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巡りゆく季節。波のリズム。刹那と永遠と。#屋久島でつくる結婚指輪

漂う空気の中に、ときおり出会う秋の色彩に心を躍らせながら、おふたりの結婚指輪を作っている。

今年は、いつもよりも少し遅い秋のような気がするのだけど、それでも夕暮れ時にはオレンジ色を纏った雲がとても綺麗だ。

 

作業机に向かい、プラチナリングを手にしていると、金属に流れる時間を、ふと感じることがある。

それは、限りなく永遠に近い時間であるように思う。

 

繰り返し巡りゆく季節。波のリズム。刹那と永遠と。

小さなリングの中に宿る果てしない時を思い描きながら。

 

さて、今日も作っている。

 

プラチナリングは、その幅に変化を持たせて仕立ててある。

表面には、何本もの罫書き線を描き、それをガイドラインにして、マジックで波のようにゆるやかなラインを描いた。

作業の間では、案外、0.1mm単位の数字もたくさん登場する。

 

そして、鉄鋼ヤスリを片手に、リングを削り出していく。

マジックで描いたラインを残すようにして、思い切りよくタッチを重ねていった。

フォルムの中に一つの流れが生まれるまで、手を動かし続けなくてはならない。

 

作業に夢中になっていて、気がつけば、プラチナの粉が作業台の上にいっぱいになっていた。

 

リングはずいぶんとすっきり削り落とされ、そこに芽生えた、小さな温度のようなものを感じることができた。

はじめてリングが自然に近づいたように感じられて、なんだかほっこりした。

 

考えてみると、とても腑に落ちるもので、

自然と理とは、いつも同時にあって、世界にやさしさを作り出していく。

 

数字を駆使しながら合理的に進める作業にもまた、金属の時間と手の揺らぎが出会う、奇跡のような喜びがある。

 

今、手の中にあるプラチナリングにも、そのような調和に包まれた、小さな時間が育まれるといいと思う。

おふたりが思い描いたリングは、きっと、おふたりの物語を宿す、かけがえのないものに違いないのだから。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

季節とともに紡ぐ。屋久島と長野をつなぐプラチナリング作り #屋久島でつくる結婚指輪

季節とともに紡ぐ。屋久島と長野をつなぐプラチナリング作り #屋久島でつくる結婚指輪

新しい制作を始めることにしたのは、夜のあいだ激しく降っていた雨が止んだばかりの、湿度に満ちた朝のことだった。

庭先では、たくさんのツユクサが集うように咲いている。

久しぶりに大好きな花が咲いたのが嬉しくて、散りばめられたブルーの小花を眺めながら、静かな気持ちに満たされていた。

 

その屋久島の情景の中に、とても澄んだ、力強い輝きが共鳴している。

おふたりの結婚指輪は、お揃いのプラチナで作り進めていくことになる。

 

アトリエに戻り、窓の向こうに目をやると、山際に薄くかかった虹が見えた。

10月も半ばに差しかかっているというのに、屋久島の南部はまだ夏のような暑さに包まれている。

 

おふたりが暮らす長野は、もうすっかり秋の気配に満ちているのだろうか。

キノコや栗、リンゴ、そしてカボチャやサツマイモ。

どれも、きっと今がいちばんおいしい季節だ。

 

屋久島と長野。

自然と寄り添うように暮らす時間が、静かに距離を越え、

おふたりとわたしに、やわらかく、そして豊かなつながりをもたらしてくれている。

 

結婚指輪として永くお使いいただけるよう、特別に硬く配合をしたプラチナなので、

酸素バーナーの炎に包み、柔らかく焼きなましてから、全ての作業を始めることになる。

 

プラチナが少し柔らかくなったところで、鉄の芯金に当てて木槌で叩く。

それでもなかなかに硬いもので、しっかりと力を込めながら、

ゆっくりと、少しずつ、リング状に整えていく。

 

コンコン、とプラチナを叩く音がアトリエに響く。

昔からずっと変わることのない、手作業のリズムがここにある。

 

窓の向こうからは、ときおり激しい雨音が聞こえてきては、またどこかへと去ってゆく。

アトリエのすぐ前では、サキシマフヨウがポコポコと薄ピンク色の花を咲かせ始めている。

 

