精巧な細工に挑戦しているといつも作業に没頭してしまう。
机の上が道具の海のようになっている。
大きさは8mmほどの小さな花を作るのだけれど、支えてくれたのはこんなにもたくさんの道具たちである。
自然の中で出会う柔らかさのようなものを硬い金属に与えるために試行錯誤を繰り返す。それもまた趣深い。
花のフォルムは美しい、いろいろな表情を眺めることができる、一つ一つのパーツは繊細でとても薄く、つながりがスムーズで、ワクワクする。
しかし、庭先だと一つの季節だったり、花束だと数日くらいでその楽しみは終わってしまう。
その儚さ故の美しさなのでもあるけれど、どうしてもそれを金属の長い時間の中に留めておきたくなるのだ。
イエローゴールドとダイヤモンドに永遠を感じながら、小さな花の婚約指輪をつくている。
ずっと長くお使いいただくために、素材の耐久性に加えてしっかりと丈夫に仕上げるのは大切なことだ。
しかしながら、植物が持つその繊細さを愛おしく思いながら。
この辺りのバランスをしっかりと取りながら。
ダイヤモンドは最高品質のものを用意できた。
イエローゴールドで作ったお花と細いリング、ダイヤモンド、シンプルな組み合わせで作っていく。
元気に開く小さな花が好きだ。
作業がひと段落して庭先で一休みしたのは、陽が落ちる頃だった。秋の冷たい空気が心地よくて、思い切り深呼吸。
道具もそうだし、屋久島の空も木々も、鳥たちの声も、いつもジュエリーづくりに寄り添ってくれているのだろう。
そう思うと、今この時間そのものがとても愛おしく感じられた。
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