Blog

屋久島-サンフランシスコ 透き通る夏の結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

いつもより少し涼しく感じる朝だった。

山際にかかる雲がオレンジ色に染まっている。

 

島の朝特有の、重たい湿度を感じながら朝食を済ませ、すぐに作業机に向かう。

まだ一日が本格的に動き出す前に、制作の続きを始めることができると、一日が充実したものになる。

 

おふたりの結婚指輪も、気がつけばもう中盤に差し掛かろうとしている。

アトリエでお会いした日のことや、これまでの色々を懐かしく思い返しながら、この日の造形作業のイメージを頭の中に描き出していた。

 

 

季節は梅雨を越えて、真夏へ。

サンフランシスコと屋久島を紡ぐようにして、

おふたりにお届けする結婚指輪を作っている。

大好きな植物でつながる、結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪

 

相談会では、ツワブキの花をモチーフにしたリングを、彼女がとても気に入ってくれたのだけど、

わたしも大好きな花を、同じように好きになってくれた仲間ができたようで、とても嬉しかった。

 

秋が過ぎて、少しずつ寒さを感じるようになる頃、

手のひらを開くように、ぱっと元気に咲く黄色い花に出会うと、あたたかな気持ちに包まれる。

 

ツワブキの花は、庭先に集まるように咲くことが多いけれど、

一輪で佇む姿も、なんとも愛らしい。

 

花のフォルムはもちろんだけど、その愛おしさや心響くときめきのようなものを、分かち合うための表現とは。

 

その放射状の花びらは、プラチナを使って、8mmほどの大きさに仕立てた。

組み合わせるイエローゴールドのリングは、幅1.2mmで作っておいた。

 

リングは、茎のように細く仕上げておくと、咲いた花の姿が、指の上に浮き上がるように感じられるからだ。

 

その細いリングに、0.8mmの穴をドリルで慎重に開けておく。

花の裏側には、中心から伸びる0.8mmの金線を接続する。

 

強度や安定感を生み出すために、表には見えない部分の仕事をしっかりと頑張る。

 

ここで初めて、リングと花が一つとなり、ほっと一息。

微妙な調整を重ねてきたおかげで、角度も自然で、安定感もある。

 

お二人と一緒にタネをまき、これまで育んできた苗が、いよいよ花を開かせようとしている。

 

嬉しくなって、つい急ぎたくなってしまうけれど、ここはじっくりと時間をかけて進めていこう。

 

植物たちのペースに習って、ですね。

 

作業を終えて、日没の空に、ちょうど半分ほど欠けた月を眺めた。

明るくて、どこか青みを帯びた夜の始まりだった。

2025年の夏が、静かに、そして力強く、その鼓動を繰り返している。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

心満ちる、おふたりの物語から結婚指輪が生まれるとき 屋久島でつくる結婚指輪

リングのデザインを形作ったのは、お二人の大切な想いでした。

3つのドットをお揃いで装飾して、シンプルなラウンドシェイプのフォルムに仕立てました。

 

一度だけの夏。

お二人にお届けする結婚指輪。

 

 

指輪作りの間は、毎日のようにスコールがやってきました。

激しい雨が降っては止み、やがて夏の強い日差しが降り注ぐ。

どこか心躍るような、島のリズムの中で。

プラチナの雫。始まりの予感。シンプルで、特別な、おふたりだけの結婚指輪。#屋久島でつくる結婚指輪

 

お二人の巡り合いがあって、

屋久島と、わたしと、今この瞬間に交差する場所があって、

そのようにして生まれる造形は、まるで小さな奇跡のように感じられます。

 

それは、広い平原に咲いた花のように美しくて。

出会うことって、本当に素敵なことだなと、深く思わずにはいられません。

 

お二人の物語が、いつまでも心に満ちていますように。

大切なシーンをリングにとどめるように、象徴的なデザインをあしらえました。

 

シンプルで、特別なお二人の結婚指輪が、

わたしも、大のお気に入りです。

 

2.5mm幅と2.0mm幅。

お揃いのラウンドシェイプのデザインでお作りしました。

 