このようして、おふたりの結婚指輪作りは、南国の心地よい空気の中で、静かにその第一歩を踏み出したのであった。

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プロポーズの日に向けてお届けした、ヒマワリのネックレスの物語 #屋久島でつくる結婚指輪

ヒマワリのネックレス 18k yellow gold, silver, citrine

 

屋久島から、海を越えてお届けするネックレス。

大切なプロポーズの日に向けて、お仕立ていたしました。

 

夏の名残を思わせる眩しい光に包まれて、

咲いたばかりのヒマワリが、そっと輝いているように見えました。

 

海まで出かけ、波打ち際でそっと手に取ってみる。

ペンダントトップの大きさは、約13ミリ。

シルバーの花びらに、イエローゴールドの石枠を合わせてお仕立てしました。

 

軽やかなフォルムでありますが、手のひらには確かな重みが伝わってきます。

 

ひまわりといえば、なんといっても太陽の光のような黄色が印象的なのですよね。

その透明感のある輝きを思い描きながら、花の中央にシトリンをセットいたしました。

 

屋久島サウスのアトリエからすぐ近く、

山際に広がるひまわり畑。

 

海風に揺らめく黄色い光。

2025年の夏も、その情景にたくさん癒されました。

 

この胸踊るような喜びを、おふたりと分かち合えたら、何よりも嬉しく思います。

 

ネックレスは、ケースにお入れし、リボンをかけて丁寧に梱包いたしました。

おふたりにとって大切な記念の日に、ジュエリーをお選びいただき、心よりありがとうございました。

海の向こうからではありますが、おふたりの始まりの日をこうして応援することができ、幸せに思います。

 

いつの日か、ぜひ屋久島にいらしてください。

秋や冬にも、ひまわりが咲く南の島です。

 

祝福の光に包まれた夕暮れ時。

驚くほどに海水があたたかかった、いつものビーチにて。

 

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ピンクゴールドとプラチナが響き合う。希望あふれる結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

南国のまぶしい光がブラインド越しに差し込み、アトリエをあたたかな空気で満たしている。

日中の汗ばむほどの暑さが続いているけれど、この場所にいると、どこまでも静かで、心は涼やかに落ち着いていく。

木槌を片手に、コンコンと響く音に包まれながら、いよいよ迎えた大切な造形作業に夢中になっていた。

 

ひとつのピンクゴールドとひとつのプラチナに、これまで少しずつタッチを加えてきた。

一度進むと戻ることのできない、金属を扱う繊細な手作業である。

ときには微妙な調整を加えながら、ここまで歩んできた。

 

そのようにして生まれる、ごくささやかな“揺らぎ”のようなものが、ひとつだけの息吹をリングに宿すことになる。

まるで、野原に咲いたばかりの一輪の花のように、

 

2本のリングのアウトラインには、お揃いのカーブを施した。

水面を漂う波のようにやわらかで、どこまでもスムーズな曲線だ。

 

これまで少しずつ異なっていた意匠を、はじめて一つの場所に繋ぎ合わせることができた。

視覚的にも、つけ心地にも優しいフォルムを作り出すことができたように思う。

 

鉄の台の上で、リングをそっと重ね合わせる。

ふと、夏のアトリエでお会いしたおふたりのことを思い出す。

 

新しい暮らしを始めたばかりのおふたりは、きっと今頃、それぞれの道を歩みながら、大忙しの日々を過ごしているのだろう。

なんだか、このふたつのリングが、おふたりの響きと重なるように思えて、微笑ましくなる。

 

うん、きっとよくなるだろう。

 

残すところは、内側の彫刻作業、石のセッティング、そして磨き上げ作業だ。

 

少し先の未来への希望を抱きながら、最後の仕上げ作業へと向けて準備を進めていくことにした。

 

今日も、ひとつひとつ。

 

 

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制作編

夏の余韻。やさしい気持ち。ピンクゴールドの呼吸。#屋久島でつくる結婚指輪

出会い編

島が紡ぐ物語、真夏の結婚指輪相談会 #屋久島でつくる結婚指輪

夏の余韻。やさしい気持ち。ピンクゴールドの呼吸。#屋久島でつくる結婚指輪

プラチナとピンクゴールド。ふたつの素材を用いて、おふたりの結婚指輪を作り進めている。

 

