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屋久島からお届けする、ナノハナのネックレス。清らかな喜びを分かち合うとき。#屋久島でつくる結婚指輪

小さなネックレスをお届けする日が、ちょうどお誕生日と重なりました。

屋久島から、おめでとうございます。

 

イエローゴールドとダイヤモンドで紡いだ、一輪の花。

ナノハナのネックレス。

 

屋久島と東京と。

海を越え、遠く離れているけれど、

こうして、ジュエリー作りをきっかけにして生まれたつながりの時間は、

一輪の花のように、かけがえなく、美しいものに感じられます。

 

ナノハナのネックレス 18k yellow gold, diamond

 

ネックレスは、7mmほどの繊細なフォルムにお仕立ていたしました。

力強さを秘めた輝きと透明感が、ダイヤモンドの魅力です。

 

小さくて愛らしいのに、どこか凛とした清々しい佇まい。

それはきっと、菜の花が宿す、春の息吹と躍動感なのかもしれません。

 

大地に春のぬくもりを感じ始める頃。

海沿いの広場にゆらめく黄色い花々。

一年ぶりにそのやわらかな煌めきに出会うと、静かに心躍ります。

 

毎年のことのはずなのに、ほんと不思議ですよね。

あの新鮮な感動を、こうしてジュエリー作りを通して分かち合えることが、

何よりも嬉しく、幸せに思います。

 

今回、チェーンの長さを38cmに調整しています。

ちょうど、鎖骨のくぼみに落ちるくらいのサイズ感でしょうか。

ダイヤモンドとゴールドの組み合わせだと、メンテナンスフリーで、つけっぱなしできるのも、嬉しいところですよね。

 

ずっと長くお使いいただけるように、

昔ながらの手作業で、丁寧にお仕立ていたしました。

いつも、清らかな喜びに包まれますように。

 

そして、いつの日か、屋久島でお会いできる日が訪れると、とても嬉しく思います。

素敵なご縁を、本当にありがとうございます。

 

屋久島サウスのアトリエにて。

夏の日差しがまぶしく輝く朝に。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

屋久島に満ちる夏、ピンクゴールドの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

ひまわりが咲いていた。

海沿いに並ぶ段々畑の片隅で、黄色い光が風に揺られている。

その草むらの中を、夢中になって歩いていた。

 

涼しさが少しずつ混じり始めた夕暮れ時、散歩に出かけ、夏の花を眺めて一日を終えるつもりだった。

ひまわり畑の向こうに広がる屋久島サウスの山々を眺めながら、この日のジュエリー作りの工程を、ふわりと思い返していた。

 

ピンクゴールドで小さな花をふたつ作って、いよいよこれから本格的な造形作業を迎えるときの、緊張感が蘇る。

 

花と組み合わせるリングの素材には、ピンクゴールドの細い線を二本用意した。

その細い線で二個のリングを作り、その後に互いを重ね合わせるように溶接する。

ルーペとピンセットを片手に進める、デリケートで気の抜けない作業だった。

 

ふたつのリングが重なったあと、一箇所を思い切りよくカットする。

一度形成したものへ、あえてマイナスのベクトルを加えるのは、いつもながら、確かな決意のようなものを必要とすることだった。

 

そして、そのリングの両端を、植物の茎のようにくるくると巻いていく。

これには実にたくさんの工具を使用した。

 

タッチを重ねるたび、硬いゴールドが少しずつ有機的な表情を宿していく。

その柔らかな変化を前にすると、あたたかな気持ちに包まれた。

 

これまでお二人と育んできたイメージが、ようやくここに実を結びつつあるのだ。

そう思うと、今この瞬間がよりいっそう愛おしく、貴重なものに感じられた。

 

アトリエまでの帰り道には、西の空に沈む太陽をまぶしく眺めた。

夏の、長い昼が終わりを迎えようとしていた。

風に運ばれて体にまとわりつく潮が心地よく、どこか親しみ深く感じられるのも、この季節ならではの繊細な叙情なのかもしれない。

 

屋久島の季節に包まれ、おふたりとご一緒する指輪作りは、一度しかないのだ。

 

ああ、もう少し夏が続いてくれるといいなあ。

 

水平線に沈みゆく太陽が、水面にオレンジ色の煌めく橋を渡していた。

 

