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雨の香り プラチナとダイヤモンドで紡ぐ、アジサイの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

アジサイの指輪 platinum, diamond

 

アジサイをモチーフに仕立てたエタニティリング。

長く続いた制作を終えると、

屋久島サウスには、久しぶりの雨が降り始めました。

 

まるで新しい季節の訪れを告げる合図のような雨。

 

春が深まり、庭先に雨の香りが漂うと、

「もうすぐ紫陽花の季節がやってくる!」と、胸が高鳴ります。

 

まるで水の中にいるような、静かな時間。

島に暮らすようになってから、雨の日が大好きになりました。

 

ポツリ、ポツリ。

柔らかな雨音に誘われるようにして庭先に出てみると、

深い緑の中に、ぽこぽこと紫陽花の青や紫が散らばっています。

 

紫陽花は、キュッと集まっている佇まいが、なんとも愛おしいのですよね。

大切そうに抱いている雨の滴は、まるでダイヤモンドの煌めきのようにも見えます。

 

リングの素材は、お二人とご一緒したオーダーメイドで初めて生まれた組み合わせです。

 

光沢仕上げのプラチナに、クリアカラーのダイヤモンドを一周セットすると、

透明感のある、瑞々しい仕上がりとなりました。

 

とても小さなリングなのに、

手にすると、静かに想いがあふれてくるのは、

島の雨の中で紫陽花を眺める時間に、どこか似ているのかもしれません。

 

大好きな屋久島の時間から生まれたジュエリーだと思います。

ありがとう。

この喜びを、お二人と分かち合うことができることを、何よりも幸せに感じながら。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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春の花とシルバーリング。無垢な手触りと宿る強さについて #屋久島でつくる結婚指輪

お二人の結婚指輪を作っている間に、アトリエの庭先には、春の花が次々と咲きはじめました。

黄色やマゼンタ、ピンク色。

名前も知らない草花もありますが、懐かしい顔ぶれとの再会に心を踊らせながら、作業机に向かっています。

 

ゆっくりと、けれど力強く、確かに歩みを進める植物たちにペースを合わせるように、ですね。

作業もいよいよ終盤へと差し掛かりました。

 

シルバーリングの表面を丸く柔らかに、

そして側面にはフラットな部分を残して、すっきりとした印象に仕上げていきます。

 

手にする道具は、粗さの異なる鉄鋼ヤスリを3本。

あとは、手の感覚を頼りに、少しずつタッチを重ねていく。

 

これまでに何度となく、似たシルエットのリングを作ってきたけれど、

生まれてくる形がいつも新しいところが、手作業の大好きなところです。

 

お二人との出会いや、島の季節に導かれるように、少しずつ、少しずつ。

 

まずは彼のリングから。

ガリガリと、静かなアトリエにリングを削る音が響きます。

はるか昔から変わらない手作業であります。

 

彼のリングがある程度形になったところで、今度は彼女のリングを削り出す。

二つのリングのバランスを整えるように、交互に磨き上げていく。

片方が少し進めば、もう片方がそれに追いついていく。

シーソーのような工程を繰り返しながら、何日かを過ごしました。

春の穏やかな風と、散歩途中のネコくらいがアトリエのまわりを通り過ぎていった、とても静かな時間でした。

 

月見草が咲いていることに気がついたのは、ちょうどシルバーリングのアウトラインにカーブを施し終え、そのシルエットを眺めようと庭に出た時のことでした。

そういえば、シルバーには、開いたばかりの花びらのような、無垢な手触りを感じることがあるなあ。

 

彼女の2.0mm幅と彼の2.6mm幅。

柔らかな曲線をまとい、とてもピュアな佇まいです。

 

この優しい雰囲気をそのままに、長く安心してお使いいただける丈夫さを持つというのが、理想としているところ。

これから金属をキュッと引き締めながら、強く仕上げていきます。

 

あと少し。

ゆっくりと時間をかけて仕上げ作業を施し、リングはやがて、洗練されたフォルムへとたどり着くわけですが、

出来上がりはもう少し先のお楽しみに。

 

屋久島から海の向こうに暮らすお二人にお届けするシルバーリングの完成編は、また別のお話で。

 

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制作編

暮らしに寄り添い響き合う、シルバーの結婚指輪を作る #屋久島でつくる結婚指輪

暮らしに寄り添い響き合う、シルバーの結婚指輪を作る #屋久島でつくる結婚指輪

夜明け間近の月は、水平線の近くに浮かんでいた。

ちょうど満月を過ぎたところだったのかもしれない。

 

まだ5時過ぎだったけど、空はほんのり明るくて、1日を早くスタートできたような気がして、嬉しかった。

 

作業を始める前に海で時間を過ごすことができるのは、島暮らしならではの喜びだと思う。

 

 

お二人とは、指輪作りの始まりに、一度お電話で話しました。

わたしもずっと街で暮らしていたけれど、

自然に近い暮らしへの憧れで、お二人とはつながっているような気がしています。

屋久島の緑とシルバーと 心躍る結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

 