彼女のピンクゴールドは、細い部分が1.3mm幅と、とても繊細だ。

その華奢なシルエットを、息を潜めるようにして、鉄鋼ヤスリで慎重に削り出していく。

 

彼のリングとは、素材もフォルムも異なっている。

けれども、その奥底にはふたつを繋ぎ合わせる確かなインスピレーションが流れているように思う。

時間という、同じひとつの流れを宿すように、タッチを重ねていく。

 

 

おふたりと一緒に思い描いたイメージが、少しずつ形になっていく時間は、心躍る。

喜び満ちる日々に、ありがとうございます。

ひかりを紡ぐ。プラチナリングに巡る時について #屋久島でつくる結婚指輪

 

台風が去ったあとなのに、なぜか夏が戻ってきたように暑いのはなぜだろう。

庭先ではシロツメクサが背丈を伸ばし、ハイビスカスもまた元気に花を咲かせ始めている。

 

いつもは作業机に向かい続ける、静かでシックな時間が流れているのだけれど、

庭先で出会うささやかな変化が、とても新鮮な喜びを与えてくれる。

休むことなく、力強く生き続ける植物たちの姿に癒されながら、今日も作業机に向かっている。

 

さて、指輪作りもいよいよ後半に差し掛かった。

ピンクゴールドのリングをひととおり削り終えたところで、紙やすりでざっと表面を磨き上げ、そのあとにリングを朴炭の上に乗せ、ガスバーナーの炎に包んだ。

いくつかの工程を経て緊張を帯びた金属を、ここで一度、やわらかく解きほぐすためだ。

 

金属というのは不思議なもので、作業机に向かっていると、ときおりその中に、小さな呼吸のようなものを感じることがある。

 

その小さなリングに、一つだけの温度を宿すように、これからさらなる造形を重ねていくところだ。

 

柔らかで、力強い。

植物を手にするときのように、やさしい心地に仕上げることができればいいと思う。

 

夜になると、窓の向こうには星空が広がった。

雲ひとつなく、澄み渡る山際を眺めるのは、ずいぶんと久しぶりのような気がした。

 

そういえば、おふたりは屋久島よりもずっと南の島に暮らしていたと言っていたけど、

そこで眺める星空も、きっと見事なものだろうなあ。

 

明日もまた、暑くなりそうだ。

 

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ひかりを紡ぐ。プラチナリングに巡る時について #屋久島でつくる結婚指輪

島に接近していた台風は、幸いにも上陸することなく、静かなうねりだけを残して東の海へと去っていきました。

いつものビーチで眺めた空は、思わずゾクっとするほどに澄み渡り、秋の到来を感じさせる深く鮮やかな色彩が広がっていました。

こうしてひとつの台風が過ぎるたびに、季節が新しくなっていく。

ダイナミックでありながらも繊細に巡る時の流れを、自分自身がその一部として感じられるのは、島暮らしならではの感覚なのかもしれません。

 

 

入道雲からうろこ雲へ。ハイビスカスからサキシマフヨウへ。

刻々と移ろう季節のグラデーションに包まれて、お二人の結婚指輪を作っています。

朝露に煌めく朝に #屋久島でつくる結婚指輪

 

海で出会う流線や、山々のフォルム、月の満ち欠けも、

すべては、巡りゆく時間が形づくるもののように感じられます。

 

あるいは、わたしたちが自然の中に日々眺めているものは、

刹那という形式をとった、時間そのものなのかもしれません。

 

プラチナとピンクゴールドでお仕立てする、おふたりの小さなリングもまた、

巡りゆく時の流れであり、

同時に、今という瞬間でもある。

 

手の中に生み出していくのは、そのようなフォルムであるように思うのです。

 

さて、アトリエです。

プラチナとピンクゴールドがリングになりました。

その色彩のコントラストに、しばし魅入りながらも、

これからいよいよ本格的な造形作業に取りかかるところです。

 

