アトリエの庭に藤の花が咲きました。
ノースの銘店 新月堂さんのいちご大福。
美味しくて美しい春の日々です。
アトリエの庭に藤の花が咲きました。
ノースの銘店 新月堂さんのいちご大福。
美味しくて美しい春の日々です。
久しぶりに晴れた!
空を見上げるだけでなんだか嬉しい。
そんなささやかな思いを誰かと語ることができるのも幸せかもしれない。
ちょうど彼のリング作りを始めるタイミングだったので、その前に海まで出かけてみた。
裸足で浜辺を歩いてリフレッシュして作業机に向かうことできるのは島暮らしならではの喜びだと思う。
思えば長く雨の続いた制作days。
気がつけば海で過ごす時間がとても大切なものになっていて、
ジュエリー作りのひらめきのようなものにもここでたくさん出会えたような気がしている。
海の中で感じるリズム好きだ。
それは波だったり、冷たさや温かさあったり、あるいは潮の満ち引きであったりもする。季節の巡りもそうだろう。
ここでは実にさまざまなリズムが出会い重なり合って、今という刹那を創造し続けている。
いつものビーチで波に乗っていると、不意に思うことがある。
「もしかするとわたし自身もまたこの巡りの一部分なのかもしれないな。」
形のあるものないものが巡りあって生まれる今って奇跡かも!
そう考えると全ての出会いがとても貴重なものに感じられるのだ。
さてさて、アトリエです。
今日も作っている。
プラチナリングの表面にリズムを刻み込む。
作業机の上に今日使う道具をきれいに並べておいて、まずは深呼吸。
彼のリングは彼女のリングとぴたりお揃いではあるけれど、サイズも大きくて力も大きくかかるだろうから、厚みに調整を加えてしっかりとした強度を持たせないといけない。
おそらく数時間後に現れるだろうフォルムのイメージは心の中にある。
あとはただひたすらに手を動かしていくのみだ。
まずは大きくて目の荒い鉄鋼ヤスリから始めて、目の細かい鉄鋼ヤスリへと。ガリガリ。
そして目の荒い番手の紙ヤスリを使って表面を削っていく。ここまでは大きく削ぎ落とすといったイメージだ。
同じ動きをリング一周、そしてまた一周。同じタッチを何度も繰り返していく。
それでもまだまだ荒削りな表情である。
ここから精密ヤスリに持ち替えて丹精に整えていく。
紙やすりの番手を細かくしながら手の中で柔らかなフォルムを作り出していく。
丸くて柔らかな曲線、シャープでエッジの効いたライン
シンプルな言葉をゴールの扉を開ける鍵のように大切に抱きながら。
そして何時間経っただろうか、やがてリングの表面に1本のラインが現れた。
リングを一周ぐるりと囲む、波のような緩やかなカーブだ。
ルーペで覗きながら細部をチェックしているだけでワクワクする。
うん、我ながらこれはいいラインに仕上げっているかもしれない。
明日の朝も海に出かけてみようかな。
リズムに乗ろう。
いつもの島時間が今日も優しく流れている。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
お二人と一緒に作ってきたイメージがカタチになる喜び。
久しぶりの晴れ間に庭先でプラチナリングを眺めていた。
指輪作りの工程はまだ半分をすぎたところではあるけれど、
彼女からLINE届いた日のことや、種子島からお二人とzoomで話したりしたことを早くも懐かしく思いながら。
それにしても春のふんわりムードで作業机に向かっている日々だなあ。
島リズムの指輪作りにお付き合いいただきましてありがとうございます!
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
制作編
いよいよ本格的な造形の工程となった。小さなリングというかたちを生み出すことは時間をつくることなのかもしれない。
まだ角張ったプラチナリングの内側に小さな息吹を想像しながら鉄鋼ヤスリ1本を片手にその表面を削り出していく。
お二人と一緒にイメージをした印象のようなものが形を持って手の中に生まれてくるような感じがしている。
2.3mm幅のリングの両側面から伸びる曲線が徐々に位置を変えながら表面で交わり合い、それが連なって波のようなカーブをぐるりと一周描いていて、リアルの姿を持つのを今かと待っている。そんな気がするのだ。
このリングがこれからお二人とともに長い時間を旅していくことを想像できる。
生まれたてのフォルム、気持ちの良い質感だと思う。
時間は花のように美しい、と語られているのも、なるほど。
オーダーメイドで生まれる指輪もまた、野に咲いた一輪の花のようだな、と思う。
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
制作編
屋久島サウスのアトリエです。
庭先では月見草がポコポコと咲き始めている。
外は相変わらずの雨降りではあるけれど、一年ぶりの薄ピンク色が嬉しくなって軒先に出てファインダーを覗いていた。
モワッとあたたかで重たい湿度を感じるのも久しぶりだったかも!
屋久島が屋久島らしくなりつつある季節がやってきた。
雨の日のジュエリー作りはいつも愉しい。
ポツリポツリ雨音をBGMにしてお二人の結婚指輪を作っている。
手の中にある感覚を頼りにする昔ながらのジュエリー作りではあるけれど、
案外細やかな数値を大切にして進めていく。
たとえば、二人のリングの厚みに0.2mmの違いをつけてみたり、切削と磨き仕上げ作業で目減りする0.1mmのボリュームをあらかじめ計算しておいたり。
0.1mm単位で造形の雰囲気が変わってしまうので、常に今の状況に意識を置いておかないといけない。
一度前に進めると戻ることのできない作業かもしれない。
思い切りの良いタッチが必要ではあるけれど、いつも注意深くなくてはならない。
なんだかシーソーのような制作に夢中になりながら、
今日も作業机に向かっている。
くるりと曲げたプラチナはその両端をぴたりと合わせておいて、繋ぎ目にほんの少しだけ融点の低いプラチナを添えてから酸素トーチの炎に包み込んだ。
リングの温度がある一定の温度まで上昇したところで、繋ぎ目に添えておいたプラチナのみが溶け始め繋ぎ目の間を液体となって通り抜ける。
その瞬間を見定めてわたしは酸素トーチの炎をぴたりと止める。
真っ赤だったリングは徐々にその温度を失い元の銀色に戻っていく。
繋ぎ目に流れ込んだ金属もそれと一緒に温度を下げる。
温度が下がり切るのを少し待ってルーペでその継ぎ目をチェックすると、しっかりとリングの両端をつなぎ合わせてくれているのを見てとることが出来た。
相変わらず背筋が伸びる作業だけど、うまく接続できたように思う。
最初は力をかけてくるりと曲げることができたプラチナだけど、こうして両端をつなぎ合わせてリングにするとグッと硬くなる。
そしてリングの表面と側面を金槌でコンコンと力を入れて叩き、更なる圧力をかけながらリングの形を均一に整えていった。
ここまでやっておくと瞬発的にも、長期的にも、変化に対してプラチナリングは安定した強さを得る。
表面の凸凹は消えてなくなるし、デザインには見えないところかもしれないけれど、つけ心地に響くところをしっかりと頑張っておく。
作業の合間には久しぶりのアラスカドーナツさん!でホッと一息つきました。
雨だったり、ファインダーの中だったり、花も。
あと美味しいおやつもそうなのです。
朝起きてからずっと、自分にとっての救いのようなものを周りに集めているような時間かもしれないけれど、
誰かと分かち合うことができると日々は喜びに包まれます。
いつも隣にいる大切な人と。
ジュエリーを受け取ってくれる皆さまと。
小さな世界を育むことができれば幸せだなと思います。
屋久島サウスのアトリエより、みなさま素敵な日曜日を。
明日もまた、ジュエリー作りです!
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547