冬の柔らかい光いっぱいの朝だった。
今日から新しいジュエリー作りが始まることになり、
作業机に向かう前に庭に出て
準備していた素材を太陽の光の下で見てみる。
platinum900
ガラスのシャーレに入ったプラチナの角ばった線。
こちら、夏にしずくギャラリーに来てくれたお二人の結婚指輪となる素材であります。
結婚して屋久島に旅行にやって来たお二人は、
たまたま宿泊したモスオーシャンハウスさんで、わたしのジュエリーの話を聞いて、その足ですぐしずくギャラリーまで来てくれた。
web siteを見ると、それまでおぼろげに探していたジュエリー像がそこにあって、瞬間ひらめきを得たという。
これだ!
そんな巡り合いに満ちた旅と結婚指輪作り。
あの夏の日々がとても懐かしい!
木漏れ日の下で手に取ってみる。
太陽の光を浴びて、
白く輝く部分と黒く影になる部分があって、
そのコントラストが高く見える。
わずか2mm角ほどの細い線なのに、確かな重みを感じる
全体としては落ち着いたダークトーンの銀白色。
表層は緑色の光を帯びている、その光は周りの屋久島の情景が写り込んだものである。
朝のキラキラを
短い動画にまとめてみたのがこちら。
pt900 from SHIZUKU GALLERY on Vimeo.
アトリエに戻り、まずはメンズのリングから。
庭からの作業場だと、
なんだかとれたての野菜を調理するようですね。
指輪作りの際は、酸素トーチでプラチナに火を当ててから柔らかくして形成を進めるのですが、その温度はなんと1000度以上。
プラチナの融点は1700度なので、それは耐久性にも優れているはずだ。
耐久性というと、もう一つ、
柔らかい、というのがプラチナの特徴でありまして。
柔らかいのに耐久性があるのですか?
と思いますよね。
でも、
柔らか、という感覚は
スポーツ選手で例えると、柔軟な体→怪我をしにくい
というのに似ていると思う。
しなやかなのです。
プラチナにも衝撃や傷に対応できる柔軟さがあって、
そのしなやかさが長く現状を保つ助けをしてくれるのです。
さてさて、
作業の方は、彼のサイズにピタリと合わせてリング状になったところで、今日はここまで。
気がつけばすっかり夕暮れ時になり、しずくギャラリーまで出かけると、
川沿いに椿の花が咲いていました。
今年の一輪目!
今日は光が澄み切った1日だったなあ。
花も綺麗で、そして海も良かった。
これから海を渡る指輪。
長く続いたお二人の指輪作りもここでひと段落で、
なんとなく名残惜しいような気持ちになりますが、
また新しい日々が始まります!
そしてあと二週間で新しい一年が始まりますね。
フレッシュな一週間となりますように。