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制作編

ピンクゴールドで紡ぐ、小さな癒し。菜の花をかたどって、結婚指輪を作っています。

ピンクゴールドで紡ぐ、小さな癒し。菜の花をかたどって、結婚指輪を作っています。

ピンクゴールドの板を糸鋸で削り出し、小さな花をかたどり始めたのは、次の台風が近づき、島に雨の気配が漂い始めた頃だった。

作業机の上で花のフォルムが少しずつ整えられていくにつれ、胸の奥で小さな弾みが広がっていった。

 

これだ。

どこまでも繊細で、さりげなく。
それでいて、深く内に息づく力強さ。

いつもの暮らしの中で出会う、植物たちの響きだ。

 

モチーフにした菜の花を、実際に手にするように、そっと、やわらかなタッチを重ねていった。

 

 

いつもの散歩道で出会う花々。

何気ない喜びをそっと運んでくれる、夏の顔ぶれ。

朝、ツユクサに出会うと、なんだかいいことありそうな気持ちになる。

 

ランタナは一年中咲いているような気もするけど、

雨の滴を纏ったその佇まいが、好きだ。

 

夏に咲く白い百合。

「今年はたくさん咲きましたね」と、交わす会話も毎年の楽しみかもしれない。

 

繰り返される静かな時間。そこに訪れる小さな変化と。

島の季節が奏でるリズムの中で、お二人の結婚指輪を作っている。

 

ピンクゴールドでかたどったふたつの花を、ガスバーナーの炎に包み、温度を上昇させながら、ひとつにつなぎ合わせていく。

今回のリング作りで、10箇所を超える繋ぎ目の、最初のひとつである。

 

台にした朴炭に火を当て、全体へ均等に熱を巡らせていく。

ピンセットとルーペを使いながら進めていく、とても細やかな作業だ。

 

植物をモチーフにする制作なので、出来るだけ軽やかでさりげない印象に仕上げたい。

同時に、日常の中で安心して身につけられるだけの、確かな強度も持たせなければならない。

手を動かすたびに、心が少しずつ深まっていくのがわかる。

この静けさと、島のリズムに身を任せながら、このリング作りを進めていこう。

 

まだ始まったばかりではあるけれど、

目の前で形を帯びてゆく、硬くて冷たいゴールドの中に、

小さくて、あたたかな癒しのようなものが芽生え始めているのを、たしかに感じていた。

 

 

 

大好きな海。シャンパンゴールドとプラチナで紡ぐ波模様の結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドとプラチナ。

真夏の強い日差し。

おふたりとともにオーダーメイドした、波模様の結婚指輪。

 

屋久島から、おめでとうございます。

全てが波の音に包まれた、やさしいひとときでした。

 

 

海を越えて、アトリエまでお越しいただき、ありがとうございました!

屋久島が紡いでくれた、素敵なご縁に感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとう。大切な 出会いを結ぶ指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島サウスに長く降り続いた雨が上がったのは、ちょうど、おふたりの結婚指輪の造形作業がひと段落したころでした。

プラチナとシャンパンゴールドで紡ぐ夏。お二人と歩んだ、結婚指輪作りの記憶。#屋久島でつくる結婚指輪

 

春から夏へと移りゆく季節をご一緒した結婚指輪作りでしたが、

山々や海、植物たちの表情はいつも新しく、日々の制作を励ましてくれていたように思います。

 

雨が降ったり、強い日差しが降り注いだり。

あるいは、その時のわたしたちの心持ちのようなものも、見える景色を変えているのかもしれません。

 

シャンパンゴールドとプラチナでお作りするお二人のリングもまた、いつも新しく、いきいきとした表情を感じられるように。

指輪作りの憧れは、自然の中に出会う多様な美しさにあったように思うのです。

 

リングは、できる限りシンプルに。

鉄鋼ヤスリと紙やすりを片手に、造形を重ねてゆきました。

昔ながらの、ゆっくりとした手作業です。

 

そうして出来上がったのが、おふたりが大好きな海をモチーフにした結婚指輪です。

リングの表面には、緩やかに波打つラインを施し、お揃いのデザインでお仕立てました。

 

これから長く紡がれてゆくお二人の暮らしの中で、時を重ねるたびに新しくなっていくような、細やかな喜びに満ちたリングであればと願っています。

 

