屋久島サウスのアトリエです。造形がひと段落した彼のリングを作業台に置いて眺めている。シンプルなラウンドシェイプ のようでもあり、流れるラインのようでもあり。
オーダーメイドの結婚指輪作りでは、ふとしたアイデアから新しいデザインが生まれることがある。その瞬間に立ち会うことができるのは作り手として何よりも幸せなことだろう。
お二人と歩んだ結婚指輪作りはまさにそんなリズムで、今日は一緒に作り上げたイメージが形になって嬉しかった日。
屋久島の暮らしでは水のエッセンスは欠かせない。川の流れ、雨も波も、いつもどこかで水の音が聞こえてくる。
とどまることのない水の流れを思いながらデザインしたリングを、いつものビーチに持っていくことに。爽やかな秋の光の下で眺めてみよう。
いつものビーチ。冬の訪れを告げる北風が吹き始めている。
昼間の日差しで浮き上がる切り込み模様の陰影を確かめて。
2.3mm幅のプラチナリングは最近の黄金律になっているのかも。すっきりと、でも丈夫で、使い勝手フレンドリーなバランス。
光の影響で白く飛んでいるところと黒く沈んでいる色の幅が大きいところがプラチナらしさだろう。このコントラストを感じるようなラインをリングに施したかった。
アトリエに戻る前に、川の浅瀬を歩いて水面の揺らめきを眺めておく。
さて、アトリエです。
彼女のリングはグッと繊細になるので、優しい手作業で造形を進めていかなくては。
プラチナリングと鉄鋼ヤスリ、精密ヤスリを作業台に用意して、あと、朝の海で出会ったリズムを胸に抱きながら、ここからは一気に進めていきたいと思っています。
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