アトリエの庭先には紫陽花が咲き始めています。
5月も半ばに差し掛かると、屋久島サウスでは雨の日も多くなってきました。
季節が新しくなるのを合図にするように、先月大阪から会いにきてくれたお二人の結婚指輪作りを始めています。
しとしと雨音に耳を澄ませながら、穏やかな気持ちで作業机に向かう日々です。
お二人が大好きな植物をモチーフにする結婚指輪作りはいかに。
彼女が選んでくれたモチーフはコスモスです。
プラチナの厚い板を糸鋸を使って花の形に切り抜きました。
そして精密ヤスリを使って細やかな表情を与えています。
大きさは約8ミリほどでしょうか。
アトリエで彼女の指の上にペンダントトップを乗せながら、デザインのバランスを相談していた時のことが懐かしく思い出されます。
コスモスは風に揺られる感じが素敵なのですよね。
しっかりとした重さのあるプラチナではあるけれど、
まるで手の中に花を包み込んでいるような、軽やかなシルエットを思い描きながら。
そして、彼はシダの葉のモチーフを選んでくれました。
こちらも葉っぱ部分はプラチナを使って、糸鋸でそのアウトラインを形作っていきます。
少しずつ、少しずつ、
ただ静かに小さなタッチを積み重ねてくのは、
植物たちの歩みに似ているのかもしれません。
雨が上がったのをタイミングに、作業の手を休めて少し休憩をとりました。
今年も美しかった百合にありがとう。
庭先では紫陽花に、ハイビスカスにバトンをタッチをして、
開花の続くこの季節は右へ左へとなかなかに忙しいものですが、笑
お二人とは植物や自然を愛する気持ちで繋がっているように思うのです。
ゆっくりでもいい、前に進み続けよう。
屋久島のリズムにインスパイアされながら、日々の作業を繰り返しています。
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