「これから自然に近い場所で暮らしていきたいです!」

結婚指輪作りの始まりに、お二人はそう話してくれた。

 

シンプルで、体の一部のように優しく馴染むシルバーリング。

 

きっと、これからの暮らしには、手を動かす時間もたくさんあるはずだから、メンテナンスのしやすさも考えて、プレーンなスタイルのデザインを選んだ。

 

シルバー特有の柔らかく優しい手触りの中に、しっかりとした強さを宿すよう、丁寧に仕上げていかなくてはならない。

 

さて、アトリエです。

くるりとリング状になったシルバーは、造形を施す前にひと作業を加えておく。

金槌でコンコンと、表面を、そして側面を叩いていく。

こうしておくと、シルバーの組成が圧縮されて、グッと硬くなる。

リング全体が一回り小さくなるくらいまで、しっかりと力を込めて叩いていった。

 

表面にできた凸凹はこれから削り落としていく。

タッチの形跡は全て消えてなくなるけれど、それは、料理で言うところの下拵えのようなものかもしれない。

 

表面に現れないところが、実は手触りや感覚にダイレクトに響いてくる。

とても大切な工程だったりもする。

 

金槌を使った作業を一通り終えて、リングを手に取ってみると、しっかりとした安定感のようなものが伝わってきた。

 

優しさと確かさと。

煌めきと静けさが、同時に存在する感じ。

 

島の光、風のリズム、草木や海、出会う人々も。

すべてが調和の中で紡がれてゆく。

 

目の前にあるシルバーリングも、この大地から生まれたものだと思うと、腑に落ちる感覚がある。

 

お二人は、どんなふうに出会ったのだろう。

そんなことを、不意に思った。

 

すべてと響き合いながら、長い時間をかけてゆっくりと育まれゆく。

野原に咲いた一輪の花みたいな、澄んだ美しさを宿す指輪になればいいと思う。

 

 

 

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屋久島の緑とシルバーと 心躍る結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

4月のいきいきとした色彩が、島を豊かに包み込んでいる。

山々に広がる緑は、なんとも多様で、そして力強い。

 

毎年のことのはずなのに、新緑の季節が訪れるたび、どうしてこんなにも心が躍るのだろう。

アトリエの窓から差し込む、南国特有のまばゆい光に癒されながら、新しいジュエリー作りに取り掛かっていた。

 

シルバーを小さな耐熱容器に入れ、ガスバーナーの炎を最大まで強めて、まわし当てる。

赤く輝きながら、金属がゆっくりと液体へと変わっていく。

その瞬間を見計らって、すっと鉄の枠に流し込む。

まずは最初の第一歩だ。

 

藤の花が咲いていることに気がついたのは、作業が一段落し、休憩を兼ねて庭先に出た時だった。

アトリエの西側、いつもの場所に、房のように集まった紫色の花が風に揺られている。

「そうか、この季節に咲くのだった!」と、嬉しい驚きがあった。

背丈よりも高いところに咲く花を見上げると、その隙間から差し込む西陽が眩しくて、思わず目を細めた。

 

気持ちを新たにして、アトリエに戻る。

棒状に固めたシルバーを引き伸ばしながら、その形状を整えていく。

ときおり、バーナーの火を当てて金属を柔らかくし、目当ての寸法になるまで、何度も圧縮を繰り返す。

少しずつ、フォルムが端正になってゆく。

 

作業場はとても静かで、いつもとは違う時間が流れているように感じられる。

深いところで、とてもゆっくりと流れていく。

 

目当ての寸法に整えたシルバーは、お二人のサイズに合わせて、くるりとリング状に巻いた。

冷たいはずなのに、そこには小さく宿るあたたかさを感じることができる。

 

これまでお二人と育んできたイメージが、今ここで、かすかな手応えとなって、形を帯びつつある。

 

 

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ツワブキのピアス、ツワブキのネックレス #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k yellow gold, diamond
size: 7.0mm and 8.0mm  flower, 2.3mm diamond

Delivery time is within 1 month.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約1ヶ月。

 

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喜びのとき。屋久島に咲く花をかたどって、ネックレスとピアスを作りました #屋久島でつくる結婚指輪

喜びのとき。屋久島に咲く花をかたどって、ネックレスとピアスを作りました #屋久島でつくる結婚指輪

春の柔らかな光が満ち始めた朝に。

緑に包まれて、小さなジュエリーを眺めるひととき。

静かで、そして力強い

イエローゴールドとダイヤモンドが紡ぐ煌めきに、こころ癒されました。

 

ペアで仕立てたピアスとネックレスが、

屋久島と響き合っているように感じられました。

 

冬が近づくころ、庭先や散歩道にぽこぽこと姿を見せる黄色い花。

陽にほどけるように咲く、その佇まいに出会うたび、なんだか嬉しくなります。

大好きなツワブキの花をモチーフにお作りしたジュエリーです。

 

ツワブキのネックレス 18k yellow gold, diamond

 

ペンダントトップの大きさは約8mm

指の先に収まるくらいの、とても繊細なフォルムです。

 

それでも、その小さなかたちのなかに、

凛とした余韻のような気配を感じるのは、

ツワブキの花が纏う、生きる美しさによるところなのかもしれません。

 

憧れはいつも、アトリエの庭先に出会う花々にありました。

 

ツワブキのピアス 18k yellow gold, diamond

 

花びら一枚一枚が浮き上がるように見えて、儚い雰囲気を感じますが、

しっかりとした安定感があり、日常の中で安心してお使いいただけます。

 

ダイヤモンドとゴールドで仕立てたジュエリーは、耐久性に優れ、メンテナンスフリーなのが嬉しいところ。

 

長くご愛用いいただけるよう、透明度が高く、カットの美しいダイヤモンドを選んでセットいたしました。

 

お二人がアトリエを訪れてくれたのは、ちょうど島にツワブキの花が満開を迎えた、昨年の冬のことでした。

テーブルを囲みながら、彼女と彼と一緒に、
金属の種類や天然石のカラーをひとつずつ選んでいった日のことを、今でも鮮明に覚えています。

 

あれから月日が流れ、長く続いた冬が去りました。

島には、若々しい緑と光が溢れています。

お二人と再会できる日まで、あと少し。

 

ともに育んできた種が、まるで本当の小さな花を咲かせたような

幸せな喜びを抱きながら。

 

お二人とご一緒する、楽しいジュエリー作りは、あと少し続くのでありました。

 

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枝垂れ桜の指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

material: 18k pink gold, platinum, pink sapphire
size:花約7mm、リング1.2mm幅

Delivery time is within 2 months.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせてオーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約2ヶ月。

屋久島でつくる結婚指輪

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tel: 0997-47-3547

京都に出会う春の喜び、枝垂れ桜の指輪が出来上がりました #屋久島でつくる結婚指輪

1.7mm and 2.0mm wave ring in platinum #屋久島でつくる結婚指輪

material: platinum

size: 1.7mm and 2.0mm

Delivery time is within 3 months.
Make by custom, One-of-a-kind.

こちらの作品はサイズを合わせて、デザインをお好みにアレンジして、オーダーメイドにてお作りいたします。
ご注文からお届けまで約3ヶ月。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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プラチナで紡ぐ、お二人の大切な想い。波のリズムリング #屋久島でつくる結婚指輪

An Octagon Ring for the Rhythm of the Seasons #YakushimaWeddingRingsStories

Spring, Summer, Autumn, Winter.

In harmony with the rhythm of the seasons, I set four sapphires into the octagon ring.

The joy of seeing the ring in a new way, depending on the season or your mood.

The 5mm-wide ring in 18k yellow gold rests in harmony with the lush green of Yakushima Island.

 

We can feel the rich variation of the seasons in Japan.

That beauty always offers us delicate and vibrant moments.

The flowers are singing and the mountains are smiling.

Living on this island, If I listen closely with my heart, I can feel the natural mystic blowing through the air.

I think we are sharing these precious feelings.

 

I’m truly grateful to have been entrusted with creating their meaningful wedding rings.

Thank you, Yakushima, for bringing us together.

 

The gentle green of springtime. The brilliant summer blue.

 

And the deep, rich orange of autumn.

He and I have had so many conversations about the types, colors, and arrangement of the stones.

So happy to see the vision we’ve grown together come to life here.

 

Though the form is sharp, I shaped the inside softly where it touches the finger.

I hope this ring will stay close to their life together for many years to come.

 

Sending love from the lush green of Yakushima.

Wishing you a beautiful life together.

Spring, Summer, Autumn, and Winter #YakushimaWeddingRingsStories

Under the Cherry Blossoms in Kyoto #YakushimaWeddingRingsStories

Under the Cherry Blossoms in Kyoto #YakushimaWeddingRingsStories

We finally met up in Kyoto, just as the cherry blossoms were in full bloom.

It had been four years since I made their engagement rings.

It was a warm Sunday, filled with sunlight after the rain had passed.

 

They’re visiting Japan now for their honeymoon, and I had brought one of the rings they ordered as their wedding bands.

I was so happy to hand it over in person.  It was a truly special moment.

We enjoyed some coffee together and shared updates about the cherry blossoms.

It was also lovely to have a chance to talk about the next ring project.

 

They told me with happy smiles about their plan to visit Arashiyama that afternoon.

And finally, we took some photos together and said goodbye with a warm “Let’s stay in touch.”

 

After that, wrapped in the afterglow, I felt truly happy.
I realized I was growing even more fond of them.

 

Spring, Summer, Autumn, and Winter #YakushimaWeddingRingsStories

A Octagon Ring for the Rhythm of the Year #YakushimaWeddingRingsStories