二本のリングとも、ドットの装飾がワンポイントのアクセントとなるようにお仕立てしてあるのですが、

彼のプラチナリングは、ドットが凹むように。

彼女のイエローゴールドのリングには、プラチナの粒を雫のように纏わせました。

 

素材やディテールは少しずつ異なるけれど、確かなつながりを感じるバランスは、とくに大切にしました。

 

実は、レディースリングの粒々は、彼のリングのプラチナを使っているのですよ。

 

彼のリング制作の際に生じたプラチナ片を溶かし、小さな粒を作って彼女のリングに溶接するとき、なんだかとてもあたたかで、静かな気持ちに包まれました。

 

8月8日の記念日にお届けできるように。

ここまで一緒に歩んできた時間も、今ではかけがえのない思い出となりました。

ハイビスカスが咲く頃になると、新しい始まりを迎えようとしていたこの日々を、懐かしく思い出すことがあるかもしれませんね。

 

島のリズムに寄り添いながら、ゆっくりと進めた制作となりましたが、

いつもあたたかく見守ってくれて、本当にありがとう。

 

ご結婚おめでとうございます。

希望に満ちた、お二人の日々を思い描いています。

 

そして、また、屋久島でお会いしましょう。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

ナノハナの指輪 2025, 夏のひかりとともに #屋久島でつくる結婚指輪

爽やかに降り注ぐ夏の光が心地よくて、お作りしたナノハナの指輪を庭先で眺めていました。

イエローゴールドの輝きが、島の緑と静かに響き合い、まるで光のかけらのように感じられました。

 

菜の花をモチーフにしたジュエリーが大好きで、これまでもたくさん作ってきましたが、海の向こうからオーダーをいただき、そのよろこびを一緒に分かち合うことができました。

 

ナノハナの指輪 18k yellow gold, diamond

 

リズミカルに並んだ三つの花の中央にあしらえた、三粒のダイヤモンド。

イエローゴールドには光沢仕上げを施して、

繊細な煌めきに、奥ゆかしい美しさを重ねました。

 

まばゆく輝きながら、表情を変えてゆくその佇まいは、動画でご覧いただくと、より心に響くと思います。

 

 

オーダーをいただいたとき、彼女のお名前に“菜”の一文字があることに気づきました。

 

お名前の中に花を持つことって、なんて幸せなことなのだろう。

ぽっと明かりが灯るように、心があたたかくなりました。

 

大切なジュエリー作りをお任せいただき、本当にありがとうございました。

春の光のような、やわらかな祝福を。

長くご愛用いただけますように。

 

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

結婚指輪と婚約指輪のハーモニー。 巡る時への憧憬。#屋久島でつくる結婚指輪

長く続いた暴風雨が去ると、島は澄み渡る空に包まれた。

ときおり、シャワーみたいな細かな雨が降り、一日を通して、どこかで虹を見ることができる。

少し怖くなるほどの、この圧倒的な美しさに出会えるのが、台風あとのひそかな楽しみになっているのかもしれない。

 

いくつもの再生を繰り返す自然のリズムは、いつもの暮らしとは異なるダイナミックさ持っていて、その果てしなさに、心地よさを感じながら。

 

 

大好きな植物を、そっと纏うように。

カリフォルニアに暮らすお二人の結婚指輪は、シダの葉をモチーフにしてお作りしています。

もうひとつ、シダの指輪と重ねて身につけられるように仕立てる、黄色い花の婚約指輪も楽しみ。

夏のかたち シダの指輪をつくるとき #屋久島でつくる結婚指輪

 

ひとつで身につけても素敵だし、重ねてつけると、そこに幸せなハーモニーが生まれるような。

そこに、彼のリングと彼女のリングの響き合いも重なって。

婚約指輪と結婚指輪を一緒にお作りできることは、小さな三重奏を演じるようで、胸が高鳴る。

 

多様でありながら共存する、その絶妙なバランス。

美しさと造形に対する憧憬は、いつも島の自然の中にあるのかもしれない。

 