まずはプラチナリングの表面にいくつかの罫書き線を描き、その罫書き線を目印にしながら、向かい合わせになるよう波のような流線をマジックで描きました。

その流線に沿って、地金を削り出していきます。

 

まずは目の粗い鉄鋼ヤスリを片手に、大きく、力強く。

ラインの際にきちんと収まるよう、注意深くタッチを重ねていきます。

 

大まかな造形が取れたところで、ヤスリを細かい目のものに持ち替え、また一周。もう一周。

とても地味な繰り返し作業ではあるけれど、タッチを重ねるたびに、少しずつ、わたしたちが思い描いていたフォルムの、小さな兆しのようなものが見え始めてくる。

 

こうして、冷たくて硬いプラチナに息吹が宿りつつある瞬間を分かち合えるのは、オーダーメイドならではの喜びであるように思います。

 

夕暮れ時に一息をついて、リングのフォルムを太陽の光の下で眺めました。

リング全体は、丸くて柔らかな曲線で包み込みました。

その中に、“流れ”を表現するラインが巡っています。

 

一日の終わりを告げる柔らかな光を受けて、リングの表面には濃い影が生まれていました。

 

この“流れ”を、もっとスムーズに磨き上げていくと、光がより自由に巡りゆくようになるだろう。

 

リングに宿る、移ろう輝きを思い描くと、なんだか心が躍りました。

 

ふと見上げると、木々を通り抜けて届いた光が眩しくて、

サキシマフヨウの花びらは、淡いピンク色の透きとおるベールのように見えました。

 

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月と星、ピンクゴールド。屋久島を訪れ、結婚指輪を作ること #屋久島でつくる結婚指輪

彼女が屋久島を訪れるのは、なんと二十年ぶりとのことでした。

当初は接近が危ぶまれていた台風も進路を変え、穏やかな天候に恵まれた日。

待ちに待った、結婚指輪の相談会でした。

 

「20年前は小学生で、宮之浦で眺めた星空は今でも鮮明に覚えています」

彼女が、時をそっと振り返るように言いました。

たしかに、屋久島の自然には、心を強く惹きつける磁力のようなものがあるように思います。

その数年後にわたしが島に暮らし始めたことを思うと、時の巡りが導いた神秘を感じずにはいられません。

お互いにとって大切な場所が紡いでくれたご縁に、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

おふたりの結婚指輪はお揃いのピンクゴールドで。

細部のデザインを少しずつ変えてお作りすることになりました。

「仕事中はつけないので、特にこだわりはなくて」と、最初のうちはそう話していた彼でしたが、

サンプルリングを手に取るうちに、少しずつイメージが広がっていき、

みんなでデザイン選びに夢中になったのが、とても楽しく、心に残る時間でした。

 

こうしていつも、おふたりの暮らしや大切な想いから、一つだけのデザインが生まれるのだから、面白いです。

出会うことって、本当に素敵だなと思います。

 

大雨の予報も気持ち良いくらいに外れ、西の空には晴れ間も広がり始めていました。

アトリエの庭先ではハイビスカスがいっぱいです。

 

翌日の森歩きも、きっと心地よいものになりそうだし。

20年ぶりに訪れた島からの、小さな恵みかもしれませんね。

 

ほんの数時間だったけど、おふたりとお会いできて、これまでにはなかったデザインが生まれました。

わたし自身も、とても楽しみな指輪作りです。

島の季節の中で、少しずつ育まれゆく時間を、どうぞあたたかく見守っていてください。

 

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朝露に煌めく朝に #屋久島でつくる結婚指輪

秋の花々が咲き始めている。

 

夜のあいだに気温がぐっと下がるせいで、庭先の植物たちは冷たい雫を纏い、

やがて日が昇ると、世界はまるで宝石を散りばめたように、きらきらと輝き始める。

 

早朝の庭先で、一年ぶりに咲いた黄色い花や、いつものツユクサを眺めながら、

新しく始まる指輪作りの工程を思い描いていた。

 

いつの間にか、まだ夏の名残を思わせる明るい陽光がアトリエを包み込んでいる。

どこからか金木犀に似た甘い香りが漂ってくる。

 

朗らかな空気に満たされた、とても素敵な朝だった。

 

