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When the Rain Falls, When the Ring Begins #YakushimaWeddingRingsStories

There’s something gentle and comforting about creating jewelry on a rainy day.

The low-pressure system had turned into a typhoon and unexpectedly came close to Yakushima Island.

Fortunately, the wind hasn’t been so strong, but it has been raining steadily these past few days.

 

I’ve been at my desk, wrapped in a calm and peaceful feeling.

It feels like the perfect time to begin a new creation.

 

His ring is inspired by the vitality of plants and water —the source of all life.

I can feel all of that here in my life on this island.

He and she must know this deep green, moist atmosphere, too.

I was thinking about my friends who visited Yakushima a few years ago.

 

Now, let me talk a bit about the making process.

 

I pressed round wires of 18k yellow gold and platinum through a heavy roller,

flattening the top and bottom while keeping the sides rounded.

I adjusted them to a thickness of 1.5mm and a width of 1.9mm.

I’ll be making a ring by braiding these long, slender wires together.

 

I remember making many prototypes and having many discussions with him.

I feel like the dots we’ve created together are finally beginning to connect into a line.

 

Thank you, as always, for your kindness.

 

When the rain softened, I stepped out into the garden with an umbrella.

The hibiscus looks so happy, covered in raindrops.

The green was so deep, and the bright red color stood out beautifully in it.

While I was quietly watching the tiny yellow grains, the rain began to fall once more.

And so, I hurried back to the atelier.

 

In that way, the moments of jewelry-making quietly flowed on.

 

 

 

 

I made her wedding ring to match and flow with her engagement ring.

When a Wedding Band Echoes the Engagement Ring in Quiet Joy #YakushimaWeddingRingsStories

 

A Story of His Ring and the Seasons

An Octagon Ring for the Rhythm of the Seasons #YakushimaWeddingRingsStories

 

We met in Kyoto when the cherry blossoms were in full bloom.

Under the Cherry Blossoms in Kyoto #YakushimaWeddingRingsStories

ご結婚10周年のネックレス。屋久島で祝うおふたりの歩み #屋久島でつくる結婚指輪

爽やかな夏空に包まれたアトリエで。

おふたりのご結婚10周年をお祝いしました。

 

秋にお会いしてから少しずつ育んできたデザインがかたちとなり、

この日、はじめて手に取っていただくことができました。

 

新婚旅行に訪れた屋久島は、おふたりにとって、今もずっと特別な場所で、

そのご縁もあって、大切な記念のジュエリー作りのお声がけをいただきました。

 

そういえば、わたしたち夫婦も、新婚旅行は屋久島だったような。。。

 

この島には、偶然とは思えない繋がりを導いてくれる、強い引力のようなものが満ちているような気がします。

東京から、海を越えて会いに来てくれてありがとう。

 

オーダーメイドでお仕立てした、“月の満ち欠けネックレス”は、これまでにない新しいデザインとなり、わたしにとっても特別なジュエリーになりました。

 

なにより嬉しかったのは、

お仕立てしたネックレスを手に取って、身に着けていただくその瞬間に立ち会えたこと。

 

丸いゴールドの大きさも、少しだけ長めに調整しておいたチェーンも、ぴったりで。

おふたりの幸せな心地が、わたしにも響いてきて、

部屋の中も、ふわりと明るくなったような気がしました。

 

その喜びに呼応するように、夜光貝が静かに輝いています。

 

窓越しにハイビスカスを眺めながら、会話を楽しんでいると、

「ゆうこさんもご一緒に記念撮影を」と、何気なく声が上がりました。

 

おめでとう、ありがとう。

 

夕暮れ時の庭先で、心あたたまるひとときが、静かに流れてゆくのでありました。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

ご結婚10周年の記念にオーダーメイドしました。“月の満ち欠けネックレス” #屋久島でつくる結婚指輪

ご結婚10周年の記念にオーダーメイドしました。“月の満ち欠けネックレス” #屋久島でつくる結婚指輪

ご結婚10周年の記念に、ペアのネックレスをお作りしました。

イエローゴールドに浮かぶ、夜光貝の月。

“月の満ち欠けネックレス”