いつものビーチにて。

 

彼のプラチナと、彼女のシャンパンゴールド。

どちらもすっきりと細いシルエットです。

 

真夏の陽光を受けて、その表面にリズミカルな陰影が浮かびます。

この輝きの領域の広さこそ、ゴールドとプラチナが持つ魅力なのでしょう。

 

浜辺に波が打ち寄せるたびに、キラキラと表情を変化させるリング。

つい嬉しくなって、手の中でリングをくるくると遊んでしまいます。

 

波音は不思議なくらい静かに感じられ、

リングもわたしも、全てを優しく包み込んでくれているように感じられました。

全てが受け入れられているような気がして、心癒されました。

 

屋久島から、ご結婚おめでとうございます。

あたたかなひかり溢れる日々を。

 

そうそう、

リングの内側に刻んだおふたりの言葉は、最後までじっくりとこだわってきたところでしたね。

おふたりだけの素敵な仕上がりになって、本当によかったなあと、しみじみと眺めておりました。

 

わたし自身、形を持たない大切な想いに強く突き動かされるような、穏やかで深い制作の日々を過ごしていたように思います。

 

これで指輪作りがひと段落し、わたしたちはまた、それぞれの新しい日々を迎えることになります。

巡りゆく季節のように、ですね。

 

またいつの日か、屋久島にいらしてください。

リングのメンテナンスをしながら、その後のいろいろをお話しできたら嬉しいです。

 

楽しい指輪作りを、ありがとうございました。

 

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夏のしずく、しずくのしずくネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

夏のしずく

プラチナとダイヤモンドでお仕立てした、小さなネックレス。

雨上がりに咲く白百合のそばで、その静かな輝きを眺めました。

 

しずくのしずくネックレス platinum, diamond

 

プラチナでかたどったしずくの大きさは、約7mm。

花びらの上に、そっと収まるほどの繊細さです。

 

ダイヤモンドは、ちょうど雨粒と同じくらいでしょうか。

2.8mmと大粒のものをセットしてありますので、

その繊細さの中に、どこまでも透明で力強い輝きを感じられました。

 

雨のしずくや、植物たちもそうですが、

小さなものって、本当に愛らしくって、

気がつけば、ついつい魅入ってしまいます。

 

プラチナとダイヤモンドの組み合わせなので、

毎日つけっぱなしできるのも、嬉しいところですよね。

 

昔ながらの手作業で、じっくり丁寧にお仕立ていたしました。

長くご愛用いただけますように。

 

アトリエを包み、激しい雨を降らせたスコールが過ぎ去ると、山々には青空が広がりました。

差し込み始めた夏の陽光を受けて、キラキラと輝きだすしずくの煌めきは、まるでダイヤモンドのようで、

お二人を祝福する、島の贈り物のように感じられました。

 

ネックレスは、大切にケースにお納めして、いよいよこれから海の向こうにお届けいたします。

 

大切なプレゼントにお選びいただき、

心よりありがとうございました!

 

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想いあふれる、三つのリングが出会うとき #屋久島でつくる結婚指輪

今年の春先、屋久島サウスのアトリエでお二人と出会い、

そこからゆっくりと結婚指輪作りを進めてきました。

 

あの日、一緒に思い描いたイメージが、いま、少しずつかたちを帯びてきています。

 

ツワブキの花咲くエンゲージリング。

シダの葉をかたどるマリッジリング。

そして、シダの葉模様を彫り込んだ、もうひとつのマリッジリング。

 

わたしたちが愛してやまない植物をモチーフに、

それぞれに響き合うつながりを持たせながら、

3つのジュエリーを仕立ててまいりました。

 

「メンズリングは、アウトドアでの活動にもフィットするように」

「彼女のリングとモチーフを分かち合おう」

 

新しい始まりを迎え、喜びに包まれるお二人とご一緒するオーダーメイドのひとときは、いつも楽しく、心あたたまるものです。

 

お二人が大切にする想いや暮らしから、ひとつだけのデザインが生まれます。

 

 

出来上がりつつあるリングたちは、どこかお二人の面影を映しているようでもあり、

寄り添いながら、これからの長い日々をともに歩んでいくことでしょう。

 

その歩みの中にある幸せな時間こそが、

ジュエリーとして表現したいものではないだろうか。

 

