夕暮れ時、作業がひと段落したとろろでいつものビーチまで出かけた。
アトリエから車を走らせて15分ほどの距離にあるビーチは島の西側に面しているのでサンセットを眺めることができて嬉しい。
今日はずっと曇っていたのだけれど、15分くらいのゴールデンタイムに出会えることもできた。
何よりも生まれ大阪で育った私は海のある暮らしにずっと憧れてきたように思う。
もちろん、こうして浜辺を歩いたり、波に乗ったり泳いだりする時間が幸せであるのだけれど、
窓の向こうから何気なく漂ってくる潮の香りだったり、月の満ち欠けを何気なく気にしていたり、友人が釣ったばかりの魚を持ってきてくれたりして。
海と共にある暮らしを愛してやまない。
宮古島にいるお二人とはそのようなフィーリングでつながっているのかな、とも思う。
実のところまだお会いしたことのないお二人ではあるけれど、
気の合う大切な友人に届けるように、結婚指輪をお作りしているような気がする。
屋久島から海を越えてはるか南へ。宮古島に暮らすお二人に。
作り始めた結婚指輪は海で眺める情景をモチーフにしてつくるプラチナリングである。
もちろん、海でのアクティビティーでも安心してお使いいただける丈夫さも備えていなくてはならない。
デザイン作りではメンテナンスのやりやすさにもこだわってきた。
1000度を超える作業温度であるのもプラチナが持つ耐久性のベースになっているだろう。
リング状にしたプラチナの表面は金槌で強く叩いた。圧力を与えてリングの強度を上げるためだ。
表面を、側面も、何度も同じ作業を繰り返すと、表面には風波が海面に生み出したゆらめきのようなテクスチャーが現れた。
この表面は一旦平らに慣らしてから本格的な造形作業を始めることになるのだけれど、
一時的な装い、といったところだろうか。
作業台の上にプラチナの煌めきを眺めることができて胸が高鳴った。
ゆらめき、煌めき、リズム、
そのような言葉が大好きなのは、
やっぱり海での暮らしが長くなっているからなのかもしれない。
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