ふたつのリズムが寄り添い、静かに響き合いました。

 

 

「ふたつでひとつになるようなイメージで。

大好きな屋久島で生まれた夜光貝を使っていただけると嬉しいです。」

おふたりからオーダーメイドのご相談をいただいたのは、ちょうど去年の秋のことでした。

 

「夏の屋久島で、直接お受け取りいただけるよう、お作りいたしますね」

そのような楽しみを分かち合いながら、共に歩んだオーダーメイドの日々でした。

儚さをかたちにすること。三日月のネックレス制作記 #屋久島でつくる結婚指輪

 

おふたりの大切な想いをお聞きしたとき、

すぐに、この“月”のイメージが思い浮かびました。

そのときのことは、今でも鮮明に覚えています。

 

まるでそのデザインが、ずっとこの日のために、大切に保存されていたかのように。

不思議なくらい、自然に。

 

彼女のペンダントは、少し小さいイエローゴールドの丸に、

三日月をかたどった夜光貝を添えました。

新月から満ちてゆく、はじまりのイメージです。

 

そして、彼のペンダントは、ひとまわり大きな丸に、

満月がゆっくりと欠けていく、穏やかな時間を重ねました。

添えたのは、オムレツのようなかたちの夜光貝です。

 

それぞれは、それぞれの輝きを宿す、ただひとつの月であり、

同時に、異なる角度から眺める、同じひとつの星でもあります。

 

夜光貝とゴールドが纏うそのやわらかな光は、

きっと、お互いの歩みを照らし合う、あかりのような存在であるのかもしれません。

 

ネックレスをそっと手に取って、波打ち際を歩いてみる。

丸いゴールドの大きさは、およそ8mmと12mm。

繊細なフォルムながら、手のひらには、たしかな重みが伝わってきます。

 

夕暮れ時の陽ざしを受けて、三日月の隣にセットしたダイヤモンドが強く煌めいていました。

 

8月の海水は驚くほどに温かくて。

 

ときおり強く吹く海風が、ふたつのペンダントを揺らし、

そのたびに角度を変えて、夜光貝が新しい表情を見せてくれる。

その時間がとても美しくて、まるで夢の世界にいるようでした。

 

 

島に暮らしていると、ときおり空気の中に、

自然の神秘のようなものがふっと漂うのを感じることがあります。

そのような美しい瞬間を分かち合うことができる誰かがいると、日々は癒しに包まれます。

 

月は今日も、形をとどめることなく、

静かな鼓動を繰り返しています。

 

私たちも、歩み続けていかなくては、ですね。

 

そしてその癒しが、やがて一滴の雫となり、

小さな波紋を描きながら、どこまでも広がっていくとしたら、

それはとても素敵なことだと思います。

 

楽しいジュエリー作りをありがとうございました

 

夢の続きは、またアトリエで。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

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癒し合う。大好きな花をモチーフに、結婚指輪を作ること。#屋久島で作る結婚指輪

作業が始まる前に、朝のやわらかな光の中でリングを眺めるひととき。

 

熱帯の雰囲気に包まれる屋久島サウスでは、ハイビスカスはもっとも親しみ深い花のひとつのように思う。

 

アトリエでは、生垣がぐるりとハイビスカスの木でできていて、

暮らし始めると、この赤と緑がいつも守っていてくれているような、

とても親密な想いを感じるようになった。

 

花には、全てを受容するような、癒しの魔法があるように思う。

 

 

菜の花をかたどるピンクゴールドのリングに続き、

彼のシルバーリングを作り始めたところまでを書きました。

ピンクゴールドからシルバーへ。静かな夏の日々の記憶 #屋久島でつくる結婚指輪

 

花をモチーフにジュエリーを作っていると、なんだか元気になれる。

作業机に向かっているとき、豊かな色彩と香りに包まれているような気がして、心が安らかになる。

 

本当の意味で、花のようなジュエリーを作ってお届けできれば嬉しいし、

花のような人にもなりたい w

 

日々の暮らしの中で、何気なく、わたしたちが互いに癒し合うことができれば、それはとても素敵なことかもしれない。

 