かたちのない大切な想いから、かたちあるものを作り出してみよう。

そう思って創作に向かい合ってきたのが、この結婚指輪なのです。

 

 

もう少しすると、いよいよこのリングが完成し、

それを合図にするように、お二人の新しい暮らしが始まりを迎えます。

 

少し先の未来を思い描きながら、わたしもその時を心待ちにしています。

 

花が散り、小さな実を結び、やがて果実を育んでいくように。

私たちもまた、新しい始まりを何度も迎えていくのかもしれません。

 

そんなふうにして、自然の一部として軽やかに時を歩んでいけたらいいなと思う、今日この頃です。

 

2025年、夏

 

 

 

制作編

丸くやわらかなスクエアシェイプ #屋久島でつくる結婚指輪

出会い編

大好きな植物でつながる、結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪

丸くやわらかなスクエアシェイプ #屋久島でつくる結婚指輪

イエローゴールドのリングの造形作業を始めてから、はや2日ほどが過ぎ去り、

その内側を精密ヤスリで削り始めた朝、リングの表情にやわらかな変化が現れた。

 

彼のリングは、すっきりとしたスクエアシェイプのデザインで作り進めていた。

 

「あ、ゴールドの温度を感じることができる。」

 

わたしは作業を少し止め、リングを手の中でそっと握りしめてみた。

 

「ずいぶん、表面を削り出せてきたな」

 

作業の進捗を確かめると、またヤスリを握り、手を動かし始めた。

 

◻︎

 

スクエアシェイプというと、エッジの立つシャープな印象があるかもしれないけれど、

その中に、どこかやわらかで親しみのある手触りを生み出したいと思っている。

 

実のところ、フラットな形状の表面には、わかるかわからないくらいの緩やかなカーブを施して仕立ててある。

それに対して、側面は完全なフラットだ。

そして、指に触れるリングの内側は、大きくラウンドさせて仕上げていく。

 

このシャープネスとやわらかさのバランスが、イエローゴールドの手触りをより一層際立たせてくれる。

相反する要素が交わることで、仕上がりに深みが生まれるのは、あるいは、フランボワーズとチョコレートの出会いに似ているかもしれない。

 

それは、シャープなスクエアシェイプであり、同時に丸く、やさしい存在でもある。

 

◻︎

 

内側をなめらかに整えたリングは、ここでもう一度火にかけて、金属の緊張を解いておいた。

イエローゴールドをやわらかく焼き鈍しておき、これから更なる造形を与えていくことになる。

 

朴炭の上に置いたリングが熱を帯びて、真っ赤な光を放っている。

常温であれだけの強度を持つゴールドは、1000度を超えると溶けてしまう。

その境界に在り、より際立つ儚さと強さが、とても美しく感じられた。

 

◻︎

 

夏の早起きは楽しい。

朝焼けの美しい日が続いている。

窓の向こうにオレンジ色の大きな雲を眺め、散歩に出かけると、

昨日よりもたくさんの花を咲かせたハマユウが、気持ち良さげに朝露を纏っている。

やがて、太陽の光が差し込み、一気に汗ばむほどの暑さを感じ始める。

それを合図にするように急いでアトリエに戻り、カフェオレを作り、それを持って作業机に向かう。

気がつけば、蝉の声が響き渡っている。

 

このようにして、夏のジュエリー作りは続くのであった。

 

 

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制作編

ぬくもりと色彩。イエローゴールドとプラチナが紡ぐ時間 #屋久島でつくる結婚指輪

ぬくもりと色彩。イエローゴールドとプラチナが紡ぐ時間 #屋久島でつくる結婚指輪

夜と朝が交差する時間。

海と空が出会う場所。

自然が織りなす色彩のグラデーションのなかに佇むひとときが好きだ。

 

 

シダの葉とツワブキの花。

屋久島の暮らしで親しみ深い植物をモチーフにして、彼女のエンゲージリングとマリッジリングを作っている。

屋久島-サンフランシスコ 透き通る夏の結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

深い森を歩き、波に乗り、あるいは小さな植物たちを眺めているとき。

そこに、完全なる調和があることを知り、心が癒される。

その世界に憧れ、愛おしく思う気持ちで、お二人とは繋がっているのかもしれない。

 