さて、今日も作っている。

くるりと巻いたリングの両端は、茎の部分と葉っぱの部分が、隙間なくぴたりと合わさるように調整した。

そこへ、バーナーの炎を回しかけ、隙間に融点の低いゴールドを流し込んでいく。

このとき、リングを小さな墨の上に置いて作業をすると、熱のめぐりがよくなり、金属に直に火を当てる時間が少なくなるぶん、仕上がりもより美しくなる。

 

ある一定の温度まで上昇させ、ゴールドが隙間にすっと流れた瞬間に、火を外す。

とてもシンプルなタッチの中に、深い集中を必要とする作業だったけれど、うまくできたように思う。

 

それにしても、一度その形を留めると、はるか未来まで変わらなくあり続けるのが、金属の素晴らしいところだと思う。

それがゆえに、はるか長い時の流れの中にある、ちょっとした役割のようなものを担っていると感じることもある。

その宇宙的な時間軸を思うと、おふたりと、そしてわたしとは、その金属をジュエリーに変えるスタンスをとって、ほんの一時だけ借りている存在のようにも思えてくる。

ゴールドとプラチナが持つ可能性を最大限に活かすことができるように、大切に作り上げていかなくては。

 

シダの指輪の造形作業がひと段落し、お花の指輪づくりにバトンをつなぐ。

放射状に開く花のモチーフは、プラチナでかたどった。

 

これは、わたしも島で一番大好きな、ツワブキという花なのだけど、

その繊細で明るい雰囲気が、彼女にとてもよく似合っている。

 

少しずつ肌寒さを感じるようになる、屋久島の12月。

庭先や散歩道に、ポコポコと咲き始める黄色い花。

あふれる光のようなその印象に、希望にも似た癒しを感じながら、次の作業へと取り掛かっているところだ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

夏のかたち シダの指輪をつくるとき #屋久島でつくる結婚指輪

海が荒れて、島に船が来なくなってから、きっと5日ほどが経っただろうか。

それでも、台風が直撃しなかったのは、本当にありがたい。

迷走を繰り返す台風の進路をいつも気にかけるのは、島で過ごす夏の風物詩のようになっている。

 

 

強く吹き付ける雨風の気配に包まれながら、作業机に向かう時間は、案外とても好きだったりもする。

大好きな植物で繋がる結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島の植物たちが、これほど生き生きとした躍動感に満ちているのは、その厳しい自然環境によるものである、と聞いたことがあるけど、なるほど。

台風が過ぎ去ると、わたし自身も、いつもフレッシュで真っ白な気持ちになることができる。

 

ジュエリーに宿る、ふわりとあたたかで、やさしげな美しさもまた、どこまでも深く、研ぎ澄まされた場所から生み出されるのかもしれない。

 

さて、

今日もひとつひとつ。

プラチナとイエローゴールドでかたどったシダの葉が、くるりとリングになるまでの時間は、とても楽しい。

 

よく眺めてみると、外側に反りながら、内側に向かってカーブを描いているシダの葉っぱ。

鉄の台に添えて、コンコンと叩きながら、滑らかなカーブをつくり出していく。

硬い金属に、少しずつ柔らかな質感が宿っていく。

 

繊細なデザインではあるけれど、プラチナとゴールドでできた葉っぱは、硬い。

少しずつ、ぎゅーっと力をかけながら、丸い形に。

ここで、初めてリングらしくなり、あの日、お二人と過ごした時間のひとかけらが、形になったような気がして、なんだかとても嬉しかった。

 

一日の作業を終え、夕暮れどきの海に。

西に車を走らせると、なんと、予想していなかった青空が広がっていて、

ただ普通の空が、なんとも特別なものに感じられて、眩しい夕日をずっと眺めてしまった。

 

これでまた一つのサイクルが閉じられたのだと思う。

そしてまた、新しい時間がやってくる。

そう思うと、いつもの夏が、とても新鮮で、刺激的なものに思えてきた。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

大好きな植物で繋がる結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスに、夏の白い百合が咲き始めている。