プラチナとピンクゴールドでは、作業温度や硬さが大きく異なり、

それぞれに適した工具やタッチを使い分けながら、その工程を進めていかなくてはならない。

 

まずは、彼のプラチナをリング状に巻く。

そして、酸素バーナーの炎に包み、真っ赤になるまで熱し、その両端をつなぎ合わせる。

 

およそ数十秒ほどの、とてもシンプルな作業ではあるが、

プラチナが熱を帯び、溶けながら大きく変化を遂げていく様を目の前にすると、

金属が携える、果てしない“時”のようなものを感じずにはいられない。

 

プラチナがつなぎ合わされ、ひとつのリングとなったところで、

鉄の芯金に通し、木槌で叩きながら、完全な円形を作り出していく。

 

コンコン、と昔ながらの手作業の音がアトリエに響く。

窓の向こうでは、島に接近中の台風が運ぶ風が、少しずつ強く吹き始めてきた。

 

このようにして金属は、形を変えながら、果てしない時間を通り抜けて、いま、わたしの手の中にある。

そしておふたりと出会い、屋久島の季節の中で結婚指輪を作っているのだと考えると、

この瞬間が、開花したばかりの花に宿る、一滴の雫のような奇跡に思えた。

 

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出会い編

島が紡ぐ物語、真夏の結婚指輪相談会 #屋久島でつくる結婚指輪

若葉の指輪。屋久島で紡がれる、ひとつの結婚指輪の物語 #屋久島でつくる結婚指輪

おふたりの結婚指輪は屋久島で出会った緑のイメージで。

イエローゴールドに、一粒のダイヤモンドを添えてお仕立てしました。

小さな森の中で眺めると、そこに芽生えた柔らかな若葉のように見えました。

 

ゴールドの若葉は、実物と同じくらいの大きさです。

植物の柔らかな手触りを金属に映し出すように、表面には細やかな凸凹のテクスチャーをつけて仕上げました。

 

今回は、結婚指輪ということで、リング部分にはしっかりとしたボリュームを持たせてあるのがわかりますでしょうか。

見た目の軽やかさよりもずっと、確かな手触りが伝わってきます。

 

昔ながらの手作業で、じっくりと作り進めてきたリングです。

 

指輪作りの始まりに、彼が送ってくれた写真を見て、驚いたのをよく覚えています。

彼女がシダの若葉を、リングのように指に添えていて、それがわたしのつくるジュエリーによく似ていたのです。

あるいは、そのものと言ってもいいくらいに、そっくりでした。

 

草葉を摘んで身に纏うように。

それは、わたしたちが幼い頃から抱く、永遠の想いなのかもしれません。

その深い部分に漂う純粋さのようなものに触れさせてくれるのも、屋久島の森が与えてくれる神秘のひとつのように思います。

 

これまでは、小さなダイヤモンドを散りばめることが多かったのですが、

特別な記念のジュエリーとなるように、おふたりと相談を重ねて、大粒のダイヤをセットすることにしました。

ワクワクした気持ちで、わたしのコレクションの中から、美しい一粒を選んだのは、今でも心に残る素敵な思い出です。

 

オーダーメイドのジュエリー作りでは、もちろん、形のある指輪をお届けするわけなのですが、

その奥には、形を持たない何かを分かち合うような、かけがえのない時間が流れています。

デザイン作りの途中には、なんと、嬉しいご出産のご報告もいただきました!

 

おめでとうございます!

幸せなジュエリー作りを、本当にありがとう。

 

おふたりには、いつの日かお会いできるかもしれない。

なんだかそんな予感もしています。

屋久島で紡がれたこの素敵なご縁に、感謝の気持ちに満たされながら。

 

 

 

 

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制作編

ありがとう。オーダーメイドの結婚指輪が育まれるとき #屋久島でつくる結婚指輪

祝福の海と結婚指輪。シャンパンゴールドが響き合うとき。#屋久島でつくる結婚指輪

夕暮れ時、満ちゆく光のなかで眺めたおふたりの結婚指輪。

シャンパンゴールドが響き合うとき。

 

いつものビーチで、

静かなる波のリズムに包まれて。

 

 

シャンパンゴールド、海と花。

大きな虹にも出会いました。

夏の余韻と、新しい季節が運んできた、深く鮮やかな色彩に包まれた結婚指輪づくりでした。

リングをつくり終えた夕暮れ時に #屋久島でつくる結婚指輪

 

窓の向こうに水平線を眺めたり、裸足で波打ち際を歩いたり、

この島では、海とともにある時間が、何気なく流れていて、

海風や潮の香り、波の音のようなものは、いつしか暮らしの一部分になり、

自然とジュエリーのモチーフになったように思います。

 

遠く離れた場所ではあるけれど、海のそばで暮らすおふたりとは、どこか近い気持ちで繋がっているのかもしれません。

 

シャンパンゴールドでお仕立てした、シンプルなリングです。

その中に、海で出会った大切なフィーリングを、象徴的に込めました。

 

ビーチに腰を下ろし、夕陽を眺めていると、

ふと、流れ着いた小さなサンゴに目が留まりました。

 

沈みゆく太陽の光を斜めに受け止めて、波打ち際は、やわらかなオレンジ色の光に包まれています。

そのサンゴの上で、リングをそっと重ね合わせてみる。

シャンパンゴールドの輝きが、とても穏やかで、気品に満ちています。

 

緩やかなカーブを描くように削り出したフォルムが、強い西陽を受けて、互いにそっくりの陰影をつくり出していました。

 

その静謐な佇まいは、あまりにも海の情景に溶け込んでいて、

まるでずっとここで、わたしたちを待っていてくれたようにも見えました。

 

波打ち際を歩いていると、水はまだずいぶんとあたたかい。

けれど、風にはほんの少しだけ、冷たさが混じるようになりました。

 

1.8mmと2.3mm幅。

繊細で軽やかなフォルムなのに、手の中には確かな重みが伝わってきます。

それは、はるか昔から広く愛され続けてきた、ゴールドならではの魅力なのだと思います。

 

これから長い時間をかけて、どのような物語が紡がれてゆくのだろう。

おふたりの未来を想うと、胸が高鳴りました。

 

思えば、初めてお便りをいただいたのが、7月の初めだったから、この夏をいっぱいかけて、ご一緒した指輪作りでしたね。

 

あるいは、もっと前にジュエリーを見ていただいていた時から、この旅はすでに始まっていたのかもしれません。

 

これまでずっと、ありがとう。

島のリズムで進む、ゆっくりとしたジュエリー作りを、いつも温かく見守ってくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

屋久島から、ご結婚おめでとうございます。

新しい季節が運んでくれた、芳醇な色彩に包まれながら。

その喜びと祝福を、おふたりに。

 

 

ナノハナの指輪、ナノハナ模様の指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k pink gold, platinum, diamond, silver
size: square 2.5mm, 5.0mmflowers, 1.5mm diamonds

Delivery time is within 2 months.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせてオーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約2ヶ月。

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満ちゆく癒し。ピンクゴールドとシルバーで紡いだ、菜の花の結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

やわらかなひかり。屋久島からお届けする、ナノハナのネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

ナノハナのネックレス 18k yellwo gold, diamond

黄色いひかり。春風にゆられ、夢のように煌めく菜の花。

そのひとひらをすくい取るように、小さなネックレスをお仕立てしました。

 

目の前に広がる、いきいきとした響きに包まれると、心がやわらかな希望で満たされるのを感じます。

 

イエローゴールドでかたどったペンダントトップは約7mm。

とても繊細なスタイルです。

その中央に、一粒のダイヤモンドをセットしました。

 

透明感のある菜の花の印象には、イエローゴールドとダイヤモンドが本当によく似合います。

メンテナンスフリーの素材ですので、お守りのように、ずっと身につけていただけるのも嬉しいところです。

 

涼しくなり、過ごしやすくなってきたこの頃。

秋のシックな装いに。

大切な想いを、そっと胸に寄せるように。

何気ない、いつもの一日にも。

このネックレスをたくさんご愛用いただけましたら、とても嬉しく思います。

 

秋の風がそよぎはじめ、

シロツメクサがたくさん顔を出してきたアトリエより。

 

幸せなジュエリー作りをご一緒いただき、ありがとうございました。

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