さて、

エンゲージリングとマリッジリング、そして彼のリングとが奏でるハーモニーとは。

お花のリングの造形作業がひと段落したところで、初めて二本のリングを重ね合わせてみる。

アトリエの庭先には、今日も夏の強い日差しが降り注いでいる。

深い緑も、ハイビスカスの赤も、これからリングにセットするイエローサファイアも、すべてが響き合っているように感じられて、心が静かな喜びに包まれた。

 

花と葉っぱをかたどるプラチナと、リングの役割を担う、細いイエローゴールド。

重なり合うリングが一つのように見えるのは、シンプルな素材が出会い、生み出す整合性によるものだろう。

 

不思議なことだけど、

硬くて冷たい金属の中に、植物たちが持つぬくもり、そして色彩までもが蘇ってくる。

 

考えてみると、ゴールドやプラチナも、この大地から生まれたものだ。

実のところ、植物たちと同じ響きを秘めているというのも、なるほど。

 

ハイビスカスは、赤くてシンプルな品種が一番好きだというのは、彼女と意見が合った。

 

さて、ここで一旦、彼女のリング作りをひと段落させ、

次は彼のリング作りに取り掛かることにした。

その余韻の中で、同じリズムを保ちながら、ペアのリングを形作っていく。

 

彼のリングには、k18イエローゴールドの細い板を用意した。

細いとはいえ、しっかりとした重みのある金属の手触りが伝わってくる。

その細いゴールドの板を木槌を使い、丸く、リズムよくリングの形状に整えた。コンコン。

その後、糸鋸を使ってイエローゴールドの両端をサイズに合わせてカットする。

切断面同士を隙間なくぴたりと合わせ、ここでようやく下準備の完了、というところだ。

 

そして、時間を置かずに、その両端をつなぎ合わせる作業に移る。

ガスバーナーを使う作業の温度は950度ほどになる。

これまでに何度も行ってきた溶接作業であるけれど、いつも背筋が伸びるような緊張感がある。

心を深く沈め、炎の量とリングの温度に細心の注意を払いながら、タッチを重ねていく。

リングが一定の温度に達したところで、繋ぎ目に融点が少し低いゴールドを流し込む。

作業中は、細部の造形をどこまでも鮮明に見ることができ、一つ一つの工程がゆっくりと長く感じられる。

時を忘れ夢中になっていたけれど、きっと30秒ほどの短い時間だったかもしれない。

 

リングを火から外し、グラスに注いだ水の中に素早く入れる。

すると、まるで作業の区切り目を告げる合図のように、ジュッと歯切れの良い音がアトリエに響いた。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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wave ring in 18k champagne gold and platinum #屋久島でつくる結婚指輪

material: platinum, 18k champagne gold
size: 2.0mm and 2.3mm

Delivery time is within 3 months.
Made by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

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大好きな海。シャンパンゴールドとプラチナで紡ぐ波模様の結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島-サンフランシスコ 透き通る夏の結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

いつもより少し涼しく感じる朝だった。

山際にかかる雲がオレンジ色に染まっている。

 

島の朝特有の、重たい湿度を感じながら朝食を済ませ、すぐに作業机に向かう。

まだ一日が本格的に動き出す前に、制作の続きを始めることができると、一日が充実したものになる。

 

おふたりの結婚指輪も、気がつけばもう中盤に差し掛かろうとしている。

アトリエでお会いした日のことや、これまでの色々を懐かしく思い返しながら、この日の造形作業のイメージを頭の中に描き出していた。

 

 

季節は梅雨を越えて、真夏へ。

サンフランシスコと屋久島を紡ぐようにして、

おふたりにお届けする結婚指輪を作っている。

大好きな植物でつながる、結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪

 

相談会では、ツワブキの花をモチーフにしたリングを、彼女がとても気に入ってくれたのだけど、

わたしも大好きな花を、同じように好きになってくれた仲間ができたようで、とても嬉しかった。

 

秋が過ぎて、少しずつ寒さを感じるようになる頃、

手のひらを開くように、ぱっと元気に咲く黄色い花に出会うと、あたたかな気持ちに包まれる。

 

ツワブキの花は、庭先に集まるように咲くことが多いけれど、

一輪で佇む姿も、なんとも愛らしい。

 