散歩道や、車窓の向こうにふと目にする、ゆらゆらと揺れるその佇まいは、繊細で、凛々しい。

 

ここのところ、いくつかの台風が同時に島に近づいてきた影響で、雨の多い日が続いているけれど、それでも時折訪れる晴れ間を見つけては散歩に出かけ、その白い百合を楽しく眺めていた。

 

植物というのは、本当に不思議なもので、毎年同じ時期に、同じ場所で、同じ花に出会うわけだけど、

いつも変わらず、あるいはいつも以上に心を躍らせてしまう。

とくにこの島に暮らすようになってからは、植物たちと触れ合う時間がとても多くなり、それにつれて、同じような気持ちを分かち合える人との繋がりも自然と多くなったように思う。

 

お二人は、今どんな花を眺めているのだろう。

海のずっとずっと向こうに、何気なく思いを巡らせていた。

シダの葉は、もしかすると、屋久島を訪れて一番最初に好きになった植物かもしれない。

森を歩き、ふわりと手に触れたその葉の その生き生きとした緑色と精巧さに感動した時のことを、今でも鮮明に覚えている。

 

フラクタル係数的な細やかな世界観に夢中になったかと思えば、なかには、自分の背丈よりも大きな葉っぱもあって、その多様性にも驚かされた。

 

この葉っぱを摘んで、身に纏うことができればどんなに素敵だろう。

そう思ったのは、とても自然なことだったように思う。

 

さて、アトリエです。

プラチナでかたどったシダの葉は、まさに、実物と同じくらいの大きさだった。

糸鋸で輪郭を切り出し、精密ヤスリでその輪郭を整えていく。

数日間にわたる、とても繊細な作業だったけれど、それがようやくひと段落したところだ。

 

とても静かでシックな作業ではあったけれど、コツコツと積み重ねるその時間は、植物たちの歩みに似ているのかもしれない。

 

地道な日々の行いが、やがてダイナミックな変化や美しさをもたらせてくれる。

いつも身近にある植物たちの時間に習うように、ひとつひとつのタッチを丁寧に重ねていく。

 

葉の中央に走る茎の部分は、イエローゴールドで作ることにした。

リングにもなる細いイエローゴールドを、プラチナの葉っぱと組み合わせていくこの工程は、早くもこの指輪作りのクライマックスとなるだろう。

 

窓の向こうからは、ざあざあと激しい雨音が聞こえてきた。

それにしても、よく降る雨だ。

 

船も来なくなるし、出かけることもできない。人々にとっては時にハードルとなりうるこの雨も、植物たちには恵となりうるのだから、面白い。

わたしもゆっくりと深めていこう。

 

島リズムのゆっくりしたジュエリー作りを、いつもあたたかく見守ってくれて、本当にありがとう。

 

大好きな植物で繋がる結婚指輪作り。

これから、三本のリングを作り進めていく。

胸が高鳴る時間が、わたしたちを待っている。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

ありがとう、屋久島のアトリエで結婚指輪を迎える日 #屋久島でつくる結婚指輪

完成した結婚指輪を、おふたりにお渡しする日。

夏の陽ざしが降りそそぐ中、ときおりスコールが通り過ぎていく。

明るい雨降りの日。

 

これまで長く育んできたリングと、

おふたりが初めて対面する瞬間に立ち会えることは、

作り手にとって、何事にも代えがたい喜びのように思います。

 

リングを交換しているときは、ほんの少しだけ、呼吸を忘れてしまうような。

静かな歓びに満ちた、幸せなひとときでした。

 

おふたりとは、これまで海をこえて、メールやお電話でご一緒してきたけれど、

こうして実際にお会いすることができて、

完成したリングとおふたりの印象とが、ぴたりと重なり合ったというか、

これは本当に、おふたりのためのリングなのだなあと、

我ながら、しみじみと思いました。

 

たしかに形あるものではあるけれど、

この小さなリングには、形をもたない大切な想いが、どこまでも広がっている。

それは、今ここに咲いた花のように、

かけがえなく、美しいもののように思うのです。

 

おめでとう。

ありがとう。

 

いつの間にか雨は上がり、庭先にはチョウチョが飛び交い始めていました。

海から吹き上げる風に乗って届く波の音が、少しずつ大きくなってきています。

 

夕方の飛行機で帰路につかれるということで、

長くご一緒したオーダーメイドの時間も、いよいよ一区切りを迎えることになりました。

 

屋久島では縄文杉登山もできて、サルにも会えて、

よりいっそう、これからの楽しみが広がりましたね。

そしていつの日か、またお会いして、お互いの近況を話し合うことができれば、何よりも幸せに思います。

 

春からご一緒してきた日々を、もう懐かしく思い返しながら。

今朝も雨降りの、屋久島サウスのアトリエにて。

 

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

おふたりの大切な想い。屋久島で生まれるコンビネーションリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

 

 

 

 

おふたりの大切な想い。屋久島で生まれるコンビネーションリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

珊瑚礁の浜辺で眺めたコンビネーションリング。

色違いのお揃いデザインでお仕立てしました。

 

シャンパンゴールドにホワイトゴールド、そしてプラチナが、

島の夏と響き合い、

静かに満ちる色彩に、夢心地でした。

 

 

結婚指輪作りを進めていたのは、まだまだ雨の気配が色濃く残る、梅雨の終わりのことでした。

日々の喜び、色彩に包まれる結婚指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

そして、指輪の完成を合図にするように、やがて、島に夏が訪れました。

長く島を覆っていた重たい湿度はどこかに消え去り、

山も海も、いまは煌めきの中にあります。

市場にはパッションフルーツが並び、

ときおり降り注ぐスコールを、ワクワクと待ちわびる日々です。

 

これまでおふたりと季節をご一緒できた、かけがえのない時間を、愛おしく思い返しながら。

 

屋久島西部の山々を見渡す、珊瑚礁のビーチにて。

 

岩の影になっている場所を見つけ、そこに座り、リングを眺めてみる。

 

水面に反射して届く陽光が、リングをやわらかく包み込んでいます。

 

リングの表面は丸くて、表情はやさしい。

その中に、ホワイトゴールドとプラチナのコントラストが、すっと浮かび上がります。

 

光の角度によって、ふたつの金属が混じり合うように見えるのは、斜めに仕立て上げた境界線によるものでしょう。

 

白色系の、絶妙な金属の組み合わせを選んでくれたのは、彼でした。

 

彼女が選んでくれたのは、シャンパンゴールドとプラチナ。

彼と色違いの、お揃いデザインです。

 

マット仕上げの質感は、どこまでも自然体で、

この夏と、やわらかく響き合っていて、

まるで、ずっとここで長いあいだ出会うのを待っていたように見えました。

 

波打ち際や、水平線。

昼と夜とが入れ替わる時間。

そして、季節の移り変わりも。

 

島で暮らしていると、色彩が重なり合う場所に出会うことがあって、

そこに、秘められた可能性のような、果てしない力強さを感じるのです。

 

もしかすると、わたしたちの出会いもまた、そうなのかもしれません。

 

表には見えないけれど、おふたりだけの心に響く内側のデザインは、大切にしたところです。

お名前の間にセットした、黄色と緑色のダイヤモンドも、

夏の強い日差しを受けて、とても綺麗に輝いています。

 

波音に包まれて二本のリングを眺めていると、

これまで一緒にデザインを育んできた日々が、懐かしく甦ってきました。

 

気持ちはどこまでも晴やかで、

真夏の強い日差しさえ、不思議なほどに心地よく感じられました。

 

このリングは、おふたりがアトリエに受け取りにお越しいただけることになっているので、

お会いできるのが、本当に楽しみです。

 

指輪作りは、ひと段落となりますが、

これからが新しい始まりですね。

 

お磨き直しをしながら、長く身につけていく結婚指輪です。

時間をかけてリングに宿る味わいも、きっと素敵なものになると思います。

 

ときおりご連絡をいただいて、そのお手伝いができることが、

わたしにとっても、何よりの喜びになっています。

 

ご結婚おめでとうございます。

そして、これからも、どうぞよろしくお願いします。

 

わたしたちの楽しい時間は、まだまだ続いていくのでありました。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

島が紡ぐ物語、真夏の結婚指輪相談会 #屋久島でつくる結婚指輪

南の島で出会い、ご結婚されたお二人が、屋久島のアトリエまで訪ねてくださいました。

真夏の結婚指輪相談会。

空がどこまでも澄み渡る、最高に気持ちの良い昼下がりでした。

 

「まだ色々決まっていないので、アトリエに行ってから考えたいです」

そんなふうに、メールでお知らせいただいていたのですが、

実際にサンプルリングを手に取っていただくと、思いがけない出会いや発見があったりして。

その流れを楽しむように、直感に導かれながら、自然体でデザインを育んでいくおふたりのリズムが、とても印象的でした。

 

気がつけば夕暮れどきまで、デザインづくりに夢中になっていたのですが、

その間に、お二人の出会いやお仕事のことも、ゆっくりとお話しすることができました。

 

屋久島よりも、はるか南にある小さな島で出会ったお二人と、こうして屋久島でご一緒できて、

同じ未来を眺め、そのかたちをともに描いていることが、本当に奇跡のように思えました。

今、この瞬間が、いっそう大切なものに思えました。

 

ピンクゴールドとプラチナ。

波のリズム、光のイメージ。

この日、この小さなアトリエで生まれたかたちは、

おふたりが出会い、育まれてきた時間そのものなのかもしれません。

 

相談会を無事に終え(リングの内側のデザインまでコンプリートすることができました!)、最後に庭先で記念撮影をして、サヨナラを。

見上げると、屋久島サウスの山々が爽やかな青空に包まれていました。

遠くからは、ざあざあと波音が聞こえてきます。

 

このようにして、わたしたちの物語は、静かにその始まりを迎えました。

2025年の夏。

一度だけの結婚指輪作りを、皆さま、どうぞあたたかく見守っていてください。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

プラチナの雫。始まりの予感。シンプルで、特別な、おふたりだけの結婚指輪。#屋久島でつくる結婚指輪

イエローゴールドのリングの表面に、プラチナの粒を三つ散りばめて。

おふたりのリング作りも、いよいよ佳境を迎えることとなりました。

 

結婚指輪作りでは、その完成が新しい暮らしの始まりを告げる合図でもあり、

大切な日に向かって、希望がゆっくりと満ちていくように感じています。

 

雨が降っては止み、太陽が現れて夏の強い日差しが降り注ぎ、やがてまた、雨雲に覆われる。

 

数日間にわたる作業の間は、毎日スコールが続いていたけれど、

わたしたちの暮らしもまた、そうしていくつもの始まりを繰り返しながら、少しずつ育まれていくのかもしれません。

 

彼女のリングに散りばめた三つの粒は、彼のリングを作ったときにできたプラチナのかけらを使いました。

ふたつの大きな粒と、ひとつの小さな粒。

それらはまるで、おふたりの絆を繋ぎとめるように、リングにおさまりました。

 

「手作業の多い仕事なので、粒は少しリングに埋めるように仕上がると理想です」

デザイン作りのときに、彼女がそう言ってくれたのを覚えています。

そのようなやり取りも、今となっては素敵な思い出になりつつあります。

 

リングの表面にぽつりぽつりと散りばめられたプラチナは、雨の雫のようで、

作業の合間に庭先で眺めていた植物たちの姿が思い出されて、なんだか嬉しくなりました。

 

そうそう、彼のプラチナリングの装飾についても、語らないわけにはいきません。

彼女のリングと繋がりのあるモチーフを、少し異なるアプローチでお仕立てすることになっているのですが、

それはまた、別のお話で。

シンプルで、特別な、おふたりだけの結婚指輪に仕上がると思いますので、どうぞお楽しみにしていてください。

 

おふたりの指輪作りをあたたかく見守ってくださり、ありがとうございました。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

 

制作編

シンプルなフォルムに響く、ふたりの記憶と島の季節 #屋久島でつくる結婚指輪