こちらは台風前夜の空模様。
台風が近づくといつも決まってのことで、
空がクリアで、幻想的な色彩に包まれます。
そして、ちょうど今日は台風が島の左側を通過する日でありまして、
このタイミングに作業に没頭できる!とばかり、
ギャラリーの雨戸を昨日のうちにセットして、
食料の調達も全て済ませたし、
準備万端で作業机に向かうことにした。
屋久島から新潟へ。
ちょうど今、お米の収穫作業真っ最中のお二人に届ける結婚指輪作りが新しく始まります。
まずは最初の第一歩。
シルバーの地金を溶かすところから。
奥のるつぼにシルバー片を入れて、ガスバーナーで溶かして、手前の金型に流し込む。
このようして細くて角ばったシルバーの線材を作ります。
このままではまだまだ洗い状態なので、さらに火をかけて伸ばして、叩いて、
形を整えていくと、
幅3.2mm 厚み1.8mm 長さ70mmほどの板が出来上がった。
彼のリングは幅3.0mm厚み1.7mmで仕上げる予定なので、ぴったりの出来だろう。
それにしても、この柔らかな質感はシルバー特有のものだと思う。
手にとっていると、静かなフィーリングが伝わってきて、
親密な気持ちに包まれた。
それは親しい幼馴染と話しているような、心穏やかな時間に似ているなと思った。
今回の結婚指輪は、彼のリングをシルバーで、彼女のリングをイエローゴールド で作り進めることになっていて、
お二人とはこれまでずっとメールやfacebookのメッセンジャーでデザイン作りをすすめてまいりました。
まだお会いしないけれど、その素材やアウトラインのチョイスから、彼と彼女の人柄が伝わってきて、
作業をしていると時々、そんなお二人のイメージに包まれます。
屋久島から海を越えて、お二人は新潟で農業を営んでいて、
たぶん、土や水、作物、花々、虫に鳥に、そして雨に風に太陽に、
きっと自然いっぱいに包まれての暮らしなのかな。
大好きな自然の中で、ずっと昔からそこにあったような。
どうすれば自然の一部のような指輪をつくることができるんだろう。
いつもジュエリーの理想の姿を想像しています。
それはどこまでもシンプルに、アウトラインを造形することなのかなと、最近は考えています。
夕暮れ時、作業がひと段落。
ようやく雨もおさまったので海に出かけると、
それは大きな虹に出会いました。
明日も素敵な1日を♪