さて、今日も作っている。

彼のシルバーリングは、シンプルなスクエアシェイプのフォルムに仕上げていくのだけど、

表面はもちろん、側面も、内側にもヤスリを入れ、しっかりと削り出していく。

シャープですっきりとしたフォルムの中に、手の中にある温度のようなものを響かせていく。

 

指に触れる内側部分は、大きくラウンドをさせ、やわらかな質感に仕立てた。

しっかりと厚みを持たせて強度を保つことを意識しながら、少しずつ、全体のバランスを整えていく。

 

内側の角と表面の角には、精密ヤスリをすっと当てて、尖ったエッジを丁寧に落としていく。

 

一見、シンプルに感じられるデザインだからこそ、作り手の考え方が、より明瞭に浮かび上がってくるように思う。

あるいは、お二人の大切な想いや、制作を取り囲む島の季節だってそうかもしれない。

そうした自然の中に漂う息づかいのようなものが、細部に宿っていくようなものづくりが、とても面白い。

 

紙やすりで磨き上げる前に、リングを電気炉に入れ、200度の温度の中で1時間、ゆっくりと熱を巡らせておいた。

こうしておくと、シルバーはより堅く、安定した手触りに仕上がるからだ。

 

作業をひと段落する頃には、空はオレンジ色に染まり始めていた。

その美しい色彩に魅せられて、急いで庭先へ。

 

ずいぶん暗くなってきたのに、まだ暑さの余韻が残っている。

南の島ならではの、重たい湿度も、どこか心地よく感じられた。

 

季節が静かに移り変わっていく気配を感じられたのも、

おふたりの指輪作りがひと段落したタイミングと重なって、

自然の流れのようにも思えた。

 

彼女のリングにはダイヤモンドをセットし、

彼のリングには、彼女と同じモチーフの模様を彫刻すると、

いよいよ完成を迎えることになる。

 

深まる夏の色彩の中で、

少し先の未来を思い描きながら、

ゆっくりと深呼吸をした。

 

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ピンクゴールドからシルバーへ。静かな夏の日々の記憶 #屋久島でつくる結婚指輪

カメラを空に向け、シャッターを切ると、トンボたちがフレームインするようになってきました。

いよいよ八月も後半にさしかかりました。

 

そういえば、夜明けはいつの間にか遅くなってきたように感じますし、

この頃は、夕焼けがオレンジ色に染まる光景にも、よく出会う気がします。

そろそろ、美味しいかぼちゃも市場に並ぶ頃でしょうか。

 

深みを帯びつつある島の季節に、胸を高鳴らせつつ、

もう少し夏が続いてほしいような気もしているこの頃です。

 

さて、アトリエでは、新しい作業が始まっています。

これまでピンクゴールドで作り進めていた、菜の花の指輪と対になるシルバーリング作りです。

 

お花のフォルムをそのままかたどった彼女のリングに対して、彼のリングは、シンプルな平打ちのデザインで造形を進めてまいります。

ふたつのリングには、素敵な繋がりをもたせて仕上げていく予定なのですが、それはまたもう少し先のお楽しみにとっておきましょう。

 

まずは、シルバーの板をローラーに通すところから。

寸法に微調整を加えながら、目標の数値に近づけていきました。

 

シルバーは、ゴールドやプラチナと比べ、柔らかい傾向のある金属なので、

強度を高めながら工程を進めていくことがとても大切になってきます。

 

これは、つけ心地や耐久性を支える重要なところ。

表には現れない部分を、しっかりと頑張っていきます。

 

くるりと丸く造形したシルバーリングには、

金槌で強く打ち付けて、さらに圧縮をかけていきました。

 

表面をコンコンと打ち付け、そして側面も。

リングの幅と厚みが0.2mmほど圧縮されるまで、何度も同じタッチを繰り返していきます。

 

工程をひと段落すると、金槌で叩いた深い痕跡を、リングの表面にしっかりと見ることができました。

その凸凹した表層部分を、鉄鋼ヤスリで削りとり、いよいよここから本格的な造形作業を始めることになるのです。

 

