりと囲む、波のような緩やかなカーブだ。

 

ルーペで覗きながら細部をチェックしているだけでワクワクする。

うん、我ながらこれはいいラインに仕上げっているかもしれない。

 

明日の朝も海に出かけてみようかな。

リズムに乗ろう。

いつもの島時間が今日も優しく流れている。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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雨の屋久島、プラチナリング制作記 久しぶりの晴れ間に #屋久島でつくる結婚指輪

お二人と一緒に作ってきたイメージがカタチになる喜び。

久しぶりの晴れ間に庭先でプラチナリングを眺めていた。

 

指輪作りの工程はまだ半分をすぎたところではあるけれど、

彼女からLINE届いた日のことや、種子島からお二人とzoomで話したりしたことを早くも懐かしく思いながら。

 

それにしても春のふんわりムードで作業机に向かっている日々だなあ。

島リズムの指輪作りにお付き合いいただきましてありがとうございます!

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制作編

雨の屋久島、プラチナリング制作記 時間の花と指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

雨の屋久島、プラチナリング制作記 時間の花と指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

いよいよ本格的な造形の工程となった。小さなリングというかたちを生み出すことは時間をつくることなのかもしれない。

 

まだ角張ったプラチナリングの内側に小さな息吹を想像しながら鉄鋼ヤスリ1本を片手にその表面を削り出していく。

お二人と一緒にイメージをした印象のようなものが形を持って手の中に生まれてくるような感じがしている。

2.3mm幅のリングの両側面から伸びる曲線が徐々に位置を変えながら表面で交わり合い、それが連なって波のようなカーブをぐるりと一周描いていて、リアルの姿を持つのを今かと待っている。そんな気がするのだ。

 

このリングがこれからお二人とともに長い時間を旅していくことを想像できる。

生まれたてのフォルム、気持ちの良い質感だと思う。

 

時間は花のように美しい、と語られているのも、なるほど。

オーダーメイドで生まれる指輪もまた、野に咲いた一輪の花のようだな、と思う。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

庭先に咲いた月見草、プラチナリングとドーナツ #屋久島でつくる結婚指輪