花のフォルムはもちろんだけど、その愛おしさや心響くときめきのようなものを、分かち合うための表現とは。

 

その放射状の花びらは、プラチナを使って、8mmほどの大きさに仕立てた。

組み合わせるイエローゴールドのリングは、幅1.2mmで作っておいた。

 

リングは、茎のように細く仕上げておくと、咲いた花の姿が、指の上に浮き上がるように感じられるからだ。

 

その細いリングに、0.8mmの穴をドリルで慎重に開けておく。

花の裏側には、中心から伸びる0.8mmの金線を接続する。

 

強度や安定感を生み出すために、表には見えない部分の仕事をしっかりと頑張る。

 

ここで初めて、リングと花が一つとなり、ほっと一息。

微妙な調整を重ねてきたおかげで、角度も自然で、安定感もある。

 

お二人と一緒にタネをまき、これまで育んできた苗が、いよいよ花を開かせようとしている。

 

嬉しくなって、つい急ぎたくなってしまうけれど、ここはじっくりと時間をかけて進めていこう。

 

植物たちのペースに習って、ですね。

 

作業を終えて、日没の空に、ちょうど半分ほど欠けた月を眺めた。

明るくて、どこか青みを帯びた夜の始まりだった。

2025年の夏が、静かに、そして力強く、その鼓動を繰り返している。

 

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結婚指輪と婚約指輪のハーモニー。 巡る時への憧憬。#屋久島でつくる結婚指輪

つながる雫の指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

material: platinum, 18k yellow gold
size: 2.0mm and 2.3mm

Delivery time is within 3 months.
Made by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

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心満ちる、おふたりの物語から結婚指輪が生まれるとき 屋久島でつくる結婚指輪

心満ちる、おふたりの物語から結婚指輪が生まれるとき 屋久島でつくる結婚指輪

リングのデザインを形作ったのは、お二人の大切な想いでした。

3つのドットをお揃いで装飾して、シンプルなラウンドシェイプのフォルムに仕立てました。

 

一度だけの夏。

お二人にお届けする結婚指輪。

 

 

指輪作りの間は、毎日のようにスコールがやってきました。

激しい雨が降っては止み、やがて夏の強い日差しが降り注ぐ。

どこか心躍るような、島のリズムの中で。

プラチナの雫。始まりの予感。シンプルで、特別な、おふたりだけの結婚指輪。#屋久島でつくる結婚指輪

 

お二人の巡り合いがあって、

屋久島と、わたしと、今この瞬間に交差する場所があって、

そのようにして生まれる造形は、まるで小さな奇跡のように感じられます。

 

それは、広い平原に咲いた花のように美しくて。

出会うことって、本当に素敵なことだなと、深く思わずにはいられません。

 

お二人の物語が、いつまでも心に満ちていますように。

大切なシーンをリングにとどめるように、象徴的なデザインをあしらえました。

 

シンプルで、特別なお二人の結婚指輪が、

わたしも、大のお気に入りです。

 

2.5mm幅と2.0mm幅。

お揃いのラウンドシェイプのデザインでお作りしました。

 

二本のリングとも、ドットの装飾がワンポイントのアクセントとなるようにお仕立てしてあるのですが、

彼のプラチナリングは、ドットが凹むように。

彼女のイエローゴールドのリングには、プラチナの粒を雫のように纏わせました。

 

素材やディテールは少しずつ異なるけれど、確かなつながりを感じるバランスは、とくに大切にしました。

 

実は、レディースリングの粒々は、彼のリングのプラチナを使っているのですよ。

 

彼のリング制作の際に生じたプラチナ片を溶かし、小さな粒を作って彼女のリングに溶接するとき、なんだかとてもあたたかで、静かな気持ちに包まれました。

 

8月8日の記念日にお届けできるように。

ここまで一緒に歩んできた時間も、今ではかけがえのない思い出となりました。

ハイビスカスが咲く頃になると、新しい始まりを迎えようとしていたこの日々を、懐かしく思い出すことがあるかもしれませんね。

 

島のリズムに寄り添いながら、ゆっくりと進めた制作となりましたが、

いつもあたたかく見守ってくれて、本当にありがとう。

 

ご結婚おめでとうございます。

希望に満ちた、お二人の日々を思い描いています。

 

そして、また、屋久島でお会いしましょう。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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