ふと、ざーっと音が聞こえてきて、窓の向こうに目をやると、

久しぶりに雨が降り始めていました。

かと思えば、すぐに雨雲は海のほうへと遠ざかり、夏の強い日差しが、またアトリエを包み込みました。

 

いつも変わらない、島のリズムだけど、

こうしてゆっくりと手を動かし続けていると、なんだかとても、心が平らになっていきます。

 

このようにして、愛おしき夏の日々は、静かに繰り返されていくのでした。

 

 

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制作編

あこがれの結婚指輪に出会うとき。ピンクゴールドとダイヤモンドで紡ぐ、ナノハナの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

ご家族との出会いと、シダの指輪にまつわる物語 #屋久島でつくる結婚指輪

アメリカに暮らす友人と。

今年もまた、屋久島で会うことができました。

 

気がつけば、初めて言葉を交わしてから、もう十五年ほどが経ちました。

長く育んできたお付き合いです。

 

数年に一度ですが、ご家族にお会いするたびに、

すごく変わったことと、全然変わっていないことがあって。

世界のめまぐるしい変化と、大きな川のように緩やかに流れる静かな時を、同時に感じるばかりです。

 

一ヶ月にわたる長いご滞在中には、

シダの葉をモチーフにしたリングをお作りしました。

お嬢様がとても気に入ってくれたデザインで、彼女が大人になったときに譲り受ける約束をしているのだそう。

なんとも素敵な物語です。

 

「この先の十五年で、私たちはどうなっているだろう」

カフェで一緒にお茶をしたあと、庭先でそんな話をして、さよならをしました。

長く続いた雨降りがようやく上がった、爽やかな夕暮れ時のことでした。

 

こうして、穏やかな繋がりを持ちながら、ときどき世界のどこかで一緒にコーヒーを飲むことができれば、それはきっと幸せなことですね。

 

素敵に移ろいゆく日々に、ありがとう。

そして、いつも変わらない笑顔を、ありがとう。

 

シダの指輪 silver, 18k yellow gold, diamond

 

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屋久島から長野へと旅立つサンプルリング #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島から長野へと旅立つサンプルリング。

おふたりからいただいたデザインや素材のリクエストをもとに、ご用意をいたしました。

サイズゲージと、詳しい説明を添えて、これから海の向こうにお送りします。

 

いったい、どんな指輪が生まれてくるのだろう。

いつもながらに、胸の高鳴る瞬間です。

 

これからじっくりと、一緒に相談を重ねながら、リングの素材やフォルムのイメージを育んでいきましょう。

わたしたちは、今まさに小さな第一歩を踏み出しました。

 

数ヶ月にわたる指輪作りの間には、迷ってしまったり、思いがけない発見に出会うことがあるかもしれません。

けれども、そのすべての時間が重なり響き合い、一つだけの結婚指輪を形作っていくのだと思うのです。

 

おふたりの大切な想いから生まれるリングです。

屋久島の美しい季節の中で、ゆっくりと育んでいければと思っています。

 

真夏の爽やかな香りに包まれたアトリエにて。

 

 

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あこがれの結婚指輪に出会うとき。ピンクゴールドとダイヤモンドで紡ぐ、ナノハナの指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

理想のジュエリーが出来上がるように、何度もやり取りを重ねながらオーダーメイドの作業を続けていると、

ふとした瞬間に、ある種の化学反応のような出来事が訪れることがある。

偶然なのか、あるいは必然なのか。新しいイメージに出会える瞬間だ。

 

おふたりと紡いできたデザイン作りも、新しい発見に満ちた時間だったように思う。

 

彼女から初めてメールが届いたのは、春の花々が島を賑やかに彩り始めた4月のことだった。

「菜の花の指輪に一目惚れです。」と彼女が言ってくれた。

 

さりげなく、可憐に咲く佇まいが彼女の理想で、

その儚い輝きのイメージが、デザイン作りにおけるわたしたちのテーマとなった。

 

花は、いつもより一回り小さいサイズのものを二つ並べることにした。

そうすることで、結婚指輪としての日常的な使いやすさも高めることができた。

 

素材は、ピンクゴールドのマット仕上げと、クリアカラーのダイヤモンドの組み合わせを選んだ。

 

そして、その小さな花とバランスを合わせるために、リングの幅を少しだけ細くし、花との接続部分をより繊細な植物的な造形にデザインすると、

まるで古くから受け継がれてきたアンティークジュエリーのように、普遍的で完成度の高いイメージが浮かび上がった。

 

出来上がったデザイン画を前に、「これしかない」と強く感じたのを、今でも鮮明に覚えている。

 

そして、あれから数ヶ月が経ち、島には疑いようのない真夏が訪れた。

力強い南国の日差しが描き出すダイナミックな情景に魅せられながら、

今、そのリングのイメージを、少しずつ実際に形へと変えているところだ。

 

アトリエでは、作業机の傍にデザイン画を置き、それを見ながらピンクゴールドの花を組み合わせていく。

けれども、実際に作業を進めていくと、思い通りに進まないことに突き当たったりもして、

その都度、ささやかな方向転換をしながら、タッチを重ねていく。

リングの角度や、散りばめるピンクゴールドの粒の大きさを調整しながら、理想の形を追い求める時間は、宝探しのようで楽しい。

 

作業机に向かうのは、わたし一人ではあるけれど、間違いなく三人で歩んでいる指輪作りだ。

かたちのない力に守られているような心強さを感じながら、日々作業机に向かっている。

 

作業を始める前には、島の東側にある海まで出かけ、早朝のフレッシュな波に乗ったりもした。

 

わたしたちのジュエリー作りに、いつも寄り添い、優しく包み込んでくれている屋久島にありがとう。

 

何十回にも及ぶ細やかな溶接作業を無事に終えることができた。

酸化膜を帯びて黒変したリングを洗浄し、これから紙やすりで丁寧に磨きをかけていく。

 

花を二つ組み合わせて生まれた初めてのフォルムは、可憐で、思わず目を奪われる。

全体のバランスも端正に整っている。

 

そして、次はいよいよメンズリングの制作に取り掛かることになる。

 

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制作編

屋久島に満ちる夏、ピンクゴールドの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島からお届けする、ナノハナのネックレス。清らかな喜びを分かち合うとき。#屋久島でつくる結婚指輪

小さなネックレスをお届けする日が、ちょうどお誕生日と重なりました。

屋久島から、おめでとうございます。

 

イエローゴールドとダイヤモンドで紡いだ、一輪の花。

ナノハナのネックレス。

 

屋久島と東京と。

海を越え、遠く離れているけれど、

こうして、ジュエリー作りをきっかけにして生まれたつながりの時間は、

一輪の花のように、かけがえなく、美しいものに感じられます。

 

ナノハナのネックレス 18k yellow gold, diamond

 

ネックレスは、7mmほどの繊細なフォルムにお仕立ていたしました。

力強さを秘めた輝きと透明感が、ダイヤモンドの魅力です。

 

小さくて愛らしいのに、どこか凛とした清々しい佇まい。

それはきっと、菜の花が宿す、春の息吹と躍動感なのかもしれません。

 

大地に春のぬくもりを感じ始める頃。

海沿いの広場にゆらめく黄色い花々。

一年ぶりにそのやわらかな煌めきに出会うと、静かに心躍ります。

 

毎年のことのはずなのに、ほんと不思議ですよね。

あの新鮮な感動を、こうしてジュエリー作りを通して分かち合えることが、

何よりも嬉しく、幸せに思います。

 

今回、チェーンの長さを38cmに調整しています。

ちょうど、鎖骨のくぼみに落ちるくらいのサイズ感でしょうか。

ダイヤモンドとゴールドの組み合わせだと、メンテナンスフリーで、つけっぱなしできるのも、嬉しいところですよね。

 

ずっと長くお使いいただけるように、

昔ながらの手作業で、丁寧にお仕立ていたしました。

いつも、清らかな喜びに包まれますように。

 

そして、いつの日か、屋久島でお会いできる日が訪れると、とても嬉しく思います。

素敵なご縁を、本当にありがとうございます。

 

屋久島サウスのアトリエにて。

夏の日差しがまぶしく輝く朝に。

 

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屋久島に満ちる夏、ピンクゴールドの結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

ひまわりが咲いていた。

海沿いに並ぶ段々畑の片隅で、黄色い光が風に揺られている。

その草むらの中を、夢中になって歩いていた。

 

涼しさが少しずつ混じり始めた夕暮れ時、散歩に出かけ、夏の花を眺めて一日を終えるつもりだった。

ひまわり畑の向こうに広がる屋久島サウスの山々を眺めながら、この日のジュエリー作りの工程を、ふわりと思い返していた。

 

ピンクゴールドで小さな花をふたつ作って、いよいよこれから本格的な造形作業を迎えるときの、緊張感が蘇る。

 

花と組み合わせるリングの素材には、ピンクゴールドの細い線を二本用意した。

その細い線で二個のリングを作り、その後に互いを重ね合わせるように溶接する。

ルーペとピンセットを片手に進める、デリケートで気の抜けない作業だった。

 

ふたつのリングが重なったあと、一箇所を思い切りよくカットする。

一度形成したものへ、あえてマイナスのベクトルを加えるのは、いつもながら、確かな決意のようなものを必要とすることだった。

 

そして、そのリングの両端を、植物の茎のようにくるくると巻いていく。

これには実にたくさんの工具を使用した。

 

タッチを重ねるたび、硬いゴールドが少しずつ有機的な表情を宿していく。

その柔らかな変化を前にすると、あたたかな気持ちに包まれた。

 

これまでお二人と育んできたイメージが、ようやくここに実を結びつつあるのだ。

そう思うと、今この瞬間がよりいっそう愛おしく、貴重なものに感じられた。

 

アトリエまでの帰り道には、西の空に沈む太陽をまぶしく眺めた。

夏の、長い昼が終わりを迎えようとしていた。

風に運ばれて体にまとわりつく潮が心地よく、どこか親しみ深く感じられるのも、この季節ならではの繊細な叙情なのかもしれない。

 

屋久島の季節に包まれ、おふたりとご一緒する指輪作りは、一度しかないのだ。

 

ああ、もう少し夏が続いてくれるといいなあ。

 

水平線に沈みゆく太陽が、水面にオレンジ色の煌めく橋を渡していた。

 

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制作編

ピンクゴールドで紡ぐ、小さな癒し。菜の花をかたどって、結婚指輪を作っています。

ピンクゴールドで紡ぐ、小さな癒し。菜の花をかたどって、結婚指輪を作っています。

ピンクゴールドの板を糸鋸で削り出し、小さな花をかたどり始めたのは、次の台風が近づき、島に雨の気配が漂い始めた頃だった。

作業机の上で花のフォルムが少しずつ整えられていくにつれ、胸の奥で小さな弾みが広がっていった。

 

これだ。

どこまでも繊細で、さりげなく。
それでいて、深く内に息づく力強さ。

いつもの暮らしの中で出会う、植物たちの響きだ。

 

モチーフにした菜の花を、実際に手にするように、そっと、やわらかなタッチを重ねていった。

 

 

いつもの散歩道で出会う花々。

何気ない喜びをそっと運んでくれる、夏の顔ぶれ。

朝、ツユクサに出会うと、なんだかいいことありそうな気持ちになる。

 

ランタナは一年中咲いているような気もするけど、

雨の滴を纏ったその佇まいが、好きだ。

 

夏に咲く白い百合。

「今年はたくさん咲きましたね」と、交わす会話も毎年の楽しみかもしれない。

 

繰り返される静かな時間。そこに訪れる小さな変化と。

島の季節が奏でるリズムの中で、お二人の結婚指輪を作っている。

 

ピンクゴールドでかたどったふたつの花を、ガスバーナーの炎に包み、温度を上昇させながら、ひとつにつなぎ合わせていく。

今回のリング作りで、10箇所を超える繋ぎ目の、最初のひとつである。

 

台にした朴炭に火を当て、全体へ均等に熱を巡らせていく。

ピンセットとルーペを使いながら進めていく、とても細やかな作業だ。

 

植物をモチーフにする制作なので、出来るだけ軽やかでさりげない印象に仕上げたい。

同時に、日常の中で安心して身につけられるだけの、確かな強度も持たせなければならない。

手を動かすたびに、心が少しずつ深まっていくのがわかる。

この静けさと、島のリズムに身を任せながら、このリング作りを進めていこう。

 

まだ始まったばかりではあるけれど、

目の前で形を帯びてゆく、硬くて冷たいゴールドの中に、

小さくて、あたたかな癒しのようなものが芽生え始めているのを、たしかに感じていた。

 

 

 

大好きな海。シャンパンゴールドとプラチナで紡ぐ波模様の結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

シャンパンゴールドとプラチナ。

真夏の強い日差し。

おふたりとともにオーダーメイドした、波模様の結婚指輪。

 

屋久島から、おめでとうございます。

全てが波の音に包まれた、やさしいひとときでした。

 

 

海を越えて、アトリエまでお越しいただき、ありがとうございました!

屋久島が紡いでくれた、素敵なご縁に感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとう。大切な 出会いを結ぶ指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島サウスに長く降り続いた雨が上がったのは、ちょうど、おふたりの結婚指輪の造形作業がひと段落したころでした。

プラチナとシャンパンゴールドで紡ぐ夏。お二人と歩んだ、結婚指輪作りの記憶。#屋久島でつくる結婚指輪

 

春から夏へと移りゆく季節をご一緒した結婚指輪作りでしたが、

山々や海、植物たちの表情はいつも新しく、日々の制作を励ましてくれていたように思います。

 

雨が降ったり、強い日差しが降り注いだり。

あるいは、その時のわたしたちの心持ちのようなものも、見える景色を変えているのかもしれません。

 

シャンパンゴールドとプラチナでお作りするお二人のリングもまた、いつも新しく、いきいきとした表情を感じられるように。

指輪作りの憧れは、自然の中に出会う多様な美しさにあったように思うのです。

 

リングは、できる限りシンプルに。

鉄鋼ヤスリと紙やすりを片手に、造形を重ねてゆきました。

昔ながらの、ゆっくりとした手作業です。

 

そうして出来上がったのが、おふたりが大好きな海をモチーフにした結婚指輪です。

リングの表面には、緩やかに波打つラインを施し、お揃いのデザインでお仕立てました。

 

これから長く紡がれてゆくお二人の暮らしの中で、時を重ねるたびに新しくなっていくような、細やかな喜びに満ちたリングであればと願っています。

 

いつものビーチにて。

 

彼のプラチナと、彼女のシャンパンゴールド。

どちらもすっきりと細いシルエットです。

 

真夏の陽光を受けて、その表面にリズミカルな陰影が浮かびます。

この輝きの領域の広さこそ、ゴールドとプラチナが持つ魅力なのでしょう。

 

浜辺に波が打ち寄せるたびに、キラキラと表情を変化させるリング。

つい嬉しくなって、手の中でリングをくるくると遊んでしまいます。

 

波音は不思議なくらい静かに感じられ、

リングもわたしも、全てを優しく包み込んでくれているように感じられました。

全てが受け入れられているような気がして、心癒されました。

 

屋久島から、ご結婚おめでとうございます。

あたたかなひかり溢れる日々を。

 

そうそう、

リングの内側に刻んだおふたりの言葉は、最後までじっくりとこだわってきたところでしたね。

おふたりだけの素敵な仕上がりになって、本当によかったなあと、しみじみと眺めておりました。

 

わたし自身、形を持たない大切な想いに強く突き動かされるような、穏やかで深い制作の日々を過ごしていたように思います。

 

これで指輪作りがひと段落し、わたしたちはまた、それぞれの新しい日々を迎えることになります。

巡りゆく季節のように、ですね。

 

またいつの日か、屋久島にいらしてください。

リングのメンテナンスをしながら、その後のいろいろをお話しできたら嬉しいです。

 

楽しい指輪作りを、ありがとうございました。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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