屋久島サウスのアトリエです。シャンパンゴールドとプラチナを組み合わせて作ったリングを鉄鋼ヤスリ片手に削り出している。丸くて柔らかなアウトラインを造形しているのだけど、オーダーメイドの結婚指輪を作るとき、そのカタチはお二人の雰囲気に近しくなるのかもしれない。
お二人とは夏のしずくギャラリーでお会いできた。彼は屋久島の、しかもとてもご近所の生まれ育ちとのことで、森の木々のことやデザインにおける西洋気質と東洋気質について話したりした。同じフィーリングを共有している仲間とデザインの話ができるのは楽しい。
結婚指輪作りではもちろん、お二人の“好き”を形にしてゆく作業になるのだけれど、デザインは彼のお気に入りだったり、素材は彼女のお気に入りだったり、お互いを大切にしながら一つの指輪を作ってゆく時間がとても愛おしく感じられる。
彼女のお気に入りがシャンパンゴールドなので、今回の結婚指輪作りはシャンパンゴールドの素材使いを柱にして、と彼が伝えてくれたことを思い出しながら。
今日はそんな彼女のリング作りの工程を。
リングは表面8割ほどをシャンパンゴールドが覆っていて、あとの2割から、側面裏側へとプラチナが広がっている。丸く削り出すうちに、その境界線もフワリとなってきた。
コンビネーションのリングはこれもでも色々と作ってきた。素材の組み合わせもさまざまだし、境界線をフワリとするときもあるし、シャッキとすることもあるし、その印象はとても多様だ。
最近素敵だなと思うのは、約束のような結婚指輪。実際に使うものではあるけれど、その奥にある何か大切な事柄を纏うようにと指輪をお作りすることが多くなってきた。自分達の思いや未来のイメージを抱くように、指輪作りは内側へと向かってゆくのかもしれない。
お二人のリングはフワリと、二つの素材が混ざりあっているような感覚だろうか。隣り合っていて、今ここに二つの金属が有ることを大切にしたいとお二人が言ってくれたのをよく覚えている。
そういえば、もう数年前のことになるけれど、彼のご両親の結婚指輪をサイズお直しさせていただいたことがあって、その時のリングもコンビネーションのデザインだったよなあと、偶然のような、必然のような巡り合わせを感じながら、今日の作業机